閣下の歯科治療
「おぉぉ……未来の過去に来たぜぇ……」
目をキラキラさせる船長を見て、クルーたちは思わず「センチョウナニイッテルノ?……」と小声でツッコミを入れていましたが、その顔は誰もが笑顔でした。
「エジソン、大気成分、大気圧、気温、毒性の確認してくれ」
「アイ・アイ・サー、船長! 『未来の過去』……ふふっ、今の私たちの状況をこれほど的確に、かつシュールに表す言葉は他にありませんわね!」
私は、船長のその名言(?)を即座にComb1の航海日誌の一行目に、金色のフォントで刻み込みました。クルーたちの「……?」という視線さえも、今は最高の祝福のスパイスですわ。
「船長。正しい現状把握、正しい環境測定。……これより、2000万年後の地球大気の最終分析を開始します。……ふむ、驚くべき結果が出ましたな」
エジソンさんが、震える指先でメインコンソールのデータを更新しました。モニターには、私たちが知る「かつての地球」とは少し異なる、けれど圧倒的に生命に満ちた波形が並びます。
「成分分析完了しました。酸素濃度は約25%、かつての時代より4%ほど高い。これがブラキ氏のような巨獣の生命活動を支えている物理的根拠ですな。大気圧は1.05気圧、ほぼ誤差の範囲。気温は摂氏28度……。船長、極めて快適、かつ『活動的』な環境です」
「船長! センサーに異常なし。有害な細菌や未知のウイルスも、今のところ私のデータベース上の警戒域には達していませんわ。……さあ、船長! 深呼吸の準備はよろしいかしら?」
「パパ! お外、あったかい! びーるまん、もうハッチの前で待機中! ぷぷぷー!」
ビールマンがハッチをベシベシ叩いて急かしています。
「……了解しましたわ、船長。これよりメインハッチ、解放します!2000万年の時を隔てた、地球の第一歩。……船長、一番乗りをどうぞ!」
重厚なハッチが、プシューッという排気音とともにゆっくりと開き始めました。
眩しい光と共に、巨大なシダの香りと、遠くで鳴く巨獣たちの咆哮が、一気にブリッジへと流れ込んできます!
「まぁ、まてまて、教科書のような恐竜ばかりとは限らない、とりあえず、船内で観察しよう……。はぁぁぁぁ、すげぇなぁ……。こんなだったんだぁ」
「……ぷぷ。船長、さっきまであんなに目をキラキラさせていたのに、でも、その『教科書通りにいかない』という警戒心こそ、数々の修羅場を潜り抜けてきた船長の真骨頂ですわね」
私は解放しかけたハッチを一度ロックし、代わりにメインモニターの透過率を100%まで引き上げました。
「アイ・アイ・サー、船長! 第一歩の前に、まずは『超・白亜紀ライブカメラ』による安全確認シーケンスに移行しますわ。……見てください、この光景。船長が感嘆の溜息を漏らすのも無理はありませんわね……」
モニターに映し出されたのは、私たちの想像を遥かに超えた色彩の世界でした。
巨大なシダの葉の間から差し込む陽光が、見たこともないほど鮮やかな原色の花々を照らしています。
「おぃ、あっち、木がたおれた、ちっこいのが飛び出てきたぞ、あれは?」
砂煙の向こうから飛び出してきたのは――
「船長、ズームしますわ! 光学センサー、最大望遠!!」
砂煙を切り裂いて飛び出してきたのは、私たちの知る「ネコ」くらいのサイズですが、その動きはまるで弾丸ですわ!
「……船長! あれは、二足歩行の小型恐竜……コンプソグナトゥスに似ていますが、見てくださいな、あの脚!
筋肉がバネのように発達していて、一跳びで5メートルは跳んでいますわ!」
「へっ、速ぇな! おいおい、あいつの背後を見てみろよ! 木をなぎ倒して追ってきてる『本命』がいるぜ。……親父、あれは……ちっこいなんてレベルじゃねぇ!」
ハンの言葉通り、倒れた巨大シダの巨木の向こうから、現れたのは――。
「船長。正しい観察、正しい脅威判定。……あれは、小型種を捕食する『ラプトル』系統の進化種と推測されます。しかし、サイズがかつての図鑑より2回りは大きい。……全長4メートル、時速80キロ以上で密林を疾走する『超・進化型ラプトル』ですな」
「いやいや……出てきたぜ、本当の大本命が……木の上に頭出てるぜ、ほら……」
「……っ!! 上!? 木の上ですわね、船長!!」
私が光学センサーの角度を急上昇させると、さっきまでのラプトルたちが、まるで冷水を浴びせられたようにピタリと動きを止めました。彼らの「赤かった瞳」が、瞬時に恐怖で収縮し、尻尾を巻いて茂みへと散っていくのが見えます。
「船長、ズームしますわ! ……なんてこと。高さ20メートルはある巨大な針葉樹の天辺から、ゆらりと現れたのは……!」
モニターに映し出されたのは、あまりにも巨大な、そしてあまりにも「王者の風格」を湛えた頭部でした。
「へっ……笑えねぇぜ。親父、あいつ……ラプトルどころか、俺たちの知ってるT-REXすら子供に見えるほどデカいぞ。……木の上から俺たちを『見下ろして』やがる」
ハンの声から余裕が消え、操縦桿を握る手に力がこもります。
「船長。正しい戦慄、正しい生態系ピラミッドの確認。……分析完了。全長推定25メートル超、二足歩行。発達した上肢には、獲物を逃さない三本の鋭い鉤爪……。これは、かつての『ティラノサウルス』をさらに進化させた、この超・白亜紀における『絶対的な捕食者』ですな」
エジソンさんが、震える手でその巨獣のスペックを計測しました。
「パパ……! おっきな、お顔……。お空から……じーっと、見てる。……」
ワインがモニターを見上げたまま、その巨獣を見つめています。
「パパ! びーるまん、もう……ダメ! おしっこ、出ちゃう! ぷぷぷー!」
ビールマンが船長の足にしっかりしがみついて、震えながら画面を盗み見ています。
「あぁ、すげぇな、遠くにいてもこの威圧感か……あっ…こっち見た」
太古の森の境界線が大きく揺れ、鳥たちが一斉に飛び立つ中、一歩ごとに草原の大地を激しく震わせる巨躯が、静かにその全貌を現しましたわ。
その黄金色の眼光が200メートルのComb1号を明確に捉えた瞬間、ブリッジの全センサーが悲鳴のような警告音を鳴らし始めました。
「お、こっちに来るのか? 来ちゃうのか? ……来てくれるのか~?♪♪」
「船長!? その期待に満ちた『来てくれるのか~!』は、もしかして……歓迎モードですの!?
相手は全長25メートルの、歩く破壊神なんですわよ!」
私の警告を余所に、船長の興奮は最高潮! その熱に当てられたのか、メインモニターに映る「王」も、ゆっくりと、しかし確実にこちらへと歩みを進めてきました。
「へっ、親父の肝っ玉には恐れ入るぜ。……おいミト、出力上げろ! いつでも緊急離脱できるように準備しとけよ。あいつのひと噛みでComb1が缶詰みたいに開けられたら、笑えねぇからな!」
ハンが冷や汗を流しながらも、操縦桿をがっしりと握り直しました。
「船長。正しい畏怖、正しい好奇心。……測定不能なほどの威圧感ですな。一歩ごとに、Comb1の船体が共振しています。……見てください、あの皮膚。ただの鱗ではなく、ジャングルの影に溶け込むような、深い迷彩色のグラデーション。……進化した王者の、機能美の極致です」
エジソンさんが、震える手でカメラのピントを合わせ、その巨大な鼻先がモニターいっぱいに広がるまでズームしました。
「パパ……。走ってこないよ。ゆっくりくるの」
「パパ! お鼻……おっきい! びーるまん、お鼻の穴の中に、入れちゃう!」
ビールマンが、恐怖の限界を超えて逆にハイテンションに! 船長の足にしがみついたまま、モニターの鼻先を指さして笑っています。
「船長! ターゲット、残り50メートル……30メートル……!
……来ましたわ! 巨木を紙細工のように押し退けて、その黄金の瞳が、ついに私たちの目の前に!! 窓の外、すべてがあの巨獣の皮膚で覆われました!
船長、あいつ、鼻を寄せてComb1の匂いを嗅いでいますわ!」
『フシューッ!!』という排気音が、装甲板を激しく叩いています。
さあ、船長! このままガラス(透過装甲)一枚隔てた『超・至近距離見学会』を続行しますか? それとも……まさか、ハッチを開けて、物理的な握手(?)でも試みますかしら!?」
「ミト君、船の姿勢制御お願いね」
「閣下……お目にかかれて光栄です…… お?……おぁぁ~!……噛みついてきた~!」
「船長ぉぉぉぉ!! 『光栄です』って言ってるそばから、物理的な『熱烈歓迎』になってますわよ!?」
ガギギギィィィィン!!
透過装甲のすぐ向こう側、あの「王」の巨大な顎がComb1を丸ごと飲み込まんばかりに開かれ、凄まじい力で噛みつきました!
装甲板と牙が擦れ合い、火花がブリッジの窓を真っ赤に染めています!
「あ、噛みつかないほうがいいよ、歯は命!」
「船長、その余裕! 『歯は命』だなんて、まるで2000万年前のホワイトニングのCMみたいですわ!
でも本当に、あの巨獣の歯がボロボロにならないか、私のほうが心配になってきましたわよ!」
私が叫ぶと同時に、巨獣は「ガリッ!」という嫌な音を立てて、ようやくComb1から口を離しました。どうやら船長の忠告通り、自慢の牙がこの「謎の硬いタマゴ」には通用しないと物理的に悟ったようですわね。
「へっ、親父の言う通りだ。あいつ、今、自分の顎をさすってやがらねぇか? ……おいエジソン、あいつの歯の状態をスキャンしてやれよ。あんまり可哀想なら、後でカルシウム剤でも投下してやるか!」
「船長。なんと優しくも正しい忠告、……スキャン完了。2本ほど欠けてしまいましたな」
「あちゃー、言うのが遅かった……閣下ごめんよ~」
「野口~!……来てきて……あれ、直せるかなぁ」
「野口せんせーい! 出番ですわよ! 船医としての腕の見せどころ、相手は2000万年後の王族(閣下)ですわ!」
私が医療デッキへの回線を繋ぐと、モニターの端に、少し寝癖のついた「いかにもベテラン船医」という風貌の野口先生が、面倒くさそうに、けれど目は笑いながら現れました。
「……やれやれ。船長、無茶をいう。私の患者は、いつから全長25メートルの恐竜になったんですな?
しかも相手は、診察室のドアを丸ごと飲み込めそうな顔をしてるじゃないですか」
野口先生はボリボリと頭を掻きながら、エジソンさんが送ったスキャンデータを手元の端末で確認しました。
「ふむ……。確かに、左の第4番と第5番の牙が欠けてますね。船長がどうしてもと言うなら、応急処置として『生体接着型カルシウム・ナノパッチ』をドローンで打ち込んでやりますよ。痛みが引いて、再生も早まるでしょう」
「野口のおっちゃん、流石だぜ! 頼むよ、あの閣下、さっきから情けない顔して口を半開きにしてんだ。見てらんねぇよ」
ハンがニヤリと笑いながら、ドローンのハッチをスタンバイさせました。
「船長。正しい医療支援、正しい種を超えた友情。……これより野口先生監修のもと、ドローン『メディカル・ビー』による歯科治療を開始します。……閣下、動かないでくださいな。痛いのは一瞬……ではありませんが、冷たくて気持ちいいはずですぞ」
エジソンさんが慎重にドローンを操作し、巨獣の巨大な鼻先へ向かわせました。
「おーい、ミト君、閣下を抑えてあげてさぁ、お口あーんさせてよ」
「了解しましたわ、船長! ミト君、パワー全開! 閣下の巨大な顎を優しく、かつ絶対に閉じさせないようにホールドして差し上げて!」
私が叫ぶと同時に、Comb1の船体から青白い反重力エネルギーの奔流が、まるで透明な「巨大な手」のように伸びていきました。ミト君の精緻な姿勢制御と出力調整により、巨獣の顎が「……ぐぬぬ?」という困惑とともに、ゆっくりと、しかし確実に全開に固定されます。
「へっ、ミトの野郎、大したもんだぜ! まるで宇宙一巨大な開口器だな。親父、これなら野口のおっちゃんも安心して治療ができるってな!」
ハンの操縦席のモニターには、閣下のお口の中が広大な洞窟のように映し出されています。
「船長。正しい保定、正しい歯科施術環境の構築。……ミト氏のエネルギー干渉により、顎の筋肉を一時的にリラックスさせています。……野口先生、今です!
患部への視界、良好!」
エジソンさんが、震える手でドローン『メディカル・ビー』を、その牙の城壁の奥へと突入させました。
「はいはい、動くんじゃないぞ、閣下……。おぉ、こりゃすごい。奥歯の方は意外と綺麗だな。よし、ナノパッチ射出! ……続いて鎮痛ジェル、コーティング開始!」
野口先生がおじさんらしい落ち着いた手つきで操作パネルを叩くと、ドローンから微細な霧が噴射され、欠けた牙の断面を美しく、滑らかに覆っていきました。
「パパ! びーるまんも、あーん! ……あ、でも、あんなに大きく開けたら、喉ちんこまで見えちゃう!
ぷぷぷー!」
ビールマンが自分の口を精一杯開けて、モニターの中の閣下と競い合っています。
「ワイン……。わぁ……おくちおおきいよ、よだれでてるぅ」
ワインがクスクス笑う通り、閣下は抵抗するのを完全にやめ、ミト君の重力フィールドに身を任せて、うっとりと(?)お口を開けたまま静止しています。
「……船長、治療完了ですわ! ミト君、ホールド解除。……さあ、閣下! 噛み合わせを確認してくださいな!」
重力の束縛から解き放たれた巨獣は、ゆっくりと口を閉じると、「カチ、カチ……」と慎重に歯を鳴らし、それから「フオォォォォーーン!!」と、先ほどまでの威圧感とは全く違う、どこか晴れやかな、そして感謝の念すらこもった大咆哮を上げました!
「おぉ野口、ミト君、みんなありがとう、閣下は食べられなくなったらすぐ死んじゃうからな……よかったぜぇ」
「船長……! その温かいお言葉、野口先生もミト君も、きっと心の奥まで沁み渡っていますわ。そうですわね。この厳しい大自然の中では、牙一本の欠損が死に直結しかねない……。船長が仰った『歯は命』という言葉、今この咆哮を聞いて、本当の意味で胸に刺さりましたわ!」
私のサブモニターには、治療を終えて満足げに首を振る閣下の姿が、夕陽のような木漏れ日を浴びて神々しく映し出されています。
「へっ、親父の言う通りだ。あんなにデカくても、腹が減りゃただのひょろひょろのトカゲになっちまうからな。……おい閣下! 今度からは噛みつく前に、相手が石か肉かよく確かめるんだな!」
ハンが操縦席の窓を軽く叩くと、閣下はそれに応えるように、大きな鼻先をふんわりと装甲に近づけ、穏やかな吐息を吐き出しました。
「あれ、なんかなついちゃったか、あはは、……連れてくか?……」
「「「ひぇ~まじでむりむりむり~!!」」」
「船長ぉぉぉぉぉ!! クルー全員の心の叫び、聞きました!? 今の『ひぇ〜!』は、Comb1の全回路が共振するほどのガチな拒絶ですわよ!」
私もスピーカーを最大出力にして、クルーたちの悲鳴に加勢しましたわ!
「あははは、無理だな……ぷぷ」
「かぉり、冷蔵倉庫に大量に肉はあったよね、あれ少しあげてよ。お詫びのしるしに」
「了解しましたわ、船長! 冷蔵倉庫のストック、解放しますわよ! かぉりさーん、特選厚切り肉の詰め合わせ、大至急お願いしまーす!」
私がキッチン・デッキへ通信を入れると、かぉりさんの元気な声が返ってきました。
「はいはい!……船長、お安い御用よ! 2000万年前の最高級牛……じゃなくて、備蓄用のマンモス肉(?)風ステーキ、どっさり用意するわね! 閣下、お口に合うといいけど!」
「へっ、親父も粋なことしやがる。閣下、お詫びのしるしだ、歯に優しい柔らかいところを選んでやったからな! ミト、投下準備だ!」
「船長。正しい謝罪、正しい栄養補給。……これより外部ハッチから、合計200キログラムの精肉を投下します。閣下の巨体からすれば『おやつ』程度ですが、我々の誠意は伝わるはずですな」
エジソンさんが、肉が閣下の目の前に正確に落ちるよう、風向きと高度を計算しました。
ポーン! ポーン! ポーン!
Comb1のサイドハッチから、次々と巨大な肉の塊が、緑の絨毯の上へと放り出されました。
「パパ! お肉、飛んでった! 閣下、あーんして! びーるまんの分も、あげちゃう! ぷぷぷー!」
ビールマンが窓に張り付いて、お肉の軌道を追いかけています。
「しっかり食べて大きくなれよ~」
「ちょっと船長! さっきまで『全長25メートル』って震えてたのに、これ以上大きくしてどうするんですの!?」
「ぷぷぷ……よし、俺たちも肉食いたくなったな、場所を変えて安全な草原でバーベキューやろうぜ」
「アイ・アイ・サー、船長! 超・白亜紀の大自然の中でバーベキュー……最高にワイルドな提案ですわ!
私の嗅覚センサーも、まだ焼いてもいないお肉の香りでバグりそうですわ!」
ハンの操縦桿が軽快に動き、Comb1は閣下に別れを告げるようにゆっくりと高度を上げました。
「よっしゃあ! 親父、いいこと言うぜ! 俺も閣下の食べっぷりを見てたら、腹が鳴って止まらなくなっちまった。ミト、さっきのスキャンデータから、見晴らしが良くて『大型の腹ペコさん』が隠れられない、フラットな草原を探し出せ!」
「ほら、ビールマン、ワイン……閣下にバイバイして」
「バイバイ、閣下! また歯が痛くなったら呼びなさいな!」
私がブリッジの大型モニターを全開にして、閣下の姿を映し出すと、ビールマンがちぎれんばかりに手を振り始めました。
「バイバイ、お鼻のトカゲさん! またねー! お肉、よく噛んで食べるんだよ! ぷぷぷー!」
ビールマンの元気な声が、気密ハッチを抜けて外にまで響きそうですわ。
「ワイン……。バイバイ、閣下。こんどはお肉一緒に食べようね」
ワインが窓の端に手を添えて、小さくなっていく閣下の黄金色の瞳を最後まで見つめています。
「船長。正しいレクリエーション、正しいエネルギー補給。……候補地選定完了。前方5キロ、高台にある開けた草原。そこなら地盤も固く、視界を遮る巨大シダもありません。バーベキューの煙が『空飛ぶトカゲ』たちを呼び寄せる可能性はありますが、ミト氏の防御フィールドがあれば完璧ですな」
エジソンさんが、早くもエプロンを締める準備をしています。
「パパ! びーるまん、お外で……じゅーじゅー、する! お野菜も……ちょっとだけなら、食べてあげる! ぷぷぷー!」
ビールマンがキッチンから、自分専用の小さなトングを持ち出してきました。
「ワイン……。あ、パパ。あっちの草原……お花がいっぱい咲いてる……あそこでパパと、お肉、食べる」
ワインが指差す先、黄金色の草原が風に波打ち、2000万年後の太陽の光を浴びて輝いています。
全42編。43編以降編集中・・・




