05話 初めてのダンジョンへ
「――【透明化】」
王都ヴィントヴィーゼから1時間程度のところに、目当てのダンジョンはあった。
勇者以外の侵入を禁止しているため、見張りがいた。
――人数は2人。
どちらも、お城の兵士みたいな甲冑姿をしている。
俺は、新たに作った聖剣『インヴィジブル』のスキルを発動させる。
ミミとココネの前で使って効果は確かめてあるので、注意するべきことはわかっている。
この【透明化】は本当に姿を消すだけしか効果はなく。
音や気配などは消せないので、動くときは注意しなくてはならない。
そのため、なるべく音が出ない装備に着替えてある。
もちろん、ダンジョンの中に入ったら装備を戻すつもりだ。
(――抜き足、差し足、忍び足、、、と)
兵士さんたちの前を、ゆっくり音を立てないように移動する。
姿が見えないとはいえ、目が合ったように感じたりと中々スリリングだ。
――ダンジョンの入り口まで50mほどという、短いようで長い道のりを超え、俺は初めてのダンジョンに突入した。
◇◆◇
――ダンジョンと言えば、異世界転生モノの定番中の定番である。
それは、この世界も例外ではなかった。
調べただけでも大きいダンジョンが各国に2,3個以上存在していた。
ただ、ダンジョンが出てくる小説でも細かい設定は異なっている場合が多いので、俺の中の知識を当てにせずに事前に調べてきた。
このダンジョンは、50階層から成る大型のダンジョン。
数字が大きくなるほど出てくる魔物も強くなるのはお約束で、10の倍数の階層ごとにボスがいるらしい。
ダンジョンの階層と冒険者のランクの対応で考えると、、、
1 ~ 9階層 = Dランク
10 ~ 19階層 = Cランク
20 ~ 29階層 = Bランク
30 ~ 39階層 = Aランク
40 ~ 50階層 = Sランク
――こうなるらしい。
俺のランクであるEランクが無いのは、ダンジョンに入ることを止められたりするからだ。
10の倍数ごとに出てくるボスだけど、定期的に復活する仕様になっている。
入るパーティ毎に出てくるわけではなく、1ヵ月ほどで復活するみたいだ。
そのため勇者がボスと戦えるようにするため、一時的に他のパーティの出入りを禁止したらしい。
どこのボスも2~3週間前に倒されているので、今回は戦わなくて済む。
ただし、ダンジョンの最奥――このダンジョンだと50階層――にでてくる、ダンジョンボスは1日で復活するとのこと。
過去の勇者が『神鋼』を手に入れたのも、そのダンジョンボスからだと勇者伝記に書いてあった。
すなわち今回の目的は50階層のダンジョンボスだ。
◇◆◇
1階層にある、すごく広い大部屋。
ここは魔物が出ないセーフゾーンになっている。
本来ならば、たくさんの冒険者がここで休憩を取っていたり、準備を整え直していたりするのだが、今は誰もいない。
【透明化】を解除し、装備を整え直す。
今回はダンジョンボスとも戦う予定なので、本気装備だ。
――左腰には、戦いに使う予定の聖剣『ハーゴード』
――右腰には、【超高位鑑定】の聖刀『アナライザー』。
それに、新しく作った【鑑定偽造】を持ったペンダントを装備している。
今回は魔剣『ファントム』を装備できないので、代用品として作った。
武器以外の装備も、【武具創生】で作った魔剣と比べても遜色のない防具で揃えてある。
いくらレベル1の鍛冶師とはいえ、ここまで装備をガチガチに固めたら、なんとかなるだろう。
――さあ、初めてのダンジョン攻略だ




