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第3話 奇妙な来訪者

「おやぁ?ワレ、お二人さんラブラブ・スィーンを邪魔をしてしまった感じカネ?こんな真っ昼間からお盛んなのはよろしくないねぇ?」


 突如としてカメレオン頭の男がドアを突き破り乱入してきた。俺もアルシアも突然の出来事過ぎてなにも言葉がでなかった。


「すぃませんねぇ……突然押しかけちゃっテェ。自己紹介がおくれましたぁ。ワレ、カレオトキシン・ヨルセニコプと申しまぁス。」


 ーーカレオトキシン・ヨルセニコプと、カメレオンの頭の男はそう名乗った。


「あ、あなたなんなの!?なんで、なんでこんなことするの!?」


 声が震えながらも話せるアルシアに対して俺はビビってなにも言えない。ベッドの下には俺の学生カバンが見える。


 あの中に身を守る道具……ハサミとかが入っているはずだから取りに行きたいけれど尻が痛すぎてこのベッドの上から動けない。

 そもそも人語を話すカメレオンに対して俺は恐怖しかない。


「お嬢さぁん?ワレの名前はカレオトキシン・ヨルセニコプですよぉ?お嬢さぁん……頭にウジがたまっているのではぁ?」


「ちょっと話になっていないんだけど……なんでこんなことをしたのかって聞いているの!」


 アルシアのカバーに入りたいけれど恐怖で言葉が出ない……

 そう思った矢先、あの常に動きを止めないカメレオンの目玉と目があってしまった。

 その気味悪さに咄嗟に目をそらしてしまった。


「ソコのベェッドで縮こまっているアナタ……なぁに目をそらしているのでぇすかぁ?人と話すときにはしっかりと目を見てお話しなさいと教わっていなぁいのでぇすか?」


 なにも返す言葉がない、というか言葉が出てこない。見るからに常軌を逸している存在に対して俺はただ見ることしかできなかった。


「ーーどうしまぁした?アナタもしや口腔内にウジが溜まっていらっしゃるのでぇすか……?もしも口腔内にウジが溜まっているのであぁれば害虫駆除をしなくてはでぇすねぇ。」


「……ちょっとツカサのことは今は関係ないでしょ。アナタこの責任はどうするつもりなの?」


 瞬間だった。アルシアがあのカメレオンに発言したその瞬間、ドロドロと唾液まみれの舌が異常に伸びて俺の首を絞めあげる。


「ア゛ア゛ーーッ! ダ、ダズゲェェェエ!?」


 必死に抵抗しようと踠くが、ヌルヌルとした唾液で手が滑り舌を引っ掻くことができない。足を動かそうにも尻の痛みで動せない。首が絞まり呼吸が困難になる。


「ーーな、なんてことをするの!?」


「お嬢さぁん……ワレがここに来た理由はたぁだひとつ。チビ野郎……スカルトロールの尻拭いでぇす!いいでぇすか?この人間はこの世界の人間じゃあないんでぇすよ。だぁからここで駆除するのでぇす!」


 ーーヒュンッ!

 と風の刃がカレオトキシンの顔面を攻撃する。これで怯んだのか首の絞めから解放された俺は地面に落とされる。


「ーーそんなの理由にならない!別世界とかよくわからないけど、そんな……殺すなんて残酷だわ!」


「お嬢さぁん……ワレの邪魔をするのでぇすかぁ……?やはり頭にウジが沸いているようでぇすねぇっ!」


 アルシアのピンチに俺は最高のスナック菓子である『暴虐ハバネロ』をカレオトキシンに向かって投げつけた。


 あの舌から解放されたときの地面との衝突による尻の痛みに激痛が走る。それでもなんとか自分のカバンに手を伸ばす。そこから咄嗟に取り出した暴虐ハバネロを投げつけた。

 そのハバネロパウダーがカレオトキシンの左目に命中した。


「目ぇ!目ぇ!ァァァア!ワレのォォォオ!ワレの目が焼けるぅぅぅァァァア!?ウジウジウジウジウジウジウジウジガァァァア!?!?」


「暴虐ハバネロの粉はカプサイシンが含まれているから目に入れると焼けるように痛むらしい……もっともお前の反応を見ていると事実のようだが……」


 目を押さえて悶絶するカレオトキシン. その目は涙でうるんでいる。投げたことにより部屋中にハバネロ粉が充満してしまい俺自身も咳と涙が止まらない。


ーー今がチャンスと思いアルシアが風の刃でカレオトキシンを攻撃しようとしたその時。うねうねと気味の悪い動きをしたその時カレオトキシンの舌がアルシアを絞める。


「このウジどもォォォオ!?ワレに対しよくもここまで残酷なことをしてくれましたぁね!?」

 どうする、どうする、どうする、どうする、どうする、どうする。鞄の中には筆箱、スマホ、財布……

 この状況を打開できるものは……


ーーパシャッ!


 「ギャバァァァァァア!?!?」


 スマホの写真撮影のフラッシュでカレオトキシンの目を潰すことに成功。写真フォルダに怪物の写真が残ったがこれによりアルシアを解放することに成功。


「アルシア、アルシア!アルシア!」


 ーー身体をゆするが反応がない。首を絞められたショックで気絶している。はやく動かないとカレオトキシンがまた襲ってくる……


「さんざぁんこのワレに残酷なことをしてくれまぁしたねぇ……?私の大切なこの美しい眼を集中的に狙ってぇ……。さ、それではお仕事を完了しましょうかねぇえ……?」


 なんで殺されなきゃならない。俺はただ学校帰りに公園よって、お菓子を食べて、トイレに入っただけだ。なんでこんなことになった。なんでなんでなん……


「ーーなんで俺を異世界に連れてきた……あのスカルトロールとはお前どういう関係だ……お前らの目的はなんなんだ……」


「……あのぉですねぇ……そんな一方的に質問すると相手が困るってわからないのでぇすかぁ……?あなた頭にウジが溜まっているのですかぁ……?」


 カレオトキシンの舌が俺の首に巻き付こうとしている。

 嫌だ、死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない。


「でもまぁ……アナタ……ツカサクン……でしたっけぇ?

ワレもねぇ……こぉんなことしたくないんでぇすよぉ?でもチビのスカルトロールがミスしちゃったって言うんでぇすよぉ……世の中助け合いじゃあないでぇすか……?」


「お前はそうやってスカルトロールの尻拭いでいいのかよ?」


「ーーハァ?」


「仕事として俺をきっちりと殺すのならはじめからダラダラと話していないでさっさとアルシアごと殺せばよかっただろ?」


 ーーぐちゃぐちょぐちゃ……

 先程カプサイシンの粉で腫れていたカレオトキシン目玉が気色の悪い音を立てて治癒している。


「何が言いたいのでぇすかぁ?ツカサクン……時間を稼けばそこのお嬢さぁんが助けてくれるとデモォ……?」


「スカルトロールの失態なんだからスカルトロールに俺をやらせるべきじゃないのか……?」


 恐怖で声が震えながらも必死に言葉を振り絞り会話を続ける。殺す殺すと言っておきながらコイツは一向に俺を殺さない。

 話せばなんとかなるかもしれない……などと淡い期待を抱くことでしか正気を保てない……。


「あのチビ野郎…………」


「ーー確かにソレもソウでぇすねぇ……いいでしょう。ツカサクン……アナタの口車に乗ってあげまぁすよ。」


 ーーボトッ

 カレオトキシンが俺の首から舌を戻し俺を床に落とす。

 今回は見逃してくれたのだろうか……そう安心したとき顔面に生暖かい何かが


「あ、ああ、あああああああああああああ!?!?」


「ア、ツカサクンを今回は殺しませぇんが、コレは先程の目潰しのお返しでぇす。目を潰されなかぁっただけ感謝しなさぁいねぇ。」


 カレオトキシン……やつの舌が俺の顔面を舐めた。


ーーオエッ...オゲロロロロロ……

 激しい吐き気と疲労で俺はそのまま意識を失った。

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