第9話 対話
「遠路はるばるようこそお越しくださいました。途中、交戦もあったかもですね。お怪我はないですか?体調の悪い方は遠慮なく申し出て下さい。すぐに回復しますので」
魔王の言葉とは思えない優しさと口調が一行の緊張感を解く。
「さきほどの様子から、皆様は魔王である私を討伐する目的でこちらへお越しになった、という認識で合ってますかね?」
「そういうことではあるんですけど、あなたは我々の探している魔王ということで本当に間違いはないんでしょうか?」
「間違いありません。魔族を代表する王を務めさせていただいております。あ、でも武器や魔法でお互い傷つけあうような暴力はお控え下さいね。まずはじっくり話し合いで互いの認識や主張を確認するところから始めましょう」
魔王を名乗っているだけのただの優しい少女ではないのか?
とても危険な存在には感じられない。
だが会話の内容はここから急転回を迎える。
「どうか怒らずに聞いてください。まずは結論から申し上げますね。人間の皆様には我々魔族に無条件降伏していただきたいと考えております」
「我々にとってはそれは到底受け入れられませんし、それを阻止するためにもここへ来たわけです」
「急に降伏しろと言われればそう思われるのも当然ですよね、理解できます。一方で我々の主張の合理性もご理解ください。今から詳細に説明します」




