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紅翡翠  作者: 量産型ザコ
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逆襲への決断

この話で書かれて居る内容は、概ね事実です。興味が有れば、調べてみてください。

 作戦会議が始まった。まだ俺たちは知らない事が多すぎる。そんな時にリアル傾国などやって良いのだろうか? そこが先ず今回の重要な議題になるだろう。

 先ず、ここで殺し合いをして、それが本当の死に繋がるのか? それともアバターのみが死んで、魂は向こうの世界に帰るのか? そこが解らなければ、リアル傾国何てとてもでは無いが出来ない。それは俺達だけの問題では無い。他同盟でも、問題にしていると考えられる。


 当然だが、盟主である林檎が会議開催の挨拶をした。


「同盟員の皆さん、私が林檎姫です。こんな子供だとさぞかし驚かれてるでしょう。でも、この同盟と同盟員の皆さんの事を、大切に思って居る気持ちは、誰にも負けないと自負しています。そして、この様な世界に来てしまい、その気持ちは一層強くなりました。

 私はここからの進行役を、軍師のアフロさんにお任せしようと思います、意義のある方はいらっしゃいますか? お有りの方は、挙手後、名乗りを上げて、発言をお願いします。まだ皆さん全員の名前と顔が一致しておりませんので、よろしくお願いします」


 誰も手を上げなかった、ここでアフロ主導の会議が行われる事が決定した。


「ではこれから議題に移ります。先ず今回の議題ですが、1 現状把握 2今後の方針 3レベル上げ、とりあえず今日はこの3つに絞って会議を行おうと思います。そして明日の洛陽行きについてですが、出席者は、盟主は必ずと言う事だったので、盟主と俺でいこうと考えています。ただし、その道中の事を考えて、シャオリンと青熊さんに同行を頼もうと考えています。シャオリンは護衛、青熊さんは万が一の時の通信手段と考えてください」


 成る程、俺は護衛として居るが、いらない心配をしない様にと言うあいつなりの配慮なのだろう。


「では先ず現状把握についての議論に入ります」



 先ずアフロの考え、つまり仮説をアフロは皆に話した。そしてほぼこの仮説があって居るだろうと言うアフロなりの解説も加えていた。アフロの仮説はこうだ。

 

 今のこの現状だが、恐らくこの世界はシュミレーションワールド、つまり人工的に造られた世界だと言う事。そして俺達はその世界に今入り込んでしまったと言う事。


 さて、当然だがこれはアニメか何かの世界での話だろうと皆流石にこの仮説を信じなかった。皆の想像は、完全に別世界にアニメの様に転移してしまったのだろう、そう言う解釈だった。

 だが実際に別世界などと言う物が存在するのか? では何故俺達を送り込んだ者は自由に俺達に干渉して来れるのか? アフロの問いに答えられる者は誰も居なかった。


「ではこの仮説が正しいだろうと言う事を詳しく説明します。皆さんの疑問の一つに恐らくこれが有るでしょう。こんな世界を本当に造れるのか? これですが、実は可能です。勿論理論的にも説明可能です。

 これにはかなり難しい物理学の話をしなければなりませんが、非常に難しいので、ごく簡単に説明します。そう言う物だと理解してください。詳しく聞きたければ、後程個別に説明します。

 先ず、物質と言うのは、細かくミクロの世界まで砕くと、原子、更に素粒子にまで分解出来ることは、皆さんご存知かと思います。物質はこれら素粒子が固まって、一つの物質と言う物に固まって出来ています。これは皆さんの身体も例外では有りません。ここまでは良いですね?」


 皆が一応に頷く。俺もそのくらいは知っていた。


「ではここからが本題です、ではその素粒子を何かが固めなければ、物質は固まらない、そうですね? 何かの力が加わらなければ、素粒子は物として固まらないんです。ではその固まるプロセスとはどうなって居るのか? 実は非常に簡単な事だったんです。人間の認識、これが素粒子を物質として固めていたんです」


「認識? 人間が認識して物質が造られると言う事ですか?」


「そうです、それを物理学では既に証明しています。その有名な実験と言うのが、二重スリット実験と言われる物です。その実験は、1961年に既に行われています。良いですか? 1961年です、この中で1961年に生まれていた人はどのくらい居ますか? ほとんど居ません。ですが現実問題として、この実験によって、人間の認識が物質を固めると言う事実がわかっていたんです。

 では何故それをほとんどの人が知らないのか? 簡単です、それを隠しておきたい者がいたから、我々の殆どがその事実を知らないんです。

 ではこの世界はどう造られて居るのか? わかる人は居ますか?」


「ガッキーです、二重スリット実験のことは、朧げだが私も聞いた事はある。そして今の説明から察すると、この世界は私達によって構成された、そうですね?」


「流石ですね、その通りです」


「私達がこの世界を!? 意味がわからないわ?」


「はるんさん、はるんさんはゲーム中、つまり傾国中にこの世界に飛ばされた、ここは有って居ますね?」


「はい、そうです、皆んなそうなんじゃないんですか?」


 全員が頷く、勿論俺たちもそうだ。


「先程も言いましたが、人間の体も素粒子が固まって出来て居るんです。そして人間が認識する事により、肉体は構成されている、これは純然たる事実です。では体がただの素粒子の塊だとするなら、私達の本体とは一体何なのか? 人はそれを魂と呼ぶ、学術的に言えば、エーテル体と呼ばれる物、これが私達の本体です」


「魂! ………じゃあそれが一体どうやって?」


「ここからが俺の仮説になります。先ず一つの世界を造るのは、一人の人間では有りません。多くの人間が皆同じ物を認識して、初めて世界は広がりを見せる、これを宇宙と呼びます。これは俺の仮説ではなく、れっきとした一つの理論です。仮説はここからです、何かのきっかけで、一瞬でも意識を失い、そして目覚めた時に、目の前に大きな中国の城が見えた場合、放逐少女の傾国をやって居た皆さんは何を思いますか?」


「あ!? もしかして?」


「確かに、放逐少女の世界に入り込んでしまったと考えるだろう」


「ガッキーさんの言う通り、俺もすっかり騙されてしまいました。そして立体映像を見せる技術は皆知らないでしょうが、実際に特許すら取られています。つまり、俺達は皆一瞬意識を失い、そこで目が覚めた時に金屋根やら青屋根、赤屋根を見せられた。そして傾国をやって居た俺達は、そこで放逐少女の世界に入り込んでしまった、そう考えこの世界を作り出してしまったんです。

 ではこの持った能力は何か? 簡単です、紅翡翠は誰もが知って居る、SSRキャラを登用する為のアイテム、そして誰も皆、放逐少女をやって居て、お気に入りのキャラが有り、それをアイコンにしたり、ホーム画面にしたりしているでしょう。運営ならそれを確認するくらい簡単です。

 そこで、先程も言いましたが、立体映像を見せる技術は有ります。お気に入りのキャラの衣装や武器をもし自分が持っていたり身につけていたらどう思いますか?」


「その世界に居ると認識すれば、そのキャラの能力を自分が持ったと思いこんでしまうでしょうね」


「そうです、つまり、直ぐに身について居なかったシャオリンとすみれさんは、運営がお気に入りのキャラがわからなかったので、未実装のキャラにしてしまうと言う方法に変えたんでしょう。

 すみれさんの場合は簡単だった。はるんさんを救出したい、そうすみれさんは強く思って居た。そこにシャオリンから俺達が紅翡翠を持って居て、それで能力を得た事を教えられた。そこですみれさんはこう思った筈です、力が欲しい、そこでおうやしの立体映像を見せられれば」


「そうですね、おうやしの能力を得たと思うでしょう」


「そうです、そしてシャオリンもそう、未実装のキャラの能力が得られるとシャオリンは思い込んで居た、そこで奴らに解放するからと言われれば」


「そうだな、その力を得たと思い込むだろう」


「つまり皆まんまと騙された訳ね」


「あくまでも仮説ですが、この仮説ならば、この現象の全てに説明が付く」


「つまりザコさんは、実は月英ファンだった……..」


「うむ、確かに何度か変えたし別鯖ではアイコンが月英である!!」


 ここでザコの猫耳萌えがバレた。



 プロジェクトブルービーム、これは実際にアメリカで行われた計画で有る。ペンタゴンは、デクラス 「機密解除の意味」により、この実験が実際に行われた事が公になって居る。英語がわかる物ならば、誰でもそのページにアクセス出来る。これは立体映像を映す技術であり、中国ではこの実験で、既に天空に浮かぶ島などが目撃されて、Twitterにもリアルラピュタなどと映像が残されて居るが、これはブルービームの立体映像だ。


 


 そこで俺はとある実験をやってみようと試みた、いや、信じるんだ、アフロは間違って居ない、そう、あんな奴等より、アフロの方が優れているんだ。俺は強くそれを信じる、そう強く、熱く思い込んだ。そして……….



「母さん!! 静香!!」


「え!? な、何?」


「シャオリン!?」


「は、ははははは、やったぜ! ざまあみやがれ! 糞野郎!」


「な、何? 何なの?」


「ふふ、あははは! やったな! シャオリン!」


「…….そうか! そう言う事か! リリィさん、林檎さん、シャオリンさんは今、奴等の洗脳に打ち勝ったんですよ! 今リリィさんの事を母と、林檎さんの本当の名前を言えたんです」


「…….ガッキーさん…..シャオリン……」


「アフロ、お前の仮説は間違ってねえ、今のが何よりの証拠だ!」


「ああ、流石だぜシャオリン、だがその思いはまだ閉まっておけ!」


「え? 何で?」


「皆も聞いてください、今シャオリンが俺の仮説が正しい事を証明して見せた。俺達が互いのリアルネームを口に出せないのも、そのゲームに入り込んだからと言う自らに枷をかけた結果です。だがその枷をシャオリンは見事に外した。だから俺の仮説はこの時点で仮説ではなく、真実となった」


「成る程、確かにそうだ!」


「ああ、間違い無い!」


「ならばです、この洗脳を逆手に取ってやれば良い」


「どう言う事?」


「簡単ですよ、これもシャオリンが見事にやって退けた、コンビニでシャオリンは願い返しをやったんです」


「あ! あれって、そうだったのか!」


「そう、このゲームなら願い返しがあるだろう、そしてコンビニならAppleカードがある筈だ、これらを総合して、お前は見事にそのシステムを作り上げたんだ」


「結構無茶振りやってたんだね? シャオリン」


「運営の奴等、どうせ見てるんだろうから、じたんだふんでるぜ!」


「そこでです、当たり前の事を強く皆で思い込むんです、このゲームなら、当たり前の事、レベルアップに必須なのは?」


「クククク、逆手に取る、そう言う事ですか、ならそうですね、経験値2.5倍デーなどどうでしょう?」


「そう言えば、VIPレベルに課金しなきゃ! 最高値までね、でも円が無いのよね? なら元宝で行けるんじゃ無い?」


「そうそう! この世界全て売り買い元宝だもの、毎日願い返し出来るのよね?」


「じゃあ俺も! 調教で覚醒丹たんまり貰えたよね?」


「副将くらいあるんじゃない? 可愛いキャラじゃなくても、ホラ、兵隊さん居たし、あれ多分副将交換券で買えるのよ」


「宝石付けなきゃ! 宝石券て雑貨屋であったよね?」」


 皆まんまと逆手に取ったレベルアップ方法を模索し出した。そして俺はアフロの意図に何となく気がついて居た。一通り会議が終わった後、俺はアフロの意図を確認した。


「なあアフロ、お前もしかして…..同盟戦に勝って」


「まあな、同盟戦は出来れば阻止したい、だけど恐らく避けられないだろう。俺達だけではなく、他の同盟の奴等も聞いてるからな。なら真実に気付き始めた俺達が勝たなければ、この状況をひっくり返す事は出来ない。勝った者だけ現実世界に帰れる、俺達は全員それを共通認識として持ってしまった」


「つまり同盟戦に勝ち、現実世界で運営とそのバックをぶっ潰す? お前だから、身体の事に態と嘘を…..」


「もしもだ、この能力を現実世界に持ち込めるとしたら?」


「俺達は現実世界でも今の能力が使える事になるな」


「ならその方が奴等に復讐し易いだろう? 態々アバターかもしれない何て話す必要はない。そしてこの紅翡翠を持って向こうに戻れたなら、俺達は他の同盟員も救うことが出来るかもしれない」


「この世界を完全にぶっ潰す事が出来れば、自ずと意識は戻るだろうな」


「俺の考えでは、皆夢を見ていたと認識するだろう。ここでの死はなかった事になる」


 引き寄せの法則、アフロはそう言った。言葉だけなら聞いた事が有る。もしこの身体が、アバターではなく、現実の物と認識すれば、この紅翡翠を持ちながら、向こうに俺達は戻る事になる。

 紅翡翠を持ちながら戻れなければ、ここでの死は向こうの世界では成立しない。俺たちは向こうで完全にモルモットにされるだろう、これは一つの賭けだ。

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