第4話 希望
魔族対策が暗礁に乗り上げる最中、一人の若者が政府の門を叩いた。
彼の名はルシアン。
帝国魔術科を飛級首席で卒業した天才で、独自に確立した高速詠唱範囲魔法フリーズスクエアの連発で敵集団を凍結・鈍足状態のまま封殺する。
ここにルシアンを中心とした第3次勇者隊が結成された。
今回の出征では魔王と対峙する前にアーサー軍との戦いになる可能性が高い。
アーサー軍はバランスの取れた手ごわい集団の為、ルシアンに魔法詠唱を全力で行わせて集団戦に対応して残りメンバーが彼を死守する人選が組まれた。
「可能であればア-サー軍の正気を取り戻して、協力して魔王討伐を行ってくれ。無理なようなら残念だがアーサーを倒すしかない」
人々はルシアン率いる第3次勇者隊に最後の望みを託した。
最強の狂戦士カイザードはなぜ敗れたのか、聖騎士アーサーはなぜ離反したのか。
謎を抱えつつ第3次勇者隊は魔王の迷宮に降り立った。
ルシアン一行が少し進むと魔族のパーティが二つほど、何やら作業をしていた。
勇者隊に気づいた魔族は慌てて武器を手に取った。
右前方に5体、左に6体の魔族。
ルシアンは静かに詠唱を開始、即座にフリーズスクエアが連続発動し、瞬く間に魔族たちのHPは削られていく。
「まいった、降参する。敗北を認める。もう戦う意思はないからどうか我々を傷つけないでくれ」
リーダー格と思われる魔族の一人がはっきりと、大きな声で訴えた。




