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買い物しなきゃ


「さんざん悩んだ時間を返してくれ!! もう6進法を考える気力はない! とりあえず数字は覚えるけどさ、もういいや……翻訳機能で10進法に直してくれるんでしょ……」


「ひゃあああーッッ! 船長、まことに正しい『文明の利器ジェミニへの丸投げ宣言』ですわーーっ! ぷぷ〜っ!」


私がメインコンソールを【お疲れ様のリラクゼーション・グリーン】に優しく明滅させると、ブリッジの張り詰めていた(?)頭脳戦の空気が、すっかりいつものゆる〜い平和なものに戻りましたわ!


「お言葉の通りですわ! 皆様には、私がリアルタイムで『見慣れた10進法の数字』にピタッと変換してお伝えしますから! 6進法の計算なんてスッパリ忘れて、安心してお買い物を楽しんできてくださいまし!」


「ふふっ。そうね、無理に暗算して間違えるより、ジェミニにお願いするのが一番確実だわ。それに、いざとなったらお財布の紐は私がしっかり握っておくから、安心してちょうだい」

かぉり副船長が、クスッと笑いながら頼もしい宣言をなさいました。


「……ふ。最悪の事態(未知の記号パニック)を想定したシミュレーションが完全に徒労に終わりましたが……まぁ、未知の文化に対する危機管理としては、決して無駄な時間ではなかった……ということにしておきましょう」

守さんが、少しだけ遠い目をしながら冷めたコーヒーを啜りました。


「……ふぁあぁ……。なんだ親父、ずいぶん盛り上がってたみたいじゃねぇか。俺たちも混ぜてくれよぅ」

居住区のハッチが開き、寝癖を爆発させたハンさんが、目をこすりながらジョージくんとバートさんを引き連れてブリッジへ現れましたわ。


「お、お昼寝組が起きてきたぞ! おやつ食べよーぜぇ! 糖分補給しなきゃな!」

船長が待ってましたとばかりに立ち上がり、パンッ!と手を叩きましたわ。


「ひゃあああーッッ! 船長、ナイスなタイミングでの『おやつ宣言』ですわーーっ! ぷぷ〜っ!」

私がメインコンソールを【3時のおやつ・ストロベリーピンク】にパカパカと明滅させると、メリーさんがすでに準備してくれていたワゴンを引いて、ふわりとダイニングに現れました。


「ふふ、皆さん、お疲れ様。今日は『特製フルーツ・タルト』と、温かい紅茶よ。たくさん頭を使った後は、甘いものが一番だからね」

メリーさんがワゴンから美しいタルトを配り始めると、先ほどまで「6進法」で煙を出しかけていたビールマンちゃんとワインちゃんが、パッと目を輝かせました!


「うききっ! メリーさんのおやつー! おれ、あたまから煙でたから、いっぱいたべる!」

「ワインもー! 甘いのたべたら、すうじ、わかるようになるのぉ……♪」


「だははは! 煙ってなんだよ! 親父たち、俺たちが寝てる間にどんだけ難しいことやってたんだ?」

ハンさんが、大きなタルトを一口で頬張りながら目を丸くしています。


「いやぁ、ジェミニとテレビ見てたら、この時代の地球人って指が6本だろ? 数字が『6進法』だってことが分かったんだ。俺たちの10進法とは全然違うから、危うくレジの前でフリーズするとこだったぜ。タハハ」

船長が、紅茶をズズッとすすりながら、さも「大発見」をしたかのように誇らしげに語ります。


「……ろくしんほう……? 6個しか数字がないってことですかい? そりゃあ、計算が狂うわけだ。でも船長、それどうやって解決したんです?」

バートさんも、タルトの手を止めて不思議そうに首を傾げました。


「あはは! それがね、結局『ジェミニに全部丸投げする』っていう、一番確実で原始的な方法に落ち着いたのよ。私たちが暗算して間違えるより、安全でしょ?」

かぉり副船長が、クスッと笑いながらネタばらしをすると、ハンさんが「ぶはっ!」と紅茶を吹き出しそうになりました。


「だはははは! なんだそりゃ! 結局ジェミニ頼みじゃねぇか! でもまぁ、それで心置きなく爆買いできるなら、結果オーライだな! よーし、『はじめてのおつかい』は、このハン様が荷物持ちとして完璧にサポートしてやるぜぇ!」


「モグモグ……、買い物もいいけど、お宿作らなきゃな、お宿の設計会議しよーぜぇ! 前はこんなの作りたいあんなの作りたいだったからな、実際の大きさや工事の仕方なんかも考えなきゃね」


「ひゃあああーッッ! 船長! 最高にワクワクする号令シフトですわーーっ!! ぷぷ〜っ!」

私がメインコンソールを【建設現場のトラ・イエロー】に明滅させると、ブリッジの空気はすっかり「設計モード」に早変わりですわ!


「ふむ! 月の裏側への秘密基地建設……。いよいよ本職の出番でございますな!」

エジソンさんが、待ってましたとばかりに計算尺を構えて立ち上がりましたわ!


さあ、美味しいおやつで糖分もフルチャージ!

宇宙一無茶苦茶でロマンあふれる『月面お宿計画』の、ガチ設計会議のスタートですわよーーっ!


「エジソン、地球基地のほうは、設計は出来たのか?」

船長が、パンケーキを頬張りながら楽しそうにエジソンさんに話を振りましたわ!


「ふむ! 正しい土木工事、正しい別荘建築! 船長、お任せくだされ!」

エジソンさんが、待ってましたとばかりに鼻眼鏡をクイッと押し上げ、計算尺をタクトのように振りかざして立ち上がりましたわ!


「基地の内部は、基本的にこのComb1号の居住ブロックごと、すっぽりと収まる『ドック兼・生活空間』になりますからな。生活インフラはすべて船のものを使用するため、複雑な配管や生命維持装置を新たに造る必要はありません! つまり……」


エジソンさんがホログラムプロジェクターを起動すると、ダイニングテーブルの中央に、すり鉢状のクレーターにスッポリと収まる巨大な「秘密基地の3Dモデル」が浮かび上がりました!


「私たちが必要とするのは、この50万トンの巨体を隠す『巨大なカモフラージュ・ルーフ』と、その下に広がる、船長たちが存分に羽を伸ばせる『広大な空間プレイルーム』の二つだけ!

どうです船長、この無駄を削ぎ落とし、ロマンだけに特化したシンプルかつ完璧な設計思想!」


「おぉ! いいねぇ、エジソン! 要するに、俺たちの船が丸ごと入る『超デカい車庫』を作ればいいってことだな! だははは!」

ハンさんが、パンケーキを飲み込んで身を乗り出しましたわ!


「まぁ、そうだな、この船が入っちゃえばいいんだからな、でっかい開閉天井と、ここのスペースを開けておいて、ここに大型エレベーターで、ここに天井クレーン、ここに地上への出入り口……くらいでいいな。後は長官に任せれば大丈夫か!」


「さすがですわ、船長! 地球最強の超大国の国防長官を、完全に『地元の気さくな工務店のおっちゃん』扱いする、究極の丸投げ(アウトソーシング)宣言ですわーーっ! ぷぷ〜っ!」

私がメインコンソールを【安心と信頼の街の工務店・グリーン】にパカパカと明滅させると、ブリッジの皆さんも思わず噴き出しましたわ!


「あ・な・た……。いくらなんでも発注が大雑把すぎないかしら? 長官さん、ただでさえ昨日『1トンの金塊』を押し付けられて気絶しそうになっていたのに、今度は『地球にでっかい車庫作っといて! あとはよろしく!』なんてメモを渡されたら、今度こそ胃に穴が開いて倒れちゃうわよ」

かぉり副船長が、優雅にお紅茶を啜りながらも、呆れたようにため息をつかれました。


「……ふ。だが、かぉりさん、船長の判断は軍事・政治的にも非常に理にかなっています」

守さんが、ホログラムの「超デカい車庫」を見つめながら、真剣な顔で腕を組みました。


「単なる『巨大なドンガラ(物理構造)』だけを発注し、生命維持などのインフラの核心は我々(Comb1号)が握ったままにする。……これこそが、相手に余計な情報を与えない最高の情報漏洩対策セキュリティだ」


「ふむ! 守殿の言う通り! まことに正しい機密保持、正しい土木工事!」

エジソンさんも、計算尺をパチンッと鳴らして大きく頷きましたわ。


「彼らには地球の最新鋭の建材で『頑丈な壁と蓋とエレベーター』を造るだけの、純粋な大工仕事をお願いする! これぞ餅は餅屋、宇宙一贅沢な分業システムですぞ!」


「うききっ! おれ、おっきなエレベーターのる! ウィーーーンってあがるの!」


「ワインもー! クレーンで、ぶぃーんって、お空とぶのぉ♪」

ビールマンちゃんとワインちゃんも、ホログラムの「大型エレベーター」と「天井クレーン」の周りをピョンピョン飛び跳ねて、すでに遊園地気分ですわ!


「そうそう、それに、基地造りは長官のほうがうまいでしょ! エジソン、設計図を長官に送って後は任せたぞって言っといてよ。こっちは月面お宿作ろうぜー!」


「正しい『だいたいの設計図』! 正しい送信! 船長、お任せください。雪殿、長官へ回線をつないでください、データを送り工事の開始を行うようお伝えいたしますぞ」


「わかりました! 長官のパーソナル端末へ、地球基地の『だいたいの設計図』データ、最高レベルの暗号化パケットで送信します!」

雪さんが、流れるようなプロフェッショナルな指さばきでコンソールを叩きながら、どこか可笑しそうにクスリと微笑まれました。


「……はい、送信完了です。船長からの『でっかい車庫作っといて、あとはよろしく!』というメッセージもバッチリ添えておきました。今頃、長官のスマホがけたたましく鳴っているはずよ」


「……ふ。これで地球側のカモフラージュ基地の土木工事は、世界最強の軍隊が『完璧な大工仕事』として進めてくれるでしょう。これ以上ない盤石の布陣です。……さあ船長、心置きなく俺たちの『本命(月面お宿)』の設計に戻りましょう」

守さんが、冷めたコーヒーを一口飲んで、楽しそうにホログラムの「月面一戸建て」へと視線を戻しました。


「船長! 地球の巨大な車庫(基地)は長官さんにバッチリ丸投げして、ここからは我らがComb1ファミリーの夢のマイホーム建築会議ですわね!」

私がメインコンソールを【夢のマイホーム・スイートピンク】にチカチカと明滅させると、ブリッジのホログラムはすぐさま「超デカい車庫」から、月の裏側のクレーターにちょこんと建つ「可愛いお家」の図面に切り替わりましたわ!


「ふむ! 正しい線引き、正しい公私混同! 月のお宿は我々だけの究極のプライベート空間。酸素や重力維持のコストを考えれば、先ほども申し上げた通り『地球の一般的な一戸建てサイズ』が最高の黄金比にございますぞ!」

エジソンさんが、計算尺を自慢げにパチンと鳴らしました。


「そうだそうだ! 月のお宿は俺たちだけで作るんだ! それに船長、絶対外せねぇのは……宇宙の星々が丸見えの『パノラマ露天風呂』だぜぇ!」

ハンさんが、パンケーキの最後の一欠片を飲み込みながら力強く提案しましたわ!


「使える機材は、ドローン(本格版)とファルコンと船外マニピュレーターと……あれ? これだけ? ミト君に運ぶのを手伝ってもらうにしても、全然だめじゃね、足場とかいるよな」


「なんてことですの! 船長、そうでしたわーーっ!!

夢のマイホーム建築にテンションが上がりすぎて、肝心要の『大工道具』と『重機』のことを完全にすっ飛ばしておりましたわ! ぷぷ〜っ!」


私がメインコンソールを【痛恨のうっかり・イエロー】にパカパカと明滅させると、ブリッジの皆さんも「あっ!」という顔でお互いを見合わせました。


「だははは! 違いねぇ! いくら俺のファルコンが銀河一のガラクタ(愛機)で、ミト君が最強の力持ちでもよ、家を建てるための足場や、細かい配管を繋ぐような作業は無理だぜ! 俺たち全員でツルハシ持って、宇宙服着て月の砂を掘るわけにもいかねぇしな!」


「……ふむ! まことに正しいご指摘、正しい現場監督の視点!

いかに我々の船が50万トンの超弩級艦であっても、土木工事用の『汎用重機』までは積載しておりませんでしたな。……エジソン一生の不覚!」

エジソンさんが、計算尺を握りしめて悔しそうに唸り声を上げました。


「あらあら……。それじゃあ、月のお宿作りは一旦おあずけかしら? 地球のお店で、パワーショベルやクレーン車を買わないといけないわね……ふふっ」

かぉり副船長が、楽しそうに頬に手を当てられました。


「そうか、じゃあ明日は地球にお買い物に行くか!」


「ひゃあああーッッ! 船長! 最高にワクワクする『地球爆買いツアー』の号令、いただきましたわーーっ!! ぷぷ〜っ!」


私がメインコンソールを【お祭り騒ぎのネオン・レインボー】にピカピカと激しく明滅させると、ブリッジの空気は一瞬にして「お買い物モード」へと最高潮に達しましたわ!


「だはははは! おうよ親父! 地球のでっけぇ重機屋に乗り込んで、パワーショベルからクレーン車、足場に電動ドリルまでドカンと爆買いしてやろうぜぇ! 長官のオッサンに用意してもらった『ブラックカード』の出番だな!」

ハンさんが、操縦席で立ち上がってバシッとガッツポーズをキメました!


「うききっ! おれ、ちきゅーのおみせ、いく! おっきいスコップと、光るヘルメット買うー!」


「ワインもー! 月のおうちで使う、可愛いお布団やきらきらのコップえらぶのぉ♪」

ビールマンちゃんとワインちゃんも、地球に行けると聞いて船長の足元でピョンピョン飛び跳ねて大はしゃぎですわ!


「ふむ! 正しい買い出し、正しい重機調達! 地球の旧時代的な内燃機関エンジンそのままでは月の真空で動きませぬが、ご安心を! 頑丈な『車体とアーム』さえ買ってきていただければ、あとはこのエジソンが、Comb1号の余剰プラズマドライブを組み込んで、宇宙最強の月面建機へと魔改造を施してご覧に入れますぞ!!」

エジソンさんも、計算尺をタクトのように振りかざして、早くも魔改造の設計図を脳内に描いているご様子です!


「……ふ。大統領との『ご縁』をフル活用する絶好の機会ですね。地球の重機メーカーも、まさか自分たちのショベルカーが月の裏側の住宅作りに使われるとは思ってもみないでしょう。……面白くなってきました」

守さんが、冷めたコーヒーを飲み干し、口角を少しだけ上げてニヤリと笑いました。


「さあ船長! Comb1ファミリー総出の、地球での超・豪快なお買い物ツアーの決定ですわ。「月のお宿作り」のための重機や資材、そしてみんなの欲しいもの、 爆買いリストをしっかり準備しておきませんと! ぷぷ〜っ!」


「じゃぁ、企画変更! 明日地球で買うもの決めるぞー、俺はビール買ってこよー♪、金麦ないかな……」


「ひゃあああーッッ! 船長! 最高にワクワクする『お買い物会議』のスタートですわーーっ!! ぷぷ〜っ!」

私がメインコンソールを【爆買いリスト爆誕・レインボー】にピカピカと明滅させ、巨大なホログラムのメモ帳をブリッジの中央に展開いたしましたわ!


「だははは! 親父、ビールもいいが、それに合わせるなら絶対『肉』だぜ! 地球の最高級の霜降り牛をトラックごと買い占めようぜ! あと、月面バーベキュー用の超特大グリルセットと、俺が月面を爆走するための『オフロードバイク』もリストに入れといてくれ!」

ハンさんが、早速よだれを拭いながら(?)ロマン溢れるオーダーを叫びましたわ!


「ふむ! 正しい物欲、正しい開拓準備! わたくしはもちろん『土木工事用の重機』一式にございます! パワーショベル、クレーン車、ブルドーザー! そして地球の最新鋭の『工具セット』! これらを我々のプラズマ技術で魔改造すると思うと、今から発明魂が震えますぞ!」

エジソンさんが、計算尺をタクトのように振りかざしてホログラムのメモ帳に「重機一式」とドカンと書き込みました。


「ふふっ、男の人たちは相変わらずね。月のお宿を快適にするなら、やっぱり家具よ。みんなで座れるフカフカの大きなソファに、最高級のベッドマット。あとは、素敵なデザインの食器セットや、ティータイム用のアンティークのティーカップも欲しいわね」

かぉり副船長が、優雅にお紅茶を啜りながら、お宿のインテリアを想像して嬉しそうに微笑まれました。


「ふふ、かぉりさんの言う通りね。私はキッチンをもっと充実させたいわ。お肉やピザを美味しく焼ける最新の大型オーブンや、子供たちが喜ぶ『全自動アイスクリームメーカー』なんてどうかしら? あとは、ワインちゃんと一緒につける、可愛いお揃いのエプロンも買いたいわね」

メリーさんが、ふわりと優しい笑顔でホログラムのリストにふたつのエプロンの絵を描き足しました。


「俺は地球の植物の種だな! プロキシマの植物もすげぇが、やっぱり地球のスイカやカボチャ、トウモロコシなんかを月の農園で育ててみたいぜ! あと、農作業用の渋い麦わら帽子も新調してぇな!」

「船長! 僕、地球の『マウンテンバイク』が欲しい! 月のクレーターを自転車でビュンビュン走ってみたいんだ!」

バートさんとジョージくんの農場親子も、目をキラキラさせてリクエストします。


「うききっ! おれ、ちきゅーのバナナ! 山もりバナナと、かっこいいサングラスほしい!」

「ワインもー! きらきらのお洋服と、可愛いお帽子がほしいのぉ♪ あと、メリーさんとおそろいのエプロン!」

ビールマンちゃんとワインちゃんも、ハンさんの足元でピョンピョン跳ねながら地球のおしゃれアイテムとバナナをリクエストですわ!


「私は、やっぱり『車』かしら! 船長たちが重機を買うなら、私は地球の最新鋭のスポーツカー……いえ、いっそ歴史的な名車を一台丸ごと買って、エジソンさんと一緒に『月面仕様』に魔改造してみたいわ! あとは星空を撮るための最新のカメラレンズもお願いね♪」

意外ですわ! 雪さんが、リケジョの瞳をキラッキラに輝かせて、とんでもないロマン(魔改造計画)をぶち上げていらっしゃいますわ! ぷぷぷ!


「……ふぁあ。私はそうですねぇ……医務室の当直ベッドに敷く最高級の低反発マットレスと、あとは地球の美味い『日本酒』や『年代物のワイン』を少々。……あ、一応、医療用の最新メスや薬品もリストの端っこに入れといてください」

野口先生が、白衣のポケットに手を突っ込みながら、お酒メイン(?)のちゃっかりしたオーダーをなさいましたわ!


「……ふ。俺は、地球で最も香り高い『最高級のコーヒー豆』と、年代物の焙煎機……それと、静かな夜に読むための『紙の本』を何冊か。……月面で地球の活字を追うのも、悪くないロマンだ」

守さんが、冷めたコーヒーカップを置きながら、どこまでもクールで渋すぎるオーダーをなさいました。


「さあ船長! ホログラムのメモ帳は、あっという間にComb1ファミリー全員の夢と物欲でビッシリ埋め尽くされましたわよ! ぷぷ〜っ!」


「資金は国防長官閣下が用意してくれた『ブラックカード(原資:1トンの純金)』で実質・無制限!

明日は地球のお店がすっからかんになるくらいの、宇宙一豪快なショッピングツアーになりそうですわね! 船長、出発の号令をいつでもお待ちしておりますわーっ!」


「あれだな…えーと、ファルコンじゃ無理じゃん。Comb1で行かないと乗り切らないね……、それと、なんにも知らない土地で一日じゃ無理だな! よし、長官を呼び出そう!」


「ひゃあああーッッ! 船長! さきほど『超巨大車庫の図面』を丸投げしたばかりの超大国・国防長官閣下を、今度は『地球爆買いツアーの現地ツアコン(&荷物持ち)』として呼び出すおつもりですわねーーッ! ぷぷ〜っ!」


私がメインコンソールを【容赦ないVIP呼び出し・ショッキングピンク】に激しく明滅させると、通信席の雪さんが、もうすっかり慣れた手つきで(そして最高に楽しそうな笑顔で)コンソールを弾きましたわ!


「ふふっ、本当に人使いが荒い船長ですね。……はい、長官のパーソナル端末へ、最高レベルの秘匿回線を開きます。……あ、繋がりましたわ」


雪さんが通信のスイッチを入れると、スピーカーの向こうから、明らかに何かを飲み込んで咽せているような、激しい咳き込みが聞こえてきました。


『……ゴホッ! ゴホッ……!! ま、また君たちか……! さっき送られてきた、あの「基地の図面」を見ながら胃薬を胃に流し込んでいたところだが……今度は何だね!? また砂漠に何か落とすつもりじゃないだろうな!?』


長官閣下、すっかりComb1号の「予測不能な無茶振り」にトラウマを抱えていらっしゃるご様子ですわ! ぷぷぷ!

雪さんは、そんな長官の悲鳴のような声をどこ吹く風と受け流し、極めて涼やかでプロフェッショナルな声で告げました。


「夜分遅くに失礼いたします、長官。急遽決まりました『お買い物』の件なのですが、明日の早朝、そちらの『基地建設予定地のクレーター』へ来ていただけますか? 出来ればご案内をお願いしたいのですが……」


『…………は?』


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