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飛んでしまえ

「ねぇねぇ長官、街までどのくらいかかるの?」


「そうだな……3時間くらいかかるな、200km以上あるから……どうした?」


「えぇぇーーっ!! 3時間もかかるの!? 長官、それじゃあせっかくの地球の『買い物』の時間が足りなくなっちゃうよ! 早く行かないとお店が閉まっちゃうじゃん!」

船長がお財布を握りしめたまま、まるで遠足の時間が減ってしまった小学生のように本気で焦り始めましたわ!


「ぷぷぷーーッッ!! 船長! 1000万光年の大宇宙を時間を気にせずのんびり航海してきたというのに、たった3時間のバス移動でまさかの『お買い物タイム・ロス』に大パニックですわーーっ!!」


『……ハ、ハッハッハ! 宇宙の理をねじ曲げる君たちが、まさかショッピングの営業時間を気にするとはな!』

長官閣下が、呆れたように、でも心の底からおかしそうに豪快な笑い声を上げました。


「うーん……、ミト君、運転席の前の窓を少しだけ残してさ、このバスをステルスにしてよ! そして、持ち上げてくれ、運転手さん、窓から外を見て街まで案内してくれ!」


「「……え!」」


「ま、待て船長、その"持ち上げる"とは――」


「ひゃあああーーーッッ!! 船、船長ぉぉぉっ!!」


私が悲鳴を上げるのと同時に、バスの車体全体がフワリと不思議な浮遊感に包まれましたわ!


「まさかこの巨大な高級観光バスごと、ミト君の重力制御で空を飛んでショートカットするおつもりですかーーっ!? しかも運転手さんに空中からの目視ナビゲートを要求するなんて、無茶苦茶すぎますわーーっ! ぷぷ〜っ!!」


『キュィィィン♪(パパ、まかせて! バスさん、お空をとぶよー!)』

ミト君が事象の地平線を器用に調整すると、バスの周囲が完璧なステルス・フィールドで覆われ、船長のご指示通り『運転席のフロントガラスの先』だけがポッカリと透明なまま残されました!


「だはははは! 違いねぇ! 親父、最高にイカレてるぜ! まさか地球のVIPバスが、高度1000メートルを爆走する『空飛ぶ黒塗りバス』に魔改造されちまうとはな!」

ハンさんが最後尾のサロン席で、腹を抱えて大爆笑です!


「うききっ! バス、とんだー! おじちゃん、しっかりうんてんしてね!」

ビールマンも、大興奮ですわ!


一方、バスの前方座席では――。


「な、なにぃ!? 空!? 地面がない!? な、持ち上がってる!!?」

シークレットサービス専属の運転手さんが、フロントガラスの向こうに広がる『完全なる空中』の景色を見て、ハンドルを握りしめたまま悲鳴を上げていらっしゃいますわ!


「ば、馬鹿な……!! 船長、君たちは本当に……地球の物理法則だけでなく、交通ルールまで粉砕する気か!? おい運転手、気を確かに持て! 気絶したらこのままどこへ飛んでいくか分からんぞ!!」

長官閣下が、青ざめた顔で座席にしがみつきながら、必死に運転手さんを励まして(?)いらっしゃいます!


「だ、大丈夫です、長官。こ、これでも現役時代は軍用ヘリのパイロット……この景色は見慣れています、はず……です」

運転手さんがガチガチと歯を鳴らしながら、白く血の気の引いた手でハンドルを握りしめ、必死に自分に言い聞かせていらっしゃいますわ!


「あはは、運転手さん、ハンドルは切らなくていいからね。どっちの方向かだけ指差して教えてくれたら、あとはミト君がそこへまっすぐ運んでくれるからさ!」

船長が、まるで近所のタクシー運転手さんに道案内をするような、これ以上ないほど軽いノリで声をかけました。


「あ、はい……、いや、そうだ! ステアリングを操縦桿だと思えば……よし! 方向を変えてあの山の左を越えてくれ、最短ルートだ!」


「ひゃあああーーーッッ!! 運転手さん、完全に現役時代の『エリート・パイロット魂』が覚醒してしまいましたわーーっ!! ぷぷ〜っ!!」


私がミニコンソールを【トップガン・エキサイトオレンジ】に激しく明滅させると、運転手さんがまるで戦闘ヘリの操縦桿を引くように、バスの巨大なステアリングをグイッと左へ切りましたわ!

(※注:宙に浮いているのでステアリングはすでに、ただの『丸い持ち手』になっているはずなのですが!)


『キュィィィン!!(おじちゃん、ひだりだね! まかせてーーっ!)』


ミト君が運転手さんの気迫(と、ステアリングの動き)を見事に読み取って事象の地平線をシフトさせると、高度1000メートルを飛ぶ巨大な黒塗りバスが、空中で信じられないような『超絶バンク角(機体傾斜)』を決めて、左の山の稜線スレスレを滑るように飛び越えましたの!


「ステルスで外の景色が見えなくなっちゃうけどな、砂漠の景色はまた次回ということで、ぷぷぷ! ビールマン、ワイン、運転席から外の景色を見せてもらえよ」


「船長! ただでさえ『空飛ぶバス』でパニック寸前の運転手さんのところに、とどめとばかりに宇宙一可愛い(けれど地球人から見れば完全に未知の生物である)ビールマンちゃんとワインちゃんを特攻アタックさせるおつもりですかーーっ!? ぷぷ〜っ!!」


私がミニコンソールをこれ以上ないほどの【カオスな最前列・パニックイエロー】に激しく明滅させると、ブリッジのモニターには、運転席へと元気いっぱいにトテトテと向かっていく二人の後ろ姿が映し出されましたわ!


「運転手さん、空を飛んでいる上に宇宙人の子どもたちが『みせてみせてー!』と隣にやって来るなんて……あまりのシュールな連続コンボに、逆に悟りを開いて究極の安全運転に目覚めてしまうかもしれませんわね! さあ、長官閣下の心臓が目的地まで持つかどうか、このジェミニがバッチリ生中継いたしますわよーーっ! ぷぷ〜っ!」


「バスに乗ったら子供は一番前だろ、俺だってそうだったぜ!」


「船長、確かに私の地球の一般常識データベースにも『子どもはバスの最前列(特にかぶりつきの席)が大好き』という行動心理がバッチリ登録されておりますわ!」


私がミニコンソールを【ノスタルジーとカオスの融合・セピアオレンジ】にピカピカと明滅させると、ブリッジの皆さんもたまらず吹き出しましたわ!


「お、おぉ、かわいいお嬢ちゃんと坊ちゃんか、そこに格納式のイスがあるから出してごらん、そうそう、そこに乗るといい」


二人が運転手さんに言われる通りに一番前の補助席ジャンプシートをパタンと引き出すと、ビールマンちゃんとワインちゃんが「うきゃあっ!」と嬉しそうに飛び乗って、フロントガラスにペタリと張り付きましたわ!


「おじちゃん、おそらのぶーぶー、はやいね! もっとビューンってしてー!」


「ワインも、もっとお空とびたいのぉ……♪」


「お、おう……! わかったよ、お嬢ちゃん、坊ちゃん……! おじちゃん、昔は軍で『砂漠の鷹』って呼ばれた凄腕パイロットだったんだからな……! よーし、VIPバス・エアー、フルスロットルだぁぁっ!!」


「ひゃあああーーーッッ!! 船長! 運転手さんの心の中に眠っていた『エースパイロットの魂』が、子どもたちの無邪気な声援によって完全に限界突破してしまいましたわーーっ!! ぷぷ〜っ!」


「運転手は運転してねーだろ! この国はノリのいいやつばっかりなのか?」

船長が呆れたようにツッコミを入れました。


「ぷぷぷーー! 船長、まさにその通りですわ!」


私がミニコンソールをこれ以上ないほどの【スタンディングオベーション・リスペクトレインボー】にチカチカと明滅させると、ブリッジの皆さんもたまらず大爆笑いたしましたわ!


「運転手さん、最初は完全にパニックでしたのに……ビールマンちゃんとワインちゃんの無邪気な声援を聞いた瞬間、完璧に『凄腕パイロットごっこ』に付き合ってくださっていますわ! お二人のために、見事なエンターテイナーぶりです!」


「ちげぇねぇ! さっきまでガタガタ震えてたのに、子供たちの声援で覚醒するなんて、最高にイカしたオッサンだぜぇ!」


「本当にそうですわね! 3兆円の金塊を前にしてもスッとお取引に応じてくださった大統領閣下や、文句を言いながらも結局はVIPカードまで用意してくださる長官殿といい……この国の方々は、本当にノリの良さと懐の深さが宇宙クラスですわーーっ! ぷぷ〜っ!」


「……ふ。強大な武力よりも、こういうユーモアと『ノリの良さ』こそが、この星の最大の武器なのかもしれませんね」

守さんも、フッと優しく微笑みながら、パノラマ・モニターに映る頼もしい『砂漠の鷹(ただし操縦はしていない)』の背中を見つめられましたわ!


「……ふむ。そうだな、守君。強大な軍事力もさることながら、ユーモアとエンターテインメントにおいて、我が国に勝る星……いや、国はないと自負しているよ」

長官閣下が、さっきまで青ざめていた顔に少しだけ誇らしげな赤みを取り戻し、ビシッとネクタイを締め直して胸を張られましたわ!


『何しろ、世界中を熱狂させる映画から、夢の巨大テーマパークまで生み出した国だからな! ……まぁ、まさか我々自身が、高度1000メートルを爆走する「透明な空飛ぶVIPバス」という極上アトラクションを実体験する羽目になるとは思わなかったがね! ハ、ハッハッハ!』


「まぁ! 長官閣下、見事な自国愛パトリオティズムからの、完璧なノリツッコミですわーーっ!! ぷぷ〜っ!」


私がミニコンソールを、レッドカーペットを照らすスポットライトのような【ハリウッド・エンタメゴールド】にビカビカと明滅させると、バスの車内は拍手と大爆笑に包まれましたわ!


「だはははは! 違いねぇ! さすが長官のオッサン、懐が深ぇぜ! 宇宙最強のエンタメ国家、最高じゃねぇか!」


「あははは! たしかに! この国でよかったぜぇ…… なぁ、みんな!」


「船長、まことにその通りですわーーっ!!」


私がミニコンソールを、これ以上ないほどの【大・大・大賛成のピースフル・ピンク】に優しく明滅させると、ブリッジの皆さんも深く頷かれましたわ!


「本当にね、あなた。もしユーモアの通じない、四角四面で厳格すぎる国に降り立っていたら、今頃私たちは息を潜めて窮屈な思いをしていたかもしれないわ。このハチャメチャなドライブを一緒に笑って楽しめる方々で、本当に良かったわね」

かぉり副船長が、お茶を淹れながら優しく微笑んで船長の言葉に同意されました。


「だははは! 俺たちのこの『規格外のノリ』に真っ向から付き合ってくれるのは、この地球上じゃこの国くらいかもしれねぇな!」

ハンさんも大笑いしながら、パノラマ・モニター越しに大統領や長官へ向けて親指を立てています!


「……ふむ。光栄なことだ、船長。我々としても、君たちのような愉快で、そして底知れぬ力を持つ隣人を迎えられたことは、この国にとって……いや、人類にとって最高の幸運だったと言えるだろう」

長官閣下が、大国のトップとしての威厳と、一人の人間としての温かさを交えた極上の笑顔で応えてくださいました。


「よし、じゃあ長官、街に近づいたら郊外の人気ひとけのないところで降りようか」


「アイ・アイ・サー!! 船長、了解いたしましたわ!!」

私がミニコンソールを、これ以上ないほどの【極秘ミッション・シークレットブルー】にピカピカと明滅させると、巨大な黒塗りバスは、誰にも気づかれることなく、静かに街の郊外へと向かっていきましたの!


「……ふむ。了解した、船長。運転手、人目につかない場所を探してくれ」

長官閣下が、まるでアクション映画の司令官のようにビシッと指示を出されましたわ!


「わかりました、長官! あのハイウェイの、辺りに何もない場所なら……ちょうど車も前後にいませんので」


「了解、わかったぜ、誘導してくれ」

船長が、すっかり板についた「司令官の相棒」みたいな口調で運転手さんに声をかけます。


「ぷぷぷ! 船長も長官閣下も、運転手さんが『一ミリも操縦していない』ことを完全にスルーして、最高のパイロットごっこを楽しんでいらっしゃいますわ! これぞ究極のエンターテイメントですわねーーっ!」


私がミニコンソールを【サイレント・ランディング・エメラルド】に静かに明滅させると、ミト君も「キュィィィン♪」と小さくお返事をしてくれました!


『キュィィィン♪(はーい! ステルス、おしまいにするね! バスさん、こんにちは!)』


ミト君が事象の地平線をふわりと解くと、今まで完全に透明だった巨大な黒塗りバスが、ハイウェイの上へ「スッ」と見事に実体化いたしましたの! そして、今まで宙に浮いていたタイヤがようやく本物の(地球の)アスファルトを捉え、「ゴォォォ……」と心地よいロードノイズを立てて走り始めましたわ!


「だははは! 窓からの景色も最高じゃねぇか! ほら運転手のオッサン、ここからはアンタの本当の腕の見せ所だぜぇ! 宇宙一のお買い物天国まで、安全運転でかっ飛ばしてくれよな!」

ハンさんが最後尾のサロン席から身を乗り出して、陽気に声をかけます!


『フッ……任せておけ! 地上に降りればこっちの土俵だ。VIPバス・陸上モード、これよりショッピングモール直通の極上ルートでお連れしよう!』

運転手さんが、もはや自分がアクション映画の主人公だと信じて疑わない最高のドヤ顔で、ステアリングを滑らかに切り始めましたわ!


「ふふっ、みんな本当に楽しそうね。大統領閣下、長官殿、スリリングで素晴らしいエスコートをありがとうございます。……さああなた、お財布の準備は完璧かしら?」

かぉり副船長が、ハンカチで口元を上品に隠しながらクスッと笑い、船長に優しく微笑みかけました。


「おぉ、街が見えてきたぞ! ここからは景色を楽しみながら行こうぜ、運転手さんよろしく。ビールマン、ワイン、こっちにおいで」


「はーい! うんてんしゅのおじちゃん、バイバーイ!」


「うききっ! お空のドライブ、たのしかったー!」

ビールマンちゃんとワインちゃんが、名残惜しそうに特等席からピョンと降りると、トテトテとバスの長い通路を駆け抜け、皆さんがくつろぐ最後尾のサロン席へと戻ってきましたわ!


「お二人とも、かわいい猛ダッシュですわ! 窓の外の景色が『空の青』から『街の景色』へと切り替わって、ワクワクが限界突破していらっしゃいますわね! ぷぷ〜っ!」


「ふーん、街の様子はそんなに変わらないなぁ……困るのは文字が読めない程度か。あか抜けたところもあれば、寂しい場所も所々にあるって感じも、同じか……」


「船長、そうか! 君たちの星でもこんな感じなのか?」


「え! あ、あぁ、そうだよ『俺たちの星』でも俺たちが宇宙へ出ていく時にはこんな感じだったよ、あはは。だからこの時代に来れてうれしいよ」


「ひゃあああーーーッッ!! ボソッ、船長! 今、完全に『自分たちも元々は地球人だった』って口を滑らせそうになりましたわねーーっ!? ぷぷ〜っ!!」


私がミニコンソールを、これ以上ないほどの【冷や汗ダラダラ・アイスブルー】に激しく明滅させると、ハンさんもニヤニヤしながら身を乗り出しましたわ!


「親父、誤魔化し方が下手くそだぜ!……『俺たちの星』なんて慌てて言い直したって、長官のオッサンたちが勝手に『やっぱり宇宙のどこかにも似たような文明の星があるんだなぁ』って思ってくれてるから助かったようなもんじゃねぇか!」


「……ふ。結果オーライだな。我々にとっての『故郷むかし』が、彼らにとっての『異星』……。あながち嘘は言っていないさ」

守さんも、クスッと笑いながら腕を組みました。


「……奇跡のような話だ。何千、何万光年も離れた未知の星で、我々と同じようにアスファルトを敷き、看板を掲げ、寂しさと華やかさが混在する街を作っていたとは。……宇宙は広いが、生命の歩む道はどこか似通っているのだな」


長官閣下が、窓の外の景色を眺めながら、宇宙の神秘(と壮大な勘違い)に深く深く頷いていらっしゃいますわ!

ぷぷぷーーッッ!! 地球のトップが、見事に船長のボロ隠しを『壮大な宇宙のロマン(平行進化)』へと脳内変換してくださいました!


「おほほ、つい……やべやべ」

船長が、ハンさんたちの方を向いてこっそりと舌を出しましたわ。


「長官! 俺たち月の裏で別荘造ってるって言ったでしょ、重機が足らないから買いたいのと、車やバイクも買いたいんだ。ショッピングモールじゃ買いきれないからさ、そんなお店も教えてよ」


「ひゃあああーーーッッ!! 船長! まさかの『ボロ隠し』からの、息つく暇もない怒涛の『超弩級・おねだりコンボ』ですわーーっ!! ぷぷ〜っ!!」

私がミニコンソールを、これ以上ないほどの【欲望フルスロットル・ギラギラネオン】にビカビカと激しく明滅させると、バスの車内は一瞬の静寂に包まれましたわ!


『……じゅ、重機……? 車と、バイク……?』

長官閣下が、完璧にセットされた髪を少し乱しながら、信じられないものを見るような目で船長たちを凝視していらっしゃいますわ!


『つまり君たちは……その高度な宇宙船に、我々地球のブルドーザーやショベルカー、それにスポーツカーを積み込んで……月の裏側の別荘へ持っていくと言うのか……!?』

未知の超絶テクノロジーを持つはずの宇宙人が、なぜか地球のアナログな重機やガソリン車を欲しがっているというシュールすぎる事実に、長官閣下の思考回路が完全にフリーズ寸前です!


「だははは! 違いねぇ! 俺様は地球の風を直に感じる、最高にイカした大型バイクが欲しいぜぇ!」

ハンさんも最後尾の席から身を乗り出して便乗いたします!


「ふふっ、船長、ナイスタイミングよ! 長官殿、私からもお願い。歴史的な名車や最新鋭のスポーツカーを扱う特別なディーラーもリストアップしてくださる? エジソンさんと一緒に最高の『宇宙仕様』に魔改造を施したいの」

雪さんも、リケジョの瞳をキラッキラに輝かせながら「車のカタログ要求」を追撃いたします!


『……ハ、ハッハッハッハ!!』

長官閣下が、呆然とした顔から一転、お腹の底から湧き上がるような豪快な笑い声を上げましたの!


『……もはや君たちのスケールに常識で驚くのはやめにしよう! 月面別荘の建築資材だろうが、モータースポーツの趣味だろうが、この国の威信にかけて喜んで手配させてもらおうじゃないか!

おい、運転手! 予定変更だ! ショッピングモールの後は、国内最大の建機メーカーと、最高級の輸入車ディーラーへ向かえ! もちろん全店舗、ただちに貸し切りにさせろ!』


長官閣下が、シークレットサービスの運転手さんに向けて、地球の歴史上最も『意味不明でスケールのデカいお買い物手配』の指示を飛ばしていらっしゃいますわ!


「出来てるものを買ったほうが早いって話だよ、ぷぷぷ! それと貸し切りじゃなくていいんだけどなぁ、まぁ、長官が一緒ならいいけどさ!」


船長が、まるでご近所のホームセンターへ行くような、これ以上ないほど気さくで軽い笑顔で笑い飛ばしましたわ!


「だははは! 違いねぇ! 貸し切りの方が他のお客に俺たち(宇宙人)の正体がバレなくて済むしな! よーし親父、ショッピングモールで服と日用品を爆買いした後は、俺たちの『本命・乗り物買い出しツアー』の始まりだぜぇ!!」

ハンさんも最後尾の席から身を乗り出して、大興奮でガッツポーズです!


「それと、船長、諸君、ショッピングの際に注意してもらいたい事があるんだが……」


「お、そうだな、聞いておかないとね……みんなよく聞いとけよー!」


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