SS ミミのお祭りデート
サイドストーリーです。
ミミ視点になります。
「――今日は待ちに待った、ご主人様とのデートです!」
私は、鏡の前で身だしなみのチェックをします!
髪の毛――よし
お化粧――よし
服装――よし
準備完了です。
これから、ご主人様とお祭りデートなのですから、気合を入れて準備しました。
◇◆◇
「――ミミ、ココネ。ちょっといい?」
「何でしょうか?」
「どうしたなのー?」
「うん。最近『カメリア商会』のことで、2人にはずいぶん手伝ってもらったから、お祭りの期間中くらいは休んでもらって、祭りでも楽しんでもらおうと思って」
そういってご主人様は、袋に入った大金(ご主人様からしたらお小遣い)をとりだし、私とココネさんに渡してくれます。
「たぶん足りると思うんだけど、もし足りないようなら言ってね。また渡すから」
「ご主人様、、、 こんなにあって足りなくなることはありません」
「シロウ様、たまにおかしいの」
「そう? なら、他に俺にしてほしいことはある? 俺にできることならなんでもするよ?」
ご主人様は、たまにというか、いつも金銭感覚が少しおかしいです。
なんでも、レベルが上がらない代償なのだから、お金には糸目をつけず楽しんでやる、とのことですが、それでも奴隷にまでこの待遇はおかしいです。
「なんでもしてくれるなら、夜の方をお願いしたいの!」
――その手がありましたっ!
い、いけません。乗り遅れてしまいます。
「わ、わたしも、それがいいです」
恥ずかしすぎて、顔から火を噴きそうです。
両手で顔を隠しますが、ご主人様にばれないでしょうか。
「さ、さすがに、それは遠慮したいかな、、、」
――ご主人様は嘘つきです。
なんでも、してくれると言ったのに、、、
「じゃあ、デートしてほしいの! お祭りを一緒にまわるの!」
「そのぐらいなら、いいよ。ミミもそれでいい?」
「は、はい! もちろんです!」
少し残念でしたが、ご主人様とデートできるのはうれしいです。
こうして、ご主人様とのデートが決まったのです。
◇◆◇
「――ミミ、お祭りは楽しい?」
「はい! とっても楽しいです!」
ご主人様と一緒に居られれば、それだけでも嬉しいですが、こうしてお祭りを2人きりで楽しめるのは、もっと嬉しいです。
それに、人込みではぐれないようにと、ご主人様が手をつないでくれています。
ご主人様の温かさが、手を通して感じられて、私も温かくなります。
――幸せすぎて死にそうです。
顔まで温かくなってきて、顔が赤くなります。
ご主人様には、あまり見られたくなくて、目をそむけてしまいます。
そうして、ずらした視線の先に、あるものがありました。
「あ、ご主人様。あれは何ですか?」
「うん? どれのこと?」
私は、大小のぬいぐるみや、お菓子などが棚に並べられているお店を指さします。
「ああ。あれは『射的』だね。殺傷能力のないおもちゃの銃で、棚にある景品を打って落としたら、その景品を貰える屋台だよ」
「そうなのですか、、、」
私は、棚に置いてある景品の中で、大きいお犬さんのぬいぐるみに目を奪われてしまいました。
もふもふの毛並みに、あのつぶらな瞳。
――あのお犬さんは、とってもキュートです。
「――やってみるかい?」
「はい!」
――あのお犬さんは、私が可愛がるんです!
◇◆◇
「うー、、、 難しいです、、、」
お犬さんのぬいぐるみは、とても手ごわかったです。
弾は当たるのですが、全然倒れてくれません。
弾の威力が足りないので、いくらやっても無理そうです。
――お犬さん、欲しかったです。
「――ミミ。ちょっといいか」
「えっ!? ご主人様っ?」
急に、ご主人様が後ろから抱き着いてきました。
――こ、こんなところで、ですかっ?
べ、別に嫌なわけではないのですけど、さすがにこんな大勢の前では恥ずかしいです。
でも、私はご主人様の奴隷です。
ご主人様がしたいなら、私は、、、
「――ほら、銃を構えて」
「えっ、、、」
ご主人様が、おもちゃの銃を私の手に握らせます。
――あれ?
これは、もしかして、私の勘違いですか?
「いい? タイミングを合わせるよ」
ご主人様は、私を後ろから抱きしめるような体制で、一緒に銃を構えます。
「――3、2、1、今っ!」
「ひゃっ!?」
ご主人様の『今っ』合わせて、私の犬耳に息がかかります。
私は思わず、体に力が入ってしまい、引き金を引いてしまいました。
「――おめでとう!!!」
カランカランと、屋台の店主が鈴を鳴らしながら、倒れたお犬のぬいぐるみをご主人様に渡します。
お犬さんのぬいぐるみを受け取ったご主人様は、そのまま私の方へ向き、お犬さんのぬいぐるみを渡してくださいました。
「はい、これ。欲しかったんだよね? こういう大きい景品は、同時に狙えば取れるんだよ」
「あ、ありがとうございます、、、」
「うん。大事にしてね」
――私は今日、幸せすぎて死んでしまうかもしれません




