第11話 十七代当主の誕生と、完璧すぎる引き継ぎ業務
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天正12年(1584年)。
18歳となった政宗様のもとに、父・輝宗様からの緊急呼び出しがかかった。
「政宗。わしは本日をもって家督を譲り、隠居する。本日よりお前が、伊達家第十七代当主だ」
突然の当主譲渡の発表。
史実通りとはいえ、城内の重臣たちは
「まだお若い!」
「早すぎるのでは!」
と大混乱に陥った。
だが、当の政宗様は一切動じず、堂々と輝宗様の前で深く頭を下げた。
「……承知いたしました、父上。この伊達の家名、私が引き継ぎ、必ずや奥州随一の強国として見せましょう」
右目の失明を克服し、初陣を圧勝で飾り、愛姫様という伴侶を得て完全に覚醒した18歳の若き龍。その全身から溢れ出る圧倒的なオーラに、反対していた老臣たちも息をのんで黙り込んだ。
◇
その夜、当主となったばかりの政宗様の部屋で、俺(景綱)は山のような「仕様書(引き継ぎ資料)」を広げていた。
「政宗様……改め、当主様。第十七代当主ご就任、心よりお祝い申し上げます」
「景綱、堅苦しい挨拶はいい。それより……この紙の山は何だ?」
政宗様が引きつった顔で指さしたのは、俺が前世の「プロジェクト管理スキル」を総動員して作成した【伊達家経営&軍事改革ロードマップ】である。
「ふふ、当主となられた以上、これからが本番でございます。ご覧ください」
俺は一切目の笑っていない極上の営業スマイルで、資料を1枚ずつ指し示した。
【組織改革】
頑固な老臣たちの意見を穏便にスルーし、成実殿や宗実殿ら「若手ガチ勢(親衛隊)」を適材適所で要職に配置する人事業務。
【ロジスティクス強化】
第2話で整備した城下町をベースに、軍糧(悪魔のクルミ味噌おにぎり)の備蓄と補給ルートの全国規格化。
【情報戦(デリート術)】
周辺の大名(畠山、芦名、相馬)の動向を24時間監視する忍び(黒脛巾組)の事前配置。
「……景綱。お前、俺が家督を継ぐ前からこれを準備していたのか?」
「当然でございます。我が主君が天下へ羽ばたくための『初期ビルド』は、すべて私が完璧に設計しておきましたから」
政宗様は呆れたように、けれど心底嬉しそうに「くくっ」と喉を鳴らして笑った。
「つくづく恐ろしい奴だ、お前は。だが……頼もしいことこの上ない。よし、景綱! このロードマップに従い、伊達の力を世界に見せつけてやるぞ!」
「御意にございます、我が主君」
◇
だが――政宗様の家督相続というニュースは、奥州の周辺大名たちに凄まじい激震を与えていた。
特に、二本松城主・畠山義継は、「若き新当主・政宗」の苛烈な政治手腕に追い詰められ、密かに陰険な罠(輝宗様の拉致事件)を計画し始めていた。
(畠山義継……史実通りなら、輝宗様を拉致して道連れにしようとする元凶。……だが、俺がそんなバグ(悲劇)を許すと思っているのか?)
俺は暗闇の中で静かに眼鏡の奥の目を光らせた。
(政宗様に『親殺しのトラウマ』なんて背負わせるものか。輝宗様も、政宗様も、伊達家の未来も……すべて俺が完全無欠にプロデュースして見せる……ッ!)
伊達政宗の大名としての快進撃、そして歴史の悲劇を塗り替える「悲劇回避ミッション」が幕を開けようとしていた。
【システムメッセージ】
『家督相続(伊達政宗、当主就任)』が完了しました!
※政宗様が『伊達家第17代当主』に就任しました!
※伊達家の内政・軍事効率が 300% にアップしました!
ご視聴いただきありがとうございました。




