第6話 悶着
カイザードやアーサーが通った後だからであろう、ルシアン一行を目にした魔族は緊張感でピリピリしていた。
しかし積極的に攻撃してくる魔族はなかった。
先の農民魔族を見て、ルシアン一行はすっかり戦闘意欲が萎えていた。
「人間の農家と同じじゃないか。一方的な攻撃は野蛮」
「先に仕掛けられるまではこちらからの開戦は避けよう」
一行の誰もがそう考えていた。
少し遠くに豪華な建物とその門が見えてきた、あれが魔王の居城と推察される。
門前に差し掛かると2体の魔族が近づいてきた。
「どのようなご用件でしょうか?」
「我々は人間の代表として魔王を討伐しに来た。ここを通してもらいたい」
「それは困ります。原則として武力行動は認められません。どうかお引き取り下さい」
平行線の議論が少し続いたのち、奥から声が聞こえた。
「彼らは引いてくれないでしょう、私が対応します」
「助かります、よろしくお願いします」
そういうと2体の魔族は持ち場に戻っていった。
奥からの声の主が姿を現し、ルシアン一行に目を合わせて言った。
「初めまして。おそらくは第3次勇者隊の皆さん、でよろしいのかな。私は魔王軍ロイヤルガードのアーサー。皆さんには第2次勇者隊のアーサーと名乗ったほうが分かりやすいかもだが」




