とある探索者協会員の記録.30
新史歴XXXX年/金錐月/第三十日
ボロミア文明圏 聖火都市モラン 第六主街区 『木漏れ日通り』
NOTEAPP.NEXXXX.0530
『モラン探索者協会本部』一階受付業務日報
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■担当窓口:受付係エルマ、補佐ポーレッテ、警備兼窓口キュエン、カヴァエーニャ(『木漏れ日採集隊』)
■業務概要:月末基本業務、第四階層新エリア資料・試料処理、提携拡大協議、100件目記念登録対応、治安悪化・違法組織情報の精査
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【1.月末業務およびアカデミー提携拡大】
・AM 09:00【基本業務および混雑】
月末に伴い、月次決算・死亡給付申請・納税確認等の窓口業務が殺到。
ケイネン死亡の動揺も重なり終日混雑。
・AM 09:45【口論と乱闘】
第056号『元祖探索組』と第063号『浅層自警団』が口論から乱闘に発展。
原因は『肩がぶつかった』『態度が悪い』『古株がルール』など。
警備課バーグ及びキュエンの仲裁で事態は収束した。
・AM 10:30【『ノルアカデミー実戦演習クラス』提携拡大】
ノルアカデミーと探索者協会が正式提携。
初級探索者育成クラスの拡大を決定。
【参加希望パーティ】
『モラン大学遺跡探索部』『洞窟荒らし』『紀南探索同盟』『燃える四戦士』『灰かぶりのともしび』『木漏れ日採集隊』など、
主にレベル20~30台の初心者・若手が多数応募。
※『ここはガキの来るとこじゃねえぜ団』による執拗な暴言と嫌がらせが続き、『灰かぶりのともしび』との決闘騒ぎに発展。協会長判断により警備担当者立ち合いのもと、後日試合(訓練名目)を行うことが決定。
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【2.第四階層『俯きの沼地』新情報】
・PM 01:45【ゼドによる詳細報告およびモラン大学連携】
第006号ゼドが来訪。
第四階層『俯きの沼地』の暫定地図、遺物、念写映像、岩土試料を提出。
【危険固有種の確認】
階層依存固有種:
『凝視水牛』『浮遊単眼』『群舌獣』
独立固有種:
『にらめっこちゃん』『無限瞬膜』
・研究依頼:
提出試料はモラン大学考古学研究室へ調査依頼を発行。
・生還報告:
第023号『モラン大学遺跡探索部』および第025号『聖数秘蹟会』が救助。
『聖数秘蹟会』はゴーレム一体、建設用呪動装甲(改造民生品)二機が完全に破壊されるも、死傷者はなし。
ただし術士エシンは生命反応があるものの、霊体反応が見られず。
意志力の欠如した無気力状態が続く。
古典カメラ『暗い部屋』による奪魂現象に酷似。独立固有種『無限瞬膜』の邪視攻撃を受けた可能性あり。
・全滅報告:
第028号『六槍同盟』がカトブレパスの超重圧邪視により圧殺され全滅。
遺体回収不可能のため、証言と念写画像により全滅認定。
・暫定評価:
ゼド及び彼の率いるパーティ『ゼド盗賊団(仮)』を暫定lv55以上とするも、九英雄に対する配慮から54に留めるよう協会長から指示。
・PM 02:15【記念すべき第100号登録:『裏道開拓者』】
非公式グループ『裏道開拓者』の五名が満身創痍ながら笑顔で来訪。
正式登録を完了。通算第100号パーティとなる。
・実績報告:
『俯きの沼地』の地図・遺物、および『凝視水牛』の頭部、『浮遊単眼』と『群舌獣』の分散個体を討伐・持ち込み。
・結論:
持ち込んだ報告や成果の大半が「ゼドにより既知」と判明し、リーダーのネキャティスが地団駄を踏みゼドとの対話を希望するが既に出立済み。
・暫定評価:
ただし実力そのものは『ゼド盗賊団(仮)』に決して劣るものではないと判断され、lv54という高い評価からのスタートとする。
・PM 03:00【騒動および違法薬物乱用の疑惑】
パーティ間での訓練中、第056号『元祖探索組』代表カンドと第001号『伝説踏破団』代表クラヴィスとの間で私闘が発生。
経緯:
理由はクラヴィス側からの疑義提出。
探索者カンドの言動の不安定化、過剰な暴力性の発露、瞳孔の収縮といった状況証拠から薬物乱用が疑われ、簡易検査を行ったところ陽性反応。
直後、カンドが暴れ出すと同時にクラヴィス側が激昂。
暴力事件に発展し、カンドはクラヴィスにより鎮圧される。
その際、過剰な制裁行為が認められたため、窓口担当エルマより注意を行った。
『元祖探索組』に対して聞き取り調査を実施した。
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【3.第一階層の治安悪化・観光打診・不法組織の影】
・PM 04:30【『黄昏の歩哨』強奪被害】
第092号『黄昏の歩哨』(lv37)が第一階層『獅子王の遺跡』にて『鉄の血潮』(lv40)と思しき集団に襲撃される。数名が軽傷、獲得した遺物や呪石が入った荷物を奪われる。
・PM 05:15【『湖中穴』ツアー打診と護衛任務案】
観光会社より第一階層『湖中穴』の観光地化ツアー立ち上げの打診。協会長のアイデアにより「初級探索者の護衛任務(実績獲得)」として提案・調整を開始。
・PM 06:00【違法薬物組織の不穏な情報】
第一階層から第五階層までの広範囲で、探索者へ非合法な霊薬を売りさばく密売人の存在が浮上。ボロミア圏の闇組織『三報会』や国際犯罪組織『十戒』の下部組織の関与が疑われ、警備態勢の強化を決定。
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【担当者所感・業務裏メモ(※個人暗号化ログ)】
「一ヶ月目の最終日!
もう目の回るような忙しさだったよ〜!
朝から書類の山とケイネン死亡のパニック対応で爆発しそうだったけど、ノルアカデミーさんとの提携拡大はすごく嬉しいニュース!
『灰かぶり』や『木漏れ日』のみんなが『強くなりたい』って目を輝かせて申し込んでくれて、キュエンおじいちゃんも満足げだったよ。
けど例のママミルク……とうとう決闘騒ぎになっちゃった。
キュエンおじいちゃんも協会長もなんか乗り気だし、『灰かぶり』トリオはいつになくメラメラだし、ええ~大丈夫?
ていうかおっぱいおっぱいうるさいあいつ、言動はめちゃめちゃ腹立つけど根はそんなに悪い奴じゃなさそうなんだよね……どうなることやら。
ゼドが持って帰ってきた第四階層『俯きの沼地』の情報は凄まじかった。
軍用じゃないといっても、建設現場でもの凄いパワーを発揮するゴーレムや重機装甲がめちゃめちゃに壊れてて……金銭的なダメージもそうだけど、精神の方の衝撃がきつそうだったな。正体不明の固有種もこわい。古典カメラってあれでしょ?! 魂取られちゃうやつ! 念写じゃないただの光で精神を写し取られるとか、こわすぎ!
カトブレパスの視線で一瞬で潰された『六槍同盟』のみんな……念写映像を見せてもらったけど、回収すらできないなんて。パーティには天眼の民の戦士とアヴロノの魔弾射手がいたのに、睨み合いで拮抗すらできなかったみたい。パレルノ山だけじゃなくて、沼地も地獄だ。
そんな重苦しい空気を吹き飛ばしてくれたのが、記念すべき100件目の登録者『裏道開拓者』のみんな!
ボロボロになりながら『俺たちが沼地を一番乗りで攻略してやったぞー!』ってベルイキューの体内呪石をドヤ顔で叩きつけてきたの。だけど、ほとんどゼドが先に報告済みだって知った瞬間のネキャティスさんの地団駄(笑)といったら。
すっごく可愛かったし、フロア全体が久しぶりに大爆笑に包まれたよ。
おめでとう、第100号!
いや実際、普通に腕利きだよね? ゼドが謎すぎ異様すぎなだけで。
……ハァ、これで平和に月末が終わればよかったんだけどね。
カンドさんの暴れっぷり、こわかったけど。
それよりもクラヴィスさんの殺意の方がずっとこわかった。
あのまま、相手を殺しちゃうんじゃないかってくらい。
せっかく強くなるために必死に修行してたのに、どこか別のところに行ってしまって、そのまま戻れなくなってしまいそうな気がした。
気が付いたら必死になって縋り付いて止めてた。幸い、クラヴィスさんはすぐに理性を取り戻してくれたけど……どうして、あんな辛そうな顔をしてたんだろう。
協会が発足してようやくひと月ってとこなのに、治安は悪くなるばかり。
『鉄の血潮』の奴ら、今度は『黄昏の歩哨』を襲撃するし、本当に許せない。
おまけに『元祖探索組』からは『違法薬物』の情報が出てくる始末。
……『三報会』とか『十戒』とか、名前を聞くだけで血の気が引くようなヤバい裏組織の影までチラついてる。
モランの街も、ダンジョンも、どんどん混沌としてきた。
二ヶ月目に入る明日からも、気を引き締めて窓口に立たなきゃね……!」
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『編集部』宛ての追記事項
『三報会』について、参照事項があれば提供をお願いします。
論理的な根拠があるわけではありませんが、恐ろしいと感じます。
この記録に、囁きの天使の加護がありますように。
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