02話 情報収集
「――なんで、俺たちが並ばなきゃならねえんだよ!!!」
王都――ヴィントヴィーゼの外壁の門。
その検閲の列に並んでいた俺たちの前に現れたのは、、、
――どこかで見たことあるようなやつだった。
「俺たちはCランク最強パーティ『タイラント』だぞっ! 痛い目見る前に道を開けやがれ」
――ああー。思い出した。
ルトリアでミミとココネに絡んできた、見た目倒しの冒険者か。
名前知らないから、世紀末に出てきそうな見た目から『ヒャッハー』と呼ぶことにしよう。
『タイラント』のリーダーは、実力はともかく、見た目だけは立派なヒャッハーだ。
俺たちの後ろの連中が、怖がって順番を譲ってしまう。
満足そうに歩いて向かってくるヒャッハーは、やがて俺たちを見つけるや否や――
「お前らはルトリアで会ったくそ野郎じゃねえか!!! ここであったが百年目。この間の恨みを晴らさせてもらうぜえ!!!」
――殴りかかってきた。
あまりにも急な展開で俺が動けずにいると、
「ご主人様には、手を出させませんっ!」
「うるさい、なのっ!」
ミミとココネが、魔剣(鞘にいれたまま)でヒャッハーさんを吹っ飛ばした。
――おしい!
そこで、あべしを言わないヒャッハー。
残念だ、、、
「――いてえな! この餓鬼ィ!」
めげずに立ち上がるヒャッハー。
しかし、お前はもう詰んでいる。
――衛兵が騒ぎを聞きつけやってきたのだ。
衛兵に連れていかれる『タイラント』のヒャッハーたち。
俺たちも衛兵に連れていかれそうになるが、周りの人の証言もあり、連行されることは免れた。
「それにしても、お嬢さんたち強いね」
「ほんとほんと。Cランク冒険者を倒しちまうなんて、すごいよ」
しかし、一連の騒動を見ていた周りの冒険者や商人から、ミミとココネがヒーローインタビューみたいな扱いを受けることになってしまった。
どうせ、王都の中に入るまでは時間が掛かるので、俺は2人の困った様子を見て、時間をつぶすことにした。
◇◆◇
「――とても疲れました、、、」
「ようやく終わったの。シロウ様も助けてくれないなんて酷いの、、、」
検閲が終わり、ようやく入都を許された。
2人は長い待ち時間の間もてはやされ続け、精神的にかなりお疲れみたいだ。
俺も止めなかったという多少の罪悪感があるので、少しばかり気まずい。
「――今日は宿をとって、早めに休もうか」
「すみません、、、」
「そうするの、、、」
俺たちは待ち時間の間に聞いておいた、美味しい料理を出してくれるという宿屋に向かった。
宿屋で食べた夕食は評判の通り、とても美味しかった。
ちなみに、また3人で1部屋である。
――【涙目上目遣い】でお願いされたのだ。
夕飯を食べ終わり部屋に戻ると、お腹がいっぱいになったミミとココネはすぐに寝てしまった。
――無理もないだろう。
2人はこの2日間、いろんなことに気を使いながらの移動してきたうえ上に、今日の行列での出来事だ。
疲れないわけがない。
このまま、俺もいっよに寝ようかなと思ったが、俺は移動の間特に何もしていなかったし、そこまで疲れてはいないので、すぐに寝れそうになかった。
なので、2人を起こさないようにそっと部屋を抜け出し、夜の町へ繰り出すことにした。
――もちろん、情報収集のためだ。
冒険者が集まりそうな酒場を何件か梯子して、情報を集めることにする。
冒険者ギルドについている酒場や、安い料理や酒を出してくれる低ランク冒険者が集まりやすい飲み屋など、いくつか回って情報を集めた。
神鋼についての情報は一切得られなかったけど、いくつか気になる話題を聞いた。
1つは『カメリアの魔剣』について。
もちろん、俺が設立した『カメリア商会』の看板商品の魔剣のことである。
すでに、貴族の間で噂になっており、実際に手に入れようと動いている貴族もいるらしいとのことだった。
――順調でなによりだ。
もう1つは勇者について。
王様が娘――つまり、お姫様に命令して、異世界から勇者を召還させたらしい。
正確に国からの通知も最近出たらしく、勇者自体はまだ町の人は誰も見たことはないけど、、召喚されたことは事実みたいだ。
なんでも、魔国の動きが活発化しているとか、もしかした魔王が現れたかもしれないとかで、その対策に召還したらしい。
魔族による被害がでるとかで、王都の人々も少し戸惑っているみたいだ。
(――そういえば、『神鋼』を初めて見つけたのは勇者だったな)
ココルテの町でおっさんたちから聞いた『神鋼』の話に勇者が出てきた記憶がある。
――もう少し、調べてみるか。
俺はもう2,3件、情報を集めるため飲み屋を回ることにした。
――こうして夜遅くまで情報収集して帰ると、ミミとココネに怒られたのはいうまでもない
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