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幼女と執事が異世界で  作者: 天界
第5章

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112,お詫びのスキル




 さっそくLvあげに勤しもうと思ったところでまた創造神からメールが届いた。

 なんだろう。まだ何かあるのかな。でも嫌な予感はしないので大丈夫だろう。



【出来れば早いうちにスキルを決めて欲しいんだけどなぁ~(チラチラ】



 ちなみに今回はLive動画ではなく文章だ。なのにチラチラとか書いてる。

 ……こいつ反省してないな。


 ☆がついてなかっただけまだマシではあったが文面から垣間見える創造神の反省のなさにイラッとする。

 このままお詫びのスキルを選ばないでいてやろうかとも思ったが、特殊スキルは有用なものが非常に多い。

 というか有用なスキルしかないといってもいいくらいだ。

 オレが今持っている特殊スキルも全て非常に使えるものばかりだし。



 まだレーネさんは心の整理がついてないのか呆然としてるし、そのレーネさんを不思議そうに見ているユーウイトさんもあきている様子は無い。

 なら今のうちにパパッと決めてしまうとしよう。

 これからLv上げをするんだから戦力は多いことにこしたことは無い。



 さっそく神メールに添付されていたお詫びのスキル一覧をタッチするとスキル取得ウィンドウと同じ物が出てきた。

 さらっと流し見してみるとどうやら全て【魔眼】ばかりだ。

 しかも普通の魔眼じゃない。

 一番下に小さくなんか書いてあった。



【ここで取得できる魔眼は一般的に開眼する魔眼の最上級スキルであり、ソレに伴うデメリットもそれぞれに最上級である。

 全魔眼共通デメリットは魔眼使用時にスタミナを上限の半分使用する。スタミナが足りない場合は使用できない。

 魔眼使用中はスタミナが徐々に減少し、一定量以下になると強制的に魔眼は解除される。

 その他デメリットは各魔眼のヘルプ参照】



 さすがは特殊スキル。

 魔眼としては最上級だがデメリットもすごい。

 スタミナは回復するのにスタミナ回復ポーションか時間経過での自然回復しか方法がない。

 つまり魔眼を常時発動しておくことは不可能に近いし、連続使用もなかなか難しい。

 ここぞというときの取っておきという扱いだろう。



 通常のスキル取得ウィンドウにはなかったヘルプ機能があるようだし、上から順に見ていくことにした。



【死の黙示録《デッドアクセル・スーパーノヴァ》

 全ステータス大幅上昇。魔眼解除時、使用時×10倍の時間行動不能(スキル:デッドライジング取得で行動不能時間を短縮)】



 なんか名前がすごい中二くさすぎる。

 こういうのって誰が考えてるのだろうか……。

 しかし効果がものすごい。その分デメリットもものすごい。

 スキルを取得していると軽減できるみたいだけど他の魔眼もそうなのだろうか。



【蒼階不文律《グランブルー・リインカネーション》

 飛行能力を得る。魔眼解除時、バランス感覚低下(スキル:飛翔天下取得でバランス感覚低下を解除)】



 2つ目のスキルは空を飛べるようになるだけのスキルのようだが、デメリットを無効にできるタイプのようだ。

 この飛行能力がどの程度のものなのかにもよるだろうな。

 高速機動が可能なものだったら、空気抵抗や息継ぎや温度管理なんかも問題になる。

 だが飛行能力があるだけで移動が格段に楽になるだろう。

 飛んでいってさくっとアンカーさして帰還用魔道具(リリンの羽根)で戻ればすごい短縮になるのではないだろうか。



 色々と見てみるとどうやら法則があることがわかった。

 まず名前は全部中二くさい。

 中二病は嫌いじゃないので問題ない。魔眼使用時に技名を叫ぶ必要もないし。

 効果の高い能力ほどデメリットが大きい。

 スキルを取得しているとデメリットを軽減、または無効化できる。だがデメリットの無効化は効果の高いスキルにはほぼついていない。



「う~ん、どれがいいかなぁ」



 ウィンドウをスクロールさせながら悩んでいるとレーネさんがやっと折り合いをつけたのか立ち直りつつある。

 どうやら時間はもうないようだ。


 魔眼の効果とデメリットと軽減または無効化できるスキルの兼ね合いで今のオレのスタイルに合うのを選ぶのがベストだろう。

 そうなると候補は自然と絞られる。


 今のオレのスタイルは魔法主体だ。

 たまに鈍器を使うけど、やっぱりたまに、だ。


 つまり、鈍器系武器に効果のある魔眼――。



【裁きの連鎖律《ヴァルカニック・ロンド》

 対象武器に以下の効果を付与する。巨大化、破壊無効、防御貫通、使用者軽量化、スキル最大化、武器重量極限化。

 魔眼解除時、使用時×10倍の時間全武器スキル使用不可(スキル:天技大全取得で使用不可時間短縮)】



 なんかよりは――。



【王族の不文律(プリンセス・スマイル)

 MP消費無効。魔眼使用中、詠唱時間倍化(スキル:詠唱破棄取得で詠唱時間倍化を解除)】



 がよさげだ。

 天技大全というスキルは見たこともないけど、詠唱破棄は詠唱省略Lv3を取得しているからか追加でヘルプを参照することが出来た。

 どうやら詠唱省略Lv3の次の段階のスキルのようだ。この取得条件さえわかればすぐに取得できるかもしれない。

 そう考えると王族の不文律(プリンセス・スマイル)はデメリットを無効化できる可能性が高い。デメリットなしでMP消費無効というのは非常に魅力的だ。


 ただ今の段階でも詠唱省略Lv3で詠唱時間はまったくない。

 これがデメリットの詠唱時間倍化でどうなるのかが問題だろうか。詠唱省略Lv3の効果を無効にされて通常通りの詠唱速度をさらに倍化されるのか、現状でのほとんどない詠唱時間を倍化されるのか。

 わざわざ詠唱破棄という上位のスキルでしか解除できないと明記されている以上、前者の可能性が高い。

 つまり今の状態ではあまり使えないスキルになってしまう。


 しかし詠唱破棄さえ取得してしまえば切り札として相当な戦力になるのはいうまでもないだろう。



 図書館で調べた時にスキルに関しての取得条件の多くにBaseLvと職業Lvと取得済みのスキルの熟練度(・・・)と数が関係していることがわかっている。

 職業Lvと熟練度はどうにかなるとしても、調べた段階ではBaseLvの問題が大きすぎてどうしようもなかった。

 だが今ならその問題も解決されているも同然だ。


 ちなみに熟練度には恐らく成長率増加Lv10が作用してくれるだろう。作用しなくても使い続ければ問題ない。



 結局当面の目標はBaseLv上げで変更はなさそうだ。

 まぁまずは魔眼を取得してしまおう。



「ポチっとな」



 王族の不文律(プリンセス・スマイル)で取得する魔眼を決定するとウィンドウがステータスウィンドウに切り替わり、所持スキルに王族の不文律(プリンセス・スマイル)が追加されているのを確認した。

 それと同時に魔眼の使用方法もきちんと頭の中に入ってくる。

 使用方法は実に簡単で意識して魔眼を使うだけ。

 試しに使って魔法を簡単に使ってみるとMPは確かに消費せず、詠唱は10秒くらい必要だった。

 極々小さな水弾を作り出しただけだというのにこの詠唱時間。

 やはり詠唱省略Lv3は無効になってしまうようだ。


 魔眼使用中のスタミナ消費も結構早い速度で消費するようで、詠唱破棄がなければ大きな魔法を1回使っただけでスタミナ切れになりそうだ。早急な詠唱破棄の取得が必要になるだろう。



 魔眼の取得も終わり、実験も終了したのでそろそろLvあげに行きたいなぁと思っているとレーネさんもなんとか大丈夫な状態にまで戻ってきたようだ



【すみません……ちょっと色々と驚く事が多くて……】


【あぁ~まぁそうですよねぇ~……。もしレーネさんが嫌になったのなら……PTを解消してもいいですけど……出来れ】


【嫌だなんてとんでもない! 確かにワタリさんはBaseLvが低いのに熟練の魔法使い以上の実力をお持ちで、鈍器を用いた戦闘も相当なものです!

 でもだからといって嫌になんてなりません! むしろもっとワタリさんのことが知りたいです!

 ずっとついていきます! お願いします!】



 最後までオレに言わせることなく捲くし立てるようにレーネさんは念話で叫ぶと深々と頭を下げてきた。



 BaseLvが上がらない問題が解消されてその先にある大量のポイントに興奮してしまい、自分の迂闊な発言に気づかなかった。

 この世界――ウイユベールではBaseLvをあげてポイントを消費してスキルを取得するのは常識だ。

 子供ながらにあれだけの強さを誇るスキルを所持しているオレは高レベルなのだろうとレーネさんも思っていたのだろう。

 子供で高レベルというのは希少だがいないわけではない。だが低レベルでこれほどの強さのスキルを持つものは存在しない。子供であろうと大人であろうと。

 それこそレーネさんの常識が壊れそうになるくらいに呆然とさせてしまったのだ。迂闊な発言以外の何物でもない。



 だから辛くはあるがあんな事を言ってしまったけれどレーネさんはこの程度のことではオレの傍を離れる気は無いようだ。

 初めての友達を手放したくないという思いだけではないだろう。

 レーネさんは最早オレ達のPTには欠かせない人なのだ。彼女もそう思ってくれているのだ。


 でも今度からは気をつけよう。

 ただでさえ、そろそろ顎の件が周りに広まるには十分な時間が経っているのだ。厄介ごとは御免被りたい。



【よかった……。私の方こそ今後ともよろしくお願いしますね、レーネさん!】


【はい!】



 レーネさんの大きな手を両手で包み込んで握手をすると目じりに涙を溜めたレーネさんは真っ赤になりながらもすごくいい笑顔を返してくれた。




選ばれなかった魔眼の裁きの連鎖律の効果は具体的には

武器が巨大化して相手の防御力や障壁などを全て貫通し、重量が凄まじくなり、使用できる武器スキルのLv制限がなくなります。

使用者軽量化は武器や自身の体重などを本人にだけ軽量化する。スキル効果で超重量になっていても羽のような軽さで操る事ができるようになるというもの。

凶悪すぎるほどに凶悪なスキルですが、物理依存なのでデメリットも結構安いです。


次回予告

遂にLvアップ作業開始。

普段ではありえないテンションで開始してしまった狩りなので……。

濁流のような大量の敵を打ち倒し、一体どこまで強くなる……ワタリちゃん!


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1/9 誤字修正

1/9 ルビのミスを修正

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