06話 ダンジョンボス
「――はあっ!」
ステータスに物を言わせ、聖剣を振りぬく。
ついでに発動される【威圧】で、高レベルの魔物でも一時的に身動きが取れなくなる。
そこに聖剣で切りかかるだけの簡単なお仕事だ。
「――経験値にもならないし、ただただ面倒なだけだ、、、」
今俺がいるのは41階層。
深層と呼ばれる、高位の冒険者しか踏み入れない領域になる。
出てくる魔物のレベルも最低でも50を超えてきて、高い魔物では100近くになるものいた。
しかし、聖剣2振りの前では『ガイアウルフ』クラスの魔物でさえ敵にはならないので、何も問題はない。
「――こいつは良い素材がとれそうだ」
たまに出てくる強い魔物は、しれっと倒した後に片っ端から【アイテムボックス】に詰め込んでいく。
後で解体して、食料や素材に分ける予定だ。
「このペースなら、あと1時間もしないで、50階層にいけそうだな」
俺は聖剣の恩恵で跳ね上がっているAGI――敏捷力で、かなりの速度でダンジョンを進んでいる。
本来、このダンジョンは50階層にたどり着くまでに熟練の冒険者パーティでも2、3日はかかると言われているところ。
――俺はものの5、6時間程度で踏破した。
◇◆◇
「――この先がダンジョンボスのいる部屋か、、、」
50階層は、少し開けた場所だった。
そこには魔物が一切出てくる気配なく、セーフゾーンになっていた。
あるのは、一枚の大きい扉だけで、ここはボス戦の前に準備を整えることができるらしい。
――随分と心優しいダンジョンだ。
俺も、少しくらい準備させてもらおうとしよう。
「――【研磨】」
これまで使い続けてきた聖剣『ハーゴード』を、スキルを使い研ぎなおす。
別に刃こぼれしているわけではないが、【研磨】は魔物の返り血を払うこともできる。
それに、研がれた剣というのは気分的にも多少の効果がある。
「さーて、そこまで休む必要もないし、このままダンジョンボスに挑むかな」
ステータスのおかげか、ここまでずっと休むことなく来たというのに、体は全然疲れていなかった。
むしろウォーミングアップが終わった後のような、爽快感があるくらいだ。
「この扉は、どうやって開ければいいんだ」
目の前にある大きな扉は、見た目通りなら相当な重さがあるだろう。
聖剣の恩恵もあるので開けられないことはないと思うので、とりあえず押してみることにする。
そして、扉を開けようとして、扉に触れると、、、
――扉が勝手に開かれた。
(なるほど、良く出来た仕掛けだ)
招かれたように開いた扉をくぐり、部屋へと足を踏み入れる。
ボス部屋はとても広い空間だった。
それこそ、東京ドームで広さを表すような大きさだ。
途中ほどまで足を踏み入れると、入ってきた扉がひとりでに閉まった。
最悪は、あの扉くらいなら壊せそうだから、問題はないだろう。
――それで目的のダンジョンボスは、、、 いない?
「まさか、復活してないとかないよな、、、」
一瞬、前回ダンジョンボスが倒されてから1日経っていないという可能性も考えたが、すぐにその考えは覆された。
――ドオオオン!
巨大な衝撃音が、部屋の中で反響して、その音をより強調させる。
その音の元凶は、天井から落ちてきた巨大な金属の塊だった。
クレーターを作った巨大な金属は、やがて波打つように動き始め徐々に人型へと変化していく。
変化が終わり、巨大な金属の塊は金属でできた巨大なゴーレムとなった。
俺は『それ』に【超高位鑑定】を発動する。
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名前:ダンジョンの守護者『フルメタル・ゴーレム』
LV: 150
HP: 3000
MP: 250
STR: 1300
INT: 100
VIT: 2000
AGI: 500
スキル:【完全再生】MPを消費することで、HPを完全に回復することができる
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――脳筋なステータスなものの、一部ステータスは海龍にも迫るほどだった




