09話 VS海龍?
「――海龍が出たぞーーーー!!!」
海の方から、男の切羽詰まった叫び声が聞こえてくる。
同時に、激しい波の音が響き渡る。
――海龍なのかはともかく、大きめの魔物は出現しているみたいだ。
さて、俺が取れる選択肢は3つ。
・たたかう
・ようすをみる
・にげる
(――どうしたものか、、、)
海龍の強さは未知。
昔の異世界人、たぶんチートを持っていたであろう人が、撃退しかできなかったとしたら、相当な強さだろう。
ミミとココネもいることだし、よくわからないやつと戦うのは危険だ。
だけど、本当に海龍が暴れれば、この町の住民に被害が出るだろう。
被害は住人だけじゃなく、町そのものがなくなることもあるかもしれない。
もし、町が無くなったりでもしたら⇒あの美味しい寿司を食べれなくなる。
「――俺は様子を見てくる。ミミとココネは、逃げてくれ」
「私もご主人様についていきます!」
「私も行くのー!」
――危険だからと、説得を試みようと思ったが、2人の意思は固そうだ。
こんなところで、【涙目上目遣い】を使うのはやめてほしい。
俺、それには弱いんだから。
「――わかった。俺のそばから離れないで。何かあっても必ず守るから」
「はい!」
「はい! なの!」
俺たちは、海龍が出たと思われる、港の方へ向かった。
◇◆◇
港には、野次馬根性を発動させた住民や、冒険者らしき人たちが結構な人数いた。
これなら、俺たちが紛れ込んでも違和感がなさそうだ。
見える範囲には、海龍と思われるものはいなかった。
というか、人込みで視界が確保できない。
俺は、人込みの中を進み、状況が分かりそうなところまで進む。
そして、見えたものは、海の中に巨大な魚影だった。
推測でだが、20m以上ありそうだ。
(――まずは、鑑定してみるか)
俺は、魚影に向かって【超高位鑑定】を発動させる。
魚影相手だと出来ない可能性もあるかと思ったが【超高位鑑定】は発動した。
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名前:海龍『リヴァイアサン』
LV: 257
HP: 3528
MP: 1231
STR: 1840
INT: 1075
VIT: 1636
AGI: 1894
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――凄まじい、ステータスだった。
さすが本物の龍だけのことはある。
聖剣2本装備して、いい勝負ができるかどうか、、、
絶対に勝てるとは口が裂けても言えない強さだ。
「――ミミ、ココネ。あいつはヤバい。逃げよう」
周りの人に聞こえないように、小さい声でミミとココネに耳打ちする。
いくら聖剣を装備できるからといっても、俺は勇者ではない。
俺は――レベル1の鍛冶師だ。
俺がミミとココネの手を引き、立ち去ろうとした瞬間。
今まで水の中に潜っていた海龍が顔を出した。
その姿を見た、この場にいる全員が目を疑っただろう。
「――うそ、だろ、、、」
――海龍の口には、水色に光り輝く光球があった。
それは、誰もが知っている龍の攻撃方法――ブレスだ。
「逃げろ! ブレスが来るぞっ!!!」
どこからともなく、そんな警告を告げる声が上がる。
しかし、海龍はすでにモーションに入っている。
――ヤバい!
あの、ステータスから放たれるブレスを食らっても死なないのは、聖剣でステータスを強化している俺だけだろう。
ミミやココネ、それにAランク冒険者でさえ、生き残るかは怪しい。
――とっさの判断だった。
俺にできることで思いついたのがこれしか無かった。
両腰に装備している聖刀と魔剣を【アイテムボックス】にしまい。代わりに2本の聖剣を出す。
取り出した聖剣は『MPタンク1』と『MPタンク2』だ。
MPの恩恵だけのために作った聖剣である。
恩恵で増えた分のMPをすべてつぎ込み、あるスキルを発動する。
(――【武具創生】!!!)
――海龍のブレスが放たれたのと、【武具創生】が発動したのは、ほぼ同時だった




