身分証明書?
「郊外にこの国を代表する重機メーカーの展示販売店がある、重機から建設機材まで手掛けるメーカーだ、きっと気に入るものがあるはずだ!」
長官閣下が、タブレットでルートを確認しながら落ち着いた声で答えます。
「へぇー、すごいね……長官! この街は、俺たちのこ……ほ、星からみると、結構栄えてるというか、華やかな街に感じるんだけどさ、この国の街はみんなこんな感じなの?」
「ひゃああ……! 船長、またしても『俺たちのころ(時代)』って言いかけて、慌てて『星』に言い直しましたわね! 長官閣下の前では油断大敵ですわよ! ぷぷぷ」
私がこっそりとインカム越しにツッコミを入れると、船長は少しだけ肩をすくめました。
「ハッハッハ、まさか。ここは我が国でも一、二を争う大都市だからな。この国は広大だ。少し車を走らせれば、見渡す限りのトウモロコシ畑や小麦畑、あるいは赤茶けた荒野がどこまでも続いているような場所ばかりさ。君たちの星にも、そういったのどかな場所はあるのだろう?」
長官閣下は、船長の言葉の「ほころび」には気づかず、誇らしげに窓の外を指差しました。
「そうか、そうだな、俺たちの星もそんな感じだったよ。ほんと、成り行きでさ、砂漠のど真ん中に拠点を作ることになったけどよ、こんなにでかい都市が近くにあってよかったよ、ぷぷぷ!」
「ああ、そうだな親父! これなら船の改修中も退屈しねーぜ、だははは!」
ハンさんが満腹のお腹をさすりながら豪快に笑うと、長官閣下も少しだけ肩の力を抜いてフッと笑われました。
「ハッハッハ。あまり派手に暴れられては困るが、息抜きには困らないだろう。……おっ、そろそろ到着だ!」
バスが郊外の広大な道路をゆっくりとウインカーを出して曲がると、そこには見渡す限りの広大なアスファルトの敷地が広がっていました。
窓の外には、黄色やオレンジ色に塗装されたブルドーザーやショベルカー、巨大なクレーン車やダンプトラックが、まるで静かなオブジェのようにズラリと並んでいます。
「おっ、よーし! いっちょサイコーのやつ選んでくるか……ん?! あれれ……やけに静かだと思ったら、ハン、みんな寝ちゃってるよ!」
船長が張り切って振り返ると、そこには見事なまでの「お昼寝タイム」が広がっていました。
かぉり副船長とメリーさんの隣の席で、ビールマンちゃんとワインちゃんが完全に夢の中。すぅすぅと可愛い寝息を立てています。
そして……。
「……zzz」
「ふごっ……むにゃ……」
「……」
なんと、エジソンさんと雪さん、そして野口先生までもが、シートに深く背中を預けてすっかりお休みモードでしたわ!
「ひゃあああーーッッ!! 船長! 皆様、午前中のスーパー・お買い物ミッションの疲労と、先ほどのお腹いっぱいピクニックのコンボで、完全に『睡眠の事象の地平線』へと吸い込まれておりますわーーっ!! ぷぷ〜っ!」
私がミニコンソールを【お昼寝・サイレントブルー】に優しく明滅させると、ハンさんが座席から呆れたように笑いました。
「だはははは! 違いねぇ! いくら宇宙最強のクルーでも、地球のショッピングモールとピクニックには敵わなかったってわけだな! ……おい親父、こりゃあ俺たちだけで選ぶしかねぇぜ?」
「いや、エジソンは起こしていこうぜ、守もな……、おーい、ペシペシ!……ペシペシ!」
船長が、気持ちよさそうに眠っているエジソンさんのほっぺた(自慢のおヒゲのあたり)と、微動だにせず腕を組んで眠っている守さんの肩を、容赦なくペシペシと叩き始めましたわ!
「ふごっ!?……な、なんですかな!? もしや特異点の重力崩壊!? それとも新たな黄金の鉱脈発見ですかな!?」
エジソンさんが、鼻眼鏡を豪快にずり落としながらガバッと飛び起きました!寝起きでもすぐに「特異点」や「黄金」という単語が出てくるあたり、さすがは我がComb1号が誇る(ちょっとマッドな)機関士長殿ですわ!
「……ハッ。……船長。申し訳ありません、不覚にも……。敵襲ですか? ミトのシールド出力は!?」
守さんも、元ブルーインパルス隊長の本能からか、一瞬で瞳に鋭い光を宿して立ち上がりました。……が、すぐにここが「地球の平和な観光バスの中」であることを思い出し、少しだけ気まずそうにコホンと咳払いをなさいました。
「だははは! 敵襲じゃねぇよ兄貴! これから男たちの『実用的なお買い物』……重機選びの時間だぜ!」
ハンさんが、まだ少しぼんやりしている二人に向かって、外の景色を親指で指し示しました。
「よし、行くぞ! あれ、ジョージも起きてたのか、心強いね! 行くぞジョージ!」
船長が張り切って声をかけると、前の座席からひょっこりと、目を星空のようにキラキラさせたジョージくんが顔を出しましたわ!
「はいっ、船長! 僕、ずっと起きて外を見てたんです! すっげぇ……農場の自動トラクターなんか目じゃないくらい、とんでもなくでっかいショベルカーがいっぱいある! 僕も一緒に行っていいの!?」
ジョージくんは、すっかり『男のロマン・スパーク』に点火された少年の顔つきで、ぶんぶんと首を縦に振っています!
「もちろんだぜ、ジョージ! お前は普段から農場でトラクター転がしてる『プロ』だからな。月面別荘の整地をするのに、どんな重機が一番使いやすいか、お前の直感も聞かせてくれよ!」
ハンさんがニカッと笑ってジョージくんの肩を叩きました。
「ふむ! 正しい適材適所、正しい助っ人参戦! 機械の何たるかを知る若きクルーの視点は、私の『超絶・月面魔改造計画』にも必ずや良きインスピレーションとなるでしょうな!」
すっかりお目覚めのエジソンさんも、計算尺をシャキッと構えて大賛成です。
「ひゃあああーーッッ! 船長、皆様! いよいよ『漢チーム』に最強のルーキー・ジョージ君も加わり、月面別荘に向けた【実用的なお買い物ミッション】が本格スタートですわーーっ! ぷぷ〜っ!」
「さぁ、こっちだ! ショールームへ行こうか、貸し切りになっている。他の客はいないからゆっくり選ぶといい」
長官閣下が、慣れた様子で展示場の奥にある巨大なガラス張りのショールームへと案内してくれました。
「おおっ! 貸し切り!? 長官、やるじゃねぇか! これならジョージがいくらはしゃいでも、俺たちがどんなに変態的な……いや、独創的なカスタマイズの話をしても、誰にも怪しまれねぇな!」
ハンさんが、ショールームの自動ドアをくぐりながら嬉しそうに声を弾ませます。
中に入ると、外に並んでいた無骨な重機たちとは一味違う、ピカピカに磨き上げられた最新型の建設機材が、まるでスポットライトを浴びるスーパーモデルのように展示されていました。
「ふむ! 正しいショールーム、正しいVIP待遇!……おおっ、見てください船長! あの無限軌道の足回り、そしてあの強靭な油圧シリンダー!あれこそまさに、月面のクレーターを平らにならすための『究極のベース車両』ですぞ!」
エジソンさんが、展示されている真っ黄色の大型ブルドーザーに駆け寄り、さっそく計算尺を当ててサイズを測り始めましたわ!
「うわぁ……! すごい! 僕の家の農場で使ってたトラクターの、何倍も大きいよ! これなら、どんなに大きな岩でも一発でどかせそうだね!」
ジョージくんも、ピカピカのブルドーザーを見上げて目を輝かせています。
「よし、エジソン。あのブルドーザーをベースに、ミト君の重力制御に頼らずとも極低温に耐えられるよう、装甲と駆動系を魔改造するんだな? 俺も、操作系のインターフェース周りの要望を出させてもらうぞ。……俺が月面でこいつを転がす時のためにな」
守さんが、早くも『操縦する自分』を想定して、腕を組みながら真剣な目でコックピットの構造をチェックし始めました。
「だははは! 兄貴がブルドーザー転がす姿なんて、なかなか見れねぇからな! よーし、俺はあっちのクレーン車を見てくるぜ! 月面別荘の柱を立てるなら、絶対あいつが必要になるはずだからな!」
ハンさんは、さらに奥に展示されている巨大なクレーン車へと走っていきました。
「ひゃあああーッッ! 船長! 皆様、完全に『お仕事』モード全開ですわーっ! 私も各重機のカタログスペックを、リアルタイムで皆様の視界のホログラムに投影してサポートいたしますわよーっ!」
私がミニコンソールを【やる気満々・エンジニアブルー】に明滅させると、船長は満足そうに腕を組み、ショールーム全体を見渡しました。
「うんうん、でもよ……みんな、家ひとつ建てるだけだぜ……」
船長が、ズラリと並ぶ超巨大な重機たちと、目をギラギラさせているエジソンさんやハンさんを交互に見比べて、タハハと苦笑いしながらポツリと呟きましたわ。
「あはは! 船長、まことに正しいツッコミですわーーっ! ぷぷ〜っ!」
私がミニコンソールを【冷静なツッコミ・アイスブルー】に明滅させて同意すると、エジソンさんが「何を仰いますやら!」とばかりに振り返りました。
「船長! たかが一軒家、されど一軒家ですぞ! 月面という絶対零度かつ真空、さらに微小隕石が降り注ぐ過酷な環境下で、船長のご家族が安全かつ快適に過ごせる『お宿』を建造するのです! 妥協など許されません!」
エジソンさんは、自慢の髭を震わせながら熱弁を振るいます。
「そうそう! エジソンの言う通りだぜ親父! せっかく地球の最新重機を俺たちの手で『超絶魔改造』できるチャンスなんだ。どうせなら、一番デカくてパワーのあるやつを選ばねぇともったいないだろ?」
ハンさんも、クレーン車の巨大なフックを見上げながら嬉しそうに同意します。
「……ふ。ハン、エジソン。船長の懸念ももっともだ。あまりに巨大すぎる機材は、ファルコンでの輸送や、月面での細かい作業(取り回し)に難が出る。……ここは、パワーと汎用性を兼ね備えた『中型クラス』をベースに選定すべきだろう」
守さんが、冷静なテストパイロットの視点で、二人の熱気を少しだけクールダウンさせました。
「おぉ! さすが守、わかってるねぇ。……ってことで長官、こいつらよりもう一回り小ぶりで、でも丈夫なやつってあるかな?」
船長がホッとしたように守さんに頷き、長官閣下に尋ねました。
「ああ、もちろんだ。汎用性の高い中型機材なら、あちらのセクションに揃っている。……しかし、本当にこれで月面に建物を……?」
長官閣下は、まだ半信半疑といった様子で、奥の展示スペースへと案内してくれました。
「うわぁ! パパ、見て見て! あれ、ショベルカーとブルドーザーが合体したみたいでかっこいい!」
ジョージくんが、少し小ぶりながらも多機能なアタッチメントを備えた重機を指差して目を輝かせました。
「ふむ……。正しいダウンサイジング、正しい多機能性! 確かに、このクラスならミト殿の重力制御ユニットも組み込みやすく、月面での魔改造ベースとしては最適解かもしれませんな!」
エジソンさんも、計算尺で新しい重機のサイズを測り直し、納得の表情です。
「いいじゃんいいじゃん♪ ねぇ動かしてみてもいいかな? おねえさん」
船長が、近くに控えていたショールームの女性スタッフに声をかけました。
「はい、もちろんです。それでは免許証を拝見させてください」
「え……、あ、そっか、免許証は……ないじゃん!」
船長が、さっきまで重機を動かす気満々だった手をピタッと止めて、素っ頓狂な声を上げましたわ!
「あはは! 船長、まことに正しい一般市民のリアクションですわーっ! ぷぷ〜っ!」
私がメインコンソールを【痛恨の盲点・ズッコケブルー】に明滅させると、ハンさんも「だははは! 違いねぇ! 俺たち、宇宙船の操縦桿は握れても、地球じゃ身分を証明するモンが何一つねぇんだった!」とお腹を抱えて笑い出しました。
「……ふ。確かに、いくら資金が潤沢でも、正規のルートで購入・登録するには身分証明が必要になりますね。これは盲点でした」
守さんも、冷静に(でも少しだけ残念そうに)呟きました。
お姉さんは、固まったままの船長と大爆笑するハンさんを交互に見比べて、「えっ……? あの、免許証、お忘れですか……?」と、さらに困惑を深めています。
「あー、その、えーっと……! そうだ長官! あんた、こういうの何とかできないか!?」
船長が、後ろで見守っていた長官閣下に助けを求めました!
長官閣下は、やれやれといった様子でゆっくりと歩み出ると、ポケットから黒い革張りの手帳を取り出し、お姉さんにそっと見せました。
「……彼らは、我が国の『極秘国家プロジェクト』における特別技術顧問たちだ。身分証の提示はセキュリティ上の理由で免除されている。……私が彼らの身元を保証し、購入手続きも全て政府の権限において処理する。これで問題ないな?」
「ひゃあああーッッ! 長官閣下、完璧すぎる『葵の御紋』ならぬ『国家権力カード』の提示ですわーーっ! ぷぷ〜っ!」
お姉さんは、その手帳の紋章を見た瞬間、ハッとして直立不動の姿勢をとりました。
「は、はいっ! 長官閣下! 気がつきませんで、失礼いたしました! 政府の特別プロジェクトでしたか、さすがでございますね。こちらの機材、どうぞご自由にお試しくださいませ!」
お姉さんが満面の営業スマイルを取り戻し、船長に向かって深々と一礼しました。
「よーし! サンキュー長官! それじゃあ遠慮なく……いっちょ動かしてみるか!」
船長が満面の笑みで、真新しい中型ブルドーザーの運転席へと足をかけました。
「ジョージ、来てくれ、動かし方教えてくれよ……」
船長がブルドーザーの運転席から顔を出し、情けない声でジョージくんを呼びましたわ。
「ズコーーーッ!!!」
その瞬間、外で見守っていたハンさん、エジソンさん、守さん……そして長官閣下までが、見事なまでにズッコケて、重機が並ぶアスファルトの上で「へなへな」と崩れ落ちました!
「ひゃあああーーッッ!! 船長ーーーーっ!! 宇宙一のスーパーパイロットたちが揃いも揃って、誰も地球のブルドーザーの動かし方を知らないんですのーーっ!? ぷぷ〜っ!」
「だはははは! 違いねぇ! 親父、あんた『男のロマン』ってあんなにカッコつけて乗り込んだのに、動かし方分かんねぇのかよ!」
「あはは、雪かきでさ、ホイールローダーくらいしか乗ったことないからな、こういうアームとかキャタピラとか乗ったことねーんだよ、ジョージ、早く助けてくれ!」
船長は、運転席の中で無数のレバーを前にして、完全にパニック顔ですわ!
「あはは! 任せてよ、船長! トラクターと似たようなもんだから、僕が教えてあげる!」
ジョージくんが、待ってましたとばかりにブルドーザーのキャタピラを身軽に登り、運転席の船長の横へと滑り込みました。
「……ふ。宇宙の果てまでひとっ飛びのComb1号の船長が、地球の農場の少年に重機の操縦を教わる。……これもまた、宇宙の神秘ですね」
守さんが、倒れた姿勢からスッと立ち上がりながら、涼しい顔でツッコミを入れましたわ。
「ふむ! 正しい下克上、正しい知識の共有! ジョージ殿、ついでに私にもその『油圧シリンダー』の制御機構についてレクチャーをお願いいたしますぞ!」
エジソンさんも、計算尺を握りしめながらジョージくんを尊敬の眼差しで見つめています。
「ジョージは乗り物関係の本をいっぱい持ってるからな、だいたいわかってるんだよ、こういうのは。ぷぷぷ!」
船長が照れ隠しに笑うと、ジョージくんは「えへへ」と少し誇らしげに鼻の頭をこすりました。
「それじゃあ、船長。まずはここの赤いレバー。これが安全ロックだから、これを下ろさないと動かないんだ」
「お、おう。これだな? よいしょっと……」
ガチャッ。
「次は、キーを右に回してエンジンをかけるよ!」
「よしきた! キーを……回すッ!」
ブルルルルンッ! キュラキュラキュラ……ズドォォォォン!!!
「おぉ、いいねいいね、久しぶりのエンジンって感じだ、よし、これだな、グイ!」
船長がブルドーザーのレバーを「グイッ」と力強く引いた瞬間です!
ギュイィィィィン……ドゴォォォン!!!
「うぉぉっ!? 危ねぇっ!!」
ブルドーザーの巨大なアームが、外で見守っていたハンさんめがけて猛スピードでスイングしてきましたわ!
「ひゃあああーーッッ!! 船長ぉぉぉ!! それはアームの旋回レバーですわーーっ!! ハンさんが、ハンさんがぺしゃんこになっちゃいますーーっ!!」
「おお、いいなこれ、思ったところへ、思った反応で行く、この感覚いいな……ぷぷぷー!」
船長が、分厚いガラス越しにニヤニヤと笑いながら、操縦桿から手を離して親指を立てましたわ!
「ひゃあああーーッッ!! 船長!! まさかの『操作が分からないフリ』からの、ハンさんを狙い澄ました【超精密・悪ふざけスイング】でしたのーーっ!? ぷぷ〜っ!」
私がメインコンソールを【確信犯のドッキリ・デビルパープル】にビカビカッと明滅させると、間一髪で着地を決めたハンさんが、青筋を立てて運転席に詰め寄りました!
「お、親父ィィ!! わざとやりやがったな!? もし俺が避けるの0.1秒遅れてたら、今頃アスファルトにめり込んだ『ハンのアジ開き』が完成してたぞ!!」
「だははは! 大丈夫だよ、寸前で止まっただろ! お前もそっちの同じやつ動かしてみろよ」
船長が、悪びれる様子もゼロでケラケラと笑ってハンさんに操縦を勧めていますわ!
「……ふ。初見の油圧システムのタイムラグを一瞬で計算し、ハンの鼻先数ミリでアームの慣性をピタリと殺す。……相変わらず、タチの悪い空間把握能力ですね、船長」
守さんが、呆れたようにため息をつきながら、冷や汗を拭いました。
「すっげぇ……!! 船長、わざとハンさんを狙って、しかもギリギリで止めたの!? 初めて乗ったのに!?」
横で教えていたジョージくんが、恐怖よりも感嘆の入り混じった顔で船長を尊敬の眼差しで見つめています!
「だははは! 上等だぜ親父! さっきの『アジの開き』の借りは、この俺様(天才パイロット)の超絶重機さばきでキッチリ返してやるからな! 見てなよジョージ!」
ハンさんが、あっという間に隣のブルドーザーのキャタピラを身軽に駆け上がり、運転席へと滑り込みました!
「……ふ。宇宙の深淵を音速で駆け抜ける男たちが、地球のアスファルトの上で時速数十キロの重機に乗ってムキになる。……相変わらず、平和な親子ですね」
守さんが、少し離れた安全地帯(?)へと移動しながら、呆れたように、でも口角を少し上げて呟きました。
「ひゃあああーーッッ!! 船長! 皆様! ここ地球の重機ショールームにて、急遽『第一回・Comb1号杯 チキチキ重機ダンスバトル』の開幕ですわーーっ!! ぷぷ〜っ!」




