SS 海龍討伐祭~シロウ編~
サイドストーリーです。
ストーリーには大きく影響しないので、苦手な人は読み飛ばしてください。
「――どこから、回るか、、、」
俺は、海龍討伐祭に1人で来ていた。
ミミとココネは、今日はお留守番だ。
なんでも、用事があるらしい。
もともと、2人には休息をとってもらおうと思っていたので、二つ返事で許可をだした。
そんなわけで俺は現在、久しぶりに1人で気軽な時間を満喫しているというわけである。
「――にしても、すごい盛り上がりだよなあ」
つい1週間前に海龍が出現しているのにも関わらず、海龍討伐祭は例年通りの人数が集まったという。
危機管理能力が足りないのか、ただのお祭り好きなのかは、知らないけど、お気楽なものだと思う。
――そんなことを考えつつ、お祭りを楽しむ俺も同じ穴の狢なのかもしれないが、、、
◇◆◇
祭りを回っていると、ある劇に目が留まった。
それは、海龍討伐祭のきっかけである、昔異世界人が海龍を撃退したときの演目だった。
『――これは昔の話。この地に小さな村がありました。
その村は漁が盛んに行われていました。
しかし、ある日、漁師たちが漁に出たきり、帰ってきませんでした。
そこで村人たちは漁師たちを捜索しました。しかし、見つかったのはなんと、海龍でした。
海龍は村を襲うことこそ無かったものの、漁に出た漁師を襲ったのです。
漁に出られなくなった村人たちは、やがて食料も底を突き始め、存亡の危機を迎えました。
それを救ったのは異世界からやってきた1人の青年でした。
彼は村を救うべく、魔剣を手に海龍に戦いを挑みました
しかし、海龍は強く、逆に青年は追い詰められてしまいました。
そこで、青年は持っていた魔剣の本当の力『剣核』を開放することで海龍を撃退しました。
青年がもつ魔剣は『剣核』を開放したことで壊れてしまいましたが、村に平和が訪れました。
青年は村を救った英雄と呼ばれるようになり、その功績を称えると共に村の発展を願い、毎年祭りが開かれることになりました。
そのお祭りは海龍討伐祭と呼ばれ、今もなお、青年の功績を伝えるために行われているのです』
――あの、海龍のステータスは異常だったからな。
それは、昔の時でも、すごいステータスをしていたに違いない。
英雄と呼ばれた異世界人も、最初は負けかけたみたいだし。
――それにしても、、、
「魔剣の『剣核』の開放か、、、」
少し、興味のそそられる話だった。
それと、劇の演目はもう1つあった。
『これは、つい先日のことである。
ルトリアの町が海龍討伐祭の準備で町がにぎわう中、なんと海龍が姿を現した。
海龍はきっと、かつての復讐に現れたのだろう。
海龍は、その身に宿す力をブレスとしてルトリアの町へ放った。
誰もが終わりだと思った、その瞬間。
天より巨大な剣が降り、海龍のブレスから町を守るように突き刺さった。
海龍はその剣を見るなり、すぐさま立ち去っていった。
きっと、その魔剣に、かつての英雄の姿を思い出したのだろう。
こうして、ルトリアの町は2度目の海龍の撃退に成功したのだった。
翌日、魔剣を創り出した者を探したが、見つかることはなかった。
あれは、もしかしたら、本当に天から送られたものだったのかもしれない』
――ごめんなさい。
私が作りました、はい。
なんて、言えることもなく、ただ劇を見るだけだった。
劇はすごくよかった。
魔法も利用した、劇とは思えないクオリティだった。
ただ、、、
――俺の黒歴史が増えた気がするのは、気のせいだろう




