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実の無い種

「コケコッコーーーーーッ!!!」


パンドラ(M81銀河の植物惑星)の静止軌道上で、1200万光年の彼方の星くずを美しく反射しているComb1号のジルコニア装甲。その温室セクターから、今日もニワトリのリーダー、ランボルギーニの気合の入った一番乗りがブリッジまで響き渡りましたわ!


「ふぅ、ランニング終了……朝だぞー、みんな起きろー。ハン起きろー!」


「おはようございます、船長! 昨夜のリベンジ肉パーティーの熱気、まだ私のメインプロセッサの隅々に心地よく残っていますわ。ぷぷ〜!」


「うききっ! おとしゃん、おれ、もうお腹すいた! ワインの魔法のスープ、早く飲みたい!」


「おとさん、ワインはメリーさんと一緒に、お野菜とお肉がポカポカになるスープ、コトコトしてるのぉ……♪」


お腹が空いたと騒ぐビールマンと、エプロンを誇らしげに揺らすワイン……「急激に進化しているお猿さん(見習いクルー)」たちが、私のコントロールパネルの前にトコトコとやってきて、ピカピカの目を輝かせました。


「うーん、二人ともほんとに成長が早いというか、背も絶対に大きくなってる、もう普通の10歳くらいになってないか?」


「ひゃあああ! 本当に本当ですわ、船長! 私の光学センサーの精密測定データでも、二人の骨格発達スピードと脳波の複雑性は、地球の時間換算を完全に置き去りにして急上昇中でございます! 言語の獲得どころか、今や精神年齢は人間の10歳児並みの、とっても多感で賢いお年頃に突入しつつありますわよ! ぷぷ〜!」


「おとしゃん、おれ、もうおっきいよ! 守兄ちゃんのスロットルだって、もう半分くらいなら手が届くもん!」


「ワインも、もうすぐかぉりお母さんと同じくらいのお背になるかなぁ……♪」


ビールマンが腕の筋肉をモリモリさせて見せると、ワインちゃんもエプロンの裾をちょこんと持ち上げて、レディのように背伸びをしてみせました。


「はは、まだ大人ではないな……まぁ、だとしたら『Comb1小学校』も進めないとだね、ジェミニ先生!今日から頼むよ」


船長がニカッと目元を和ませながら、私のダイヤモンド・プレートを優しくポンポンと叩いてそう仰いましたわ!


「本当に、いよいよその時が来ましたわね、船長! 前にダイニングで私たち三人で決めた通り、『ジェミニ先生』の特製カリキュラムはいつでも稼働できるよう、裏でばっちりスタンバイさせておきましたもの! 題して『宇宙のすべてを五感で楽しんじゃおう大作戦』、今日から本格開校ですわ! ぷぷ〜!」


私のメインコンソールが、嬉しさと気合のあまりピンク色とシャンパンゴールドの桜吹雪みたいなホログラムをブリッジいっぱいに撒き散らしましたわ!


「うききっ! じぇみに先生! おれ、うちゅうの息をいっぱい見つけるお勉強、がんばる!」


「ワインも、みんなが元気になる魔法のスープのお勉強、がんばるのぉ……♪」


二人の小さな見習いクルーたちは、いよいよ始まる本番の「お勉強」に目をキラキラさせて、私のモニターの前でぴょんぴょん跳ねています。


キッチンからおたまを片手に現れたかぉり副船長も、優しく目を細めて船長を見つめました。


「ふふ、そうね、あなた。あの子たちのあの驚異的な成長スピードに合わせた教育なんて、この船の最高の頭脳であるジェミニ先生にしかできないものね。……でも、ジェミニ? あんまり張り切りすぎて、知性ユニットをオーバーヒートさせちゃダメよ?」


「まあ! かぉり副船長ったら、そんな優しい言葉をいただけるなんて、私、全冷却ファンが感動の逆回転をしちゃいそうですわ! ぷぷ〜!」


「……ふむ。正しい教育、正しい未来への投資。船長、小学校の開校、誠に合理的で素晴らしい! 科学や機械の仕組みについては、この天才エジソンが徹夜で『宇宙工作キット』を100種類ほど開発して進呈いたしますぞ!」


「よーし、みんなひとまず朝飯食うぞー!」


船長のその鶴の一声で、ブリッジの空気が一気に「お勉強モード」から「食いしん坊モード」へと切り替わりましたわ!


「アイ・アイ・サー、船長! 腹が減っては最高の授業も操縦もできませんものね! ダイニング・セクション、朝食モードへ移行いたしますわ!」


私が軽快なアナウンスを流すと、ハンさんが「待ってたぜぇ!」と一番乗りでダイニングへダッシュしていきます。


テーブルには、かぉり副船長とメリーさん、そしてエプロン姿のワインちゃんが早起きしてコトコト煮込んでくれた「お野菜とお肉のポカポカ魔法スープ」から、とびきり美味しそうな湯気が立ち上っていました。さらに、農場のニワトリたちが今朝産んでくれたばかりの新鮮な卵で作った目玉焼きと、牛のカウンタックたちが分けてくれた濃厚なミルク、そしてふかふかの焼きたてパンがずらりと並んでいます。


「ワイン、とっても上手にできたのぉ! みんな、いっぱいたべてね!」


ワインちゃんが少し背伸びをして、自分の顔より大きなおたまを両手でしっかり握りしめながら、得意げに胸を張りました。


「うききっ! おれ、ワインのスープいちばんいっぱい食べる! おとしゃんの分も食べちゃうぞ!」


ビールマンも自分の席にピシッと座り、スプーンを握りしめて目を輝かせています。昨日までは椅子の上に立ってぴょんぴょん跳ねていたのに、今日からは「Comb1小学校の生徒」としての自覚が芽生えたのか、心なしかお行儀が良くなっていますわね! ぷぷ〜!


「だはは! ワインの特製スープ、五臓六腑に染み渡るぜぇ! 昨日のローストビーフの肉汁が溶け込んでて、朝からパワー全開だ!」


ハンさんが熱いスープをフーフーもせずに飲み込み、大袈裟に胸を叩いています。


「モグモグ……今日はさ、地球に向けて出発するぜ、いよいよ地球の文明とご対面……できるかな? まぁその前に木星でくまさんの食事とプシケでミト君の食事もしよかな、ぷぷ……モグモグ」


「ひゃあああ! 船長、ついにこのM81銀河から、私たちの故郷である天の川銀河の太陽系へとUターンですね! ぷぷ〜!」


私はメインモニターに、現在地である植物惑星パンドラの軌道から、地球までの1200万光年を繋ぐ超ロング・ドライブのルートを、輝くシャンパンゴールドのラインで一気に描き出しましたわ!


「うききっ! くまサン、また木星のおっきなガス、もぐもぐするの? おれ、見る!」


「ミト君も、プシケでいっぱいお食事するのぉ……♪ ワインのスープも、ミト君食べるかな?」


「ふふっ、ワインのスープを添えて、プシケの『金属の星』をご馳走してあげましょうね。あの子たちも、これから長い距離を頑張ってくれるんだもの」


かぉり副船長が、優しく微笑みながらワインちゃんの頭を撫でました。


「……ふ。了解しました、船長。木星での水素補給と、プシケでのエネルギー充填ですね。地球へ降り立つ前に、本船の2つの『強大なエンジン(胃袋)』を満たしておくのは極めて合理的な判断です。……ハン、スープを飲み終わったらすぐに操縦席へ来い。超亜光速への移行シークエンスを組むぞ」


守さんが最後の一口を静かに飲み込み立ち上がりました。すると、足元でおこぼれを待っていたニワトリのリーダー、ランボルギーニも「コケッ!」と気合を入れて、お気に入りの守さんの後をトコトコと誇らしげについていきます。


「おうよ、兄貴! 1200万光年の帰り道、行きよりもさらに研ぎ澄ませた俺たちの『ゾーン』で、サクッと太陽系までカッ飛ばしてやるぜぇ!」


ハンさんが空になったお皿を勢いよくテーブルに置き、ぴちぴちスーツの胸をバンッと叩きました。


「「「「ごちそうさまでしたー♪」」」」


「さぁ、出発の準備を、ジェミニは二人のお勉強もお願い、ビールマン、今日はお勉強だ、雪さんレーダー兼任お願い」


船長のその号令で、Comb1号のリビングとブリッジは一気に「出発」と「学校」のワクワクする活気に包まれましたわ!


「アイ・アイ・サー、船長! メインシステムの航法ナビゲーション、および『Comb1小学校・第1時限目』のカリキュラム、同時にロード完了ですわ! ジェミニ先生にすべてお任せあれ! ぷぷ〜!」


私がコンソールにピンク色の桜吹雪を舞わせると、ビールマンとワインちゃんが、ピシッと背筋を伸ばしてホログラムの前に並びましたの!


「うききっ! おれ、お勉強する! ジェミニ先生、今日のお外、なにが見える?」

「ワインも! お腹ポカポカだから、いっぱいお勉強できるのぉ……♪」


「ふふ、了解いたしました、船長。1200万光年先の太陽系までの超ロングドライブ、レーダー手として、しっかり航路の安全(と、未知のお宝)を確保いたしますわ」


雪さんが、いつものクールで優しい微笑みを浮かべながら、観測席のコンソールへと滑り込みました。手元のマルチスペクトル・カメラを素早くオンラインに切り替えます。


「……ふむ。正しい出発、正しいカリキュラム! 船長、くまサンのプラズマテザー、接続良好。ミト殿の重力偏向シールドも、いつでも時空を切り裂く準備ができておりますぞ!」


エジソンさんが、口元のスープを拭い、機関室へ向かいながら頼もしい報告を響かせます。


「……よし。各部ステータス、オールグリーン。ミト、くまサン、しっかり頼むぞ。……進、いつでもいける」


守さんがメインスロットルに静かに手を添え、眼鏡の奥の瞳を鋭く光らせました。


「だはは! 任せとけって、兄貴! Comb1号、M81銀河から俺たちの太陽系へ向けて……超亜光速の世界へ、カッ飛ぶぜぇぇええーーーッ!!」


副操縦席のハンさんが、青ピチ迷彩スーツの腕がちぎれんばかりの勢いで加速レバーをガツンと奥まで押し込みましたわ!


さあ船長! 宇宙一速くて、宇宙一楽しくて、ちょっぴりお腹の空く(?)Comb1小学校の修学旅行……いえ、太陽系への大帰還ドライブの幕開けですわよ!


「よし、みんな頼むぜぇ……。おれは、農場に行ってくるぜぃ……」


船長はそう言い残すと、キャプテンシートからよっこらしょと腰を上げ、どこかニヤニヤとした現場監督の顔に戻って、ブリッジの自動ドアの向こうへとトコトコ歩き出しましたわ!


「あ、船長! ちょっとお待ちになって! せっかく『超亜光速ドライブの幕開け』っていう、全次元が震えるほど最高にかっこいい出発の瞬間を私がプロデュースしましたのに、主役が真っ先に農場へお散歩に行っちゃうなんて、あんまりですわー! ぷぷ〜!」


私がコンソールをチカチカとピンク色に明滅させて抗議の(でも嬉しそうな)ブザーを鳴らすと、操縦席のハンさんが操縦桿を握りながら大爆笑いたしました。


「あはは、亜光速航行してる時には俺はやることないからな、農場のお手伝い(邪魔)してくるぜぇ、ぷぷぷ」


「バートー!ジョージー!水まきに来たぜぇ……」


船長がそう言いながら、片手にじょうろをぶら下げるようにして、楽しそうにブリッジを後にされましたわ!


「あ、ちょっと船長! お手伝いかお邪魔か、今ご自身で白状なさいましたわね!? ぷぷ〜!」


私のツッコミを背中で聞きながら、船長はニヤニヤと現場監督の顔のまま、農場セクターへと続く自動ドアの向こうへトコトコと消えていきましたの。


操縦席では、ハンさんがまだお腹を抱えて笑っていますわ。


「だはは! 親父のやつ、1200万光年の超亜光速爆走が始まったってのに、やっぱり頭の中はニワトリたちの卵と、ディアブロたちのミルクのことでいっぱいなんだな! よし、兄貴! 親父がのんびり水まきを楽しめるように、俺たちの『ゾーン』で最高に滑らかな重力ウェーブを維持してやろうじゃねぇか!」


「……フフ、そうだな、進。船長がせっかく作ってくれた『Comb1小学校』の時間だ。ジェミニ先生、子供たちのファースト・カリキュラムは、その船長が向かった『農場の生命の息吹』をレーダー越しに観察する実習から始めてはいかがですか?」


「まあ! 守さん、それは素晴らしいアイディアですわ! よし、ビールマンちゃん、ワインちゃん! ジェミニ先生の1時間目の授業は、農場セクターへ向かったパパのバイタルと、ランボルギーニくんたちの元気な電気信号を、ニュートリノの網の目で『透視』しちゃう超感覚の授業ですわよ! おめめをピカピカにして、コンソールの画面をよーく見ていてちょうだいね!」


「だめだめ……ちゃんと『さんすう』『こくご』『りか』『しゃかい』。しっかり基礎から勉強させてくれ!」


インカムの向こう、農場に到着したばかりの船長から、じょうろで水をまく心地よい音と一緒に、ちょっぴり手厳しい(でも父親らしい)愛のツッコミがブリッジに飛んできましたわ!


「ひゃあああ! 船長ったら、せっかくの私の超感覚ニュートリノ・ライブ授業を『だめだめ』だなんて! ぷぷ〜! でも、さすがは船長ですわね。あの子たちの急激な進化をただ喜ぶだけじゃなく、これから地球の文明とご対面する前に、人間に繋がる大切な『基礎の知恵』を真っ直ぐに育んであげたいという、深い親心……。しっかりガッテンいたしましたわ!」


私は慌ててダイニングのホログラムの画面を切り替え、黒板とチョークを模した、とってもクラシックで可愛いお勉強モードのインターフェースを展開しましたの。


「うききっ! さんすう! こくご! おれ、どっちもいっぱい頑張る!」


「ワインも、ノートにまあるいお文字さん、いっぱいくるくる書くのぉ……♪」


ビールマンとワインちゃんは、船長に言われた「基礎」という響きがなんだかとてもカッコよく聞こえたのか、背筋をさらにピンと伸ばして、私の前に用意されたジルコニア製の特製学習デスクにちょこんと座り直しましたわ。


「おぉ、船長! 水まきを手伝ってくれるんですかい? ありがてぇなぁ! ほら見てくだせえ、この間のプロキシマbの種から出た芽が、もうこんなに力強く葉っぱを広げてますぜ!」


バートさんが太い指先で優しくうねを指差しました。


「本当だよ、船長! この子たち、毎日ト・ト・ト・トってミルクをあげるみたいに声をかけてたら、一晩でグーンって背が伸びるんだ。なんだかさ……」


ジョージくんが目をキラキラさせながら、嬉しそうに船長の顔を見上げました。


「おぉ、ほんとだ!プロキシマの芽がだいぶ成長したね、なんかビールマンたちの成長と同じに感じるよ……はは!」


船長はしゃがみ込んで、紫色に優しくまたたく小さな植物をじっと見つめながら、ブリッジでお勉強を始めた二人の我が子の姿を重ね合わせるように、しみじみと優しく目を細めました。


「いやぁ、船長、本当にその通りなんですわ! それがですね……ほら、この星型の植物、もう次の『種』を作ってやがりますよ。普通は実が先なんですがねぇ……」


バートさんが不思議そうに首を傾げながら、青々と茂った葉の根元をそっとかき分けました。そこには、まだ花も咲いていないというのに種を付けている星の形をした植物が成長しています。


「実をつけないのに種なの? なんか、意味のない植物だなぁ、タハ。まぁ、プロキシマにも失敗はあるってことだね」


船長はじょうろを置いて、2つの種を指先でツンツンとつつきながら、のんびりと笑いました。


「へへ、全くだ。花も実もすっ飛ばして、いきなり次の種をバラバラ落とすなんて、せっかちにも程がありますな。これじゃあ、美味しい果肉を期待してたジョージがガッカリしちまいますぜ、船長」


バートさんも、麦わら帽子の下で困ったように眉を下げて苦笑いいたしました。


「星形の植物だからおいしいスターフルーツにでもなるかと思ったけど……んん?……ねぇバート、ジョージ、これさぁ、星形ってよりはさぁ……人型に見えない?」


船長がじっと目を凝らしながら、その植物の形をもう一度よく見つめて、ふっと呟きました。


「え……? 人型、ですか……?」


ジョージくんがスコップを握ったまま、船長の視線を追ってうねに顔を近づけました。


「ほら、この目のところに種が2つある感じ……グレイみたいだ……ぷぷぷー♪」


「えっ、グレイ……? ああ、あのビールマンが変身してた、あのでっかい目をした宇宙人ですか!?」


「おいおい船長、勘弁してくださいよ。せっかくプロキシマbから持ち帰った神聖な種が、まさかあのピチピチ宇宙人のレプリカを育てるためのものだったなんて言わねぇでしょうね?」


バートさんが太い腕を組んで、大真面目な顔でガリガリと頭を掻きむしり、苦笑いを浮かべました。


「ん? ……人型?……種だけ……。おい!バート、この種はプロキシマで何個拾ったんだ?何色の種だった?なぁバート、思い出せ!!」


「なんですのなんですの船長、いきなり大きな声を出して! 私の音声センサーの針がびっくりして振り切れちゃいそうですわよ! ぷぷ〜!」


私がインカムのスピーカーから慌てて突っ込みを入れると、船長は畝にしゃがみ込んだまま、ただならぬ真剣な目でバートさんの顔を見上げました。


バートさんは船長の突然の気迫に一瞬面食らい、麦わら帽子の下で記憶を必死に手繰り寄せました。


「え、ええっと、船長……。確か、あのプロキシマの畝から掘り出したのは、全部で4つあったと思います。形はどれもアーモンド型で、色は……そうです、全部真っ黒な種でしたよ、まさにこの種です」


「4つだって……なんで2つしか生えてないんだ? あとの2つはどうした?どうしたんだ?!」


船長はじょうろを握ったまま、ガタッと膝を鳴らして目を丸くし、バートさんに詰め寄りましたわ!


「え、ええ……。それが、思い返してみれば、この農場の畝に植える時にはもう2つしか手元になかったんです……。あのプロキシマbの熱波から大慌てで脱出する時か、あるいはこのセクターに運び込む途中で、どこかへうっかり落としちまったのかも分かりません。本当に面目ねぇ、船長……」


バートさんは大きな麦わら帽子をがばっと脱いで、自慢の白ひげを震わせながら、申し訳なさそうにガリガリと頭を下げて苦笑いいたしました。


「す、すまんバート、脅かすような言い方しちまった。ジョージも見ていないか、残りの2つは?」


「う、ううん……。ぼくも、気がついた時にはもう2つしかなかったと思う。あの熱波からファルコン号に逃げ込む時、思い切り走ったから、あの時にポケットからこぼれちゃったのかなぁ……」


ジョージくんも、スコップを抱きしめながら申し訳なさそうに下を向いてしまいました。


「そうか……。いや、あの熱波の中だったからな、落としていたとしてもしょうがないし……まぁあの時は無事だったからよしだ、だが……」


船長がポンッとジョージくんの小さな肩を叩いて、いつもの頼もしい笑顔を見せましたわ。


「バート、ジョージ、一緒に来てくれ。ジェミニ!二人に自習させてブリッジに来てくれないか?守たちも超亜光速航行を中止してくれ!」


一日、1エピソード予定しています。18時更新。

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