リーチェという少女①
星4キャラのリーチェ。
人気投票では、常に上位をキープする元気キャラクター。
戦闘では、その機動力と遠距離攻撃から仲間を支援するだけでなく、スキルで仲間を強化することもできることから、中盤までの主戦力となる。
ただ、難易度が跳ね上がる第3 部では、その火力の低さから戦闘で使うのは、彼女に思い入れがあるプレイヤーばかりであり、専らは『遠征』コマンドを使っての、アイテム発見要員に下がってしまう。
ただ、ゲームの見た目より若々しいのは、ここがまだ第1部開始くらいだからか。
「リーチェありがとう、助かったよ」
ロイは思わずしまったと思った。
案の定、リーチェはビックリしたように眼を丸くした。
「え!?何?ボク達どっかでキミと会ったことがあった?おかしいなぁ、物覚えは良いはずなのに!」
ゲームの知識で知っているため、思わず名前を呼んでしまった。
「あ!ええっと!リーチェって弓が上手な女の子がいるって聞いたことがあるから。本人かなって思って」
しどろもどろに、自分でも情けない言い訳だった。
リーチェは疑い深そうに、腰に両手を当てるとロイを見つめた。
「むむー。少し怪しいけど、弓が上手いって言われたのは正直嬉しいかな。ボクは昔から眼が良いからねっ」
指で丸を作ると、リーチェは遠くを覗き込む仕草をした。
所作一つ一つが可愛らしい。
ロイは少しほっこりとした気持ちになった。
「だとしても、キミって見習い騎士なんでしょ?動きはそんなに速くないのに、よく槍でツノウサを狩ったね。私みたいにレンジャーじゃないと大変でしょ?」
「レンジャーって、リーチェはまだ職業は『狩人』じゃないの?」
そう、レンジャーと自称しているが、この時点の彼女の職業は『狩人』のはずだ。『レンジャー』は『狩人』がクラスアップした職業だ。
「うっ!なんでキミがボクが狩人だって分かったの?でも!いずれレンジャーになるからいいんだよ!」
リーチェはそう言うとゲームの一枚絵より、やや控えめな胸を張った。
この時点では、まだまだ彼女も若いのだろう。
「うん、リーチェは必ずレンジャーになれるよ」
彼女を編成していた水島 勇斗が言っているのだから間違いない。
そして、彼女に思い入れがあって戦闘要員として使っていたのもまた事実だ。
軽課金しかしてない分、星5キャラが集まらないところで装備を整えて第3部でも彼女を使っていたのは良い思い出だ。
そんな彼女が目の前にいて喋ってる。感無量だ。
「へぇー、そっかぁ。ボク、レンジャーになれる?キミ、可愛い顔して口がうまいね」
リーチェは恥ずかしそうに、髪先を指でいじいじと触ると視線を反らした。
可愛い!!
そう叫びたいが、初対面でそれは不審者だ。ロイはニヤけそうになる顔を必死でこらえた。
「さっきの弓だって一発で仕留めたんだ。凄い腕だよ」
そう言うと、ロイはリーチェが仕留めたツノウサを指差した。




