15話 聖剣作れちゃいました。
鑑定の結果を見た俺は、目を疑った。
そこに書かれていたのは『聖剣』の文字。
――やったね。聖剣作れたよっ!
じゃない!!!
二本目だよ?
異世界で、剣を造り始めて二本目だよ?
いや、確かに日本の刀匠としての知識と技術は全力で使ったよ?
でもさ、もっとこう、中々上手くいかなくて、試行錯誤して、ようやく完成! みたいな達成感とか、感じたいじゃん?
――これじゃ、感動なんてもの無いからっ!!
「いやいや、落ち着くんだ、俺、、、」
聖剣づくりは確かに、俺の目的だったよ。
異世界での俺の最終目的だったのに――
「まあ、ともかくちゃんと鑑定してみるか」
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名前:聖剣『ハーゴード』
レアリティ:13
恩恵: HP+1000
MP+500
STR+500
INT+50
VIT+200
AGI+50
説明:異世界から来た稀代の刀匠が、スキルを用いずにアダマンタイトを長時間かけ鍛錬し、鍛え上げた究極の一振り
勇者のみ装備可能 ※作成者は装備可
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「――はっ?」
――賢さ補正は少ないんだなあ、、、
じゃない!
なにこの恩恵?
――バグ? バグなのか?
「そういえば、おっさん2が前に『王城にある聖剣は、赤子が装備してもSランク冒険者に並ぶ』って言っていたな。確かにこの恩恵ならわからないことはない、か、、、」
「ご、ご主人様、どうかしましたか?」
俺の様子がおかしいのに気付いたミミが、とても不安そうな表情を浮かべながら訪ねてきた。
――ちょっと、興奮しすぎたみたいだ。
「う、うん。大丈夫だ。それより話したいこともあるし、一度家に戻ろう」
「――はい!」
◇◆◇
「それで、ご主人様? お話ってなんですか?」
「うん。知っての通り俺は異世界人で、こっちの世界には詳しくない。それで、この武器の説明に気になったことがあって」
俺は、机に置かれた聖剣(ちゃんと鞘は作った)を指さす。
俺が気になっているのは、恩恵のHPとMPについてだ。
他の恩恵はステータスが上がるで納得できるが、この二つは消費するステータスだけど、一体どういううシステムになるのか。
「それで、武器の恩恵によって上がるHPとMPはどういう計算になるのか? ってことなんだけど」
「それでしたら、たぶんですけど、、、」
そういって、ミミは説明をしてくれた。
昔話の勇者やそのお供の賢者の話で具体例を示しながら教えてくれた。
――簡単に言うと、所有者のステータスが優先で使用されるらしい。
詳しく考えるならば。
――HPの場合
1以下にならずに、武器の耐久度(HP)が代わりに減る
例えば、所有者のHPが100、武器の恩恵が50として、130のダメージを受けると
所有者のHPが1、武器の耐久(HP)が19になる。
同じ条件で、160のダメージを受けると
所有者のHPが1、武器の耐久(HP)が0になり壊れるが、所有者は死なない。
――MPの場合
所有者のMPが1になるまでは所有者のMPが優先的に使用され、1になると武器の恩恵から引かれていく。
例えば、所有者のMPが100、武器の恩恵が50として、MP消費70の魔法を使うと、所有者のMPが30、武器の恩恵の50はそのまま。
同じ条件で120の魔法を使うと、所有者のMPが1、武器の恩恵が29となる。
消費MPが150を超える魔法は使えない。
こんな感じ。
そして、武器は自然回復するらしく、時間が経つにつれてHPもMPも回復するらしい。
「――要は、外付けの貯蔵タンクみたいなものなんだな」
「そんな感じで、あっていると思います」
――さて、ここで一つ大事な閃きがあった。
以前に受けた説明では、この世界は適性がなくとも、MP消費が増える代わりに魔法が使えるらしい。
たとえば、こんな感じのMPの恩恵を持つ聖剣をいっぱい作って、MPがなくなる度に聖剣を交換すれば、大魔法使いの誕生ってわけだっ!
「――自分の才能が恐ろしいぜ」
「ご主人様、どうかしましたか?」
「い、いや。なんでもないよ?」
「どうして、疑問形なんですか?」
頭の上に?マークを浮かべたミミの追及をかわしつつ、俺は思案する。
恩恵により、ステータスの強化はできたからゴブリンを倒せるとは思うのだが。先に聖剣を作るか迷っているのだ。
少しの間、考え、結論がでる。
――ゴブリンとはいえ、油断は禁物だよな。
ちゃんと装備を整えることにしよう!




