第2話 追撃
「え?もう一度。詳しい状況を……」
国の内政官らは信じられない面持ちで聞き返した。
「カイザード様を中心とした戦闘部隊は圧倒的戦力で迷宮を勝ち進み、最深部の魔王までたどり着きました。
魔王からは無条件降伏勧告がありましたが拒否したカイザード様が魔王に飛び掛かった瞬間に閃光があり、次の瞬間に戦線が全滅しました」
「なんということだ……すぐに第2次勇者隊を組織せよ!」
人間社会は世界最強のカイザードを失った。
カイザードでも勝てない魔王を倒すことができるのか?
第2次勇者隊編成に民衆からは疑問や不安の声が上がった。
「先代勇者カイザードの遺志を受け継ぎ平和の礎を築く!」
第2次勇者隊の最高責任者にはパラディンのアーサーが任命された。
彼にはカイザードのような圧倒的攻撃力はない。しかし敵の攻撃から味方をかばいつつ、味方の戦力を高める指揮能力と回復スキルを保持しており継戦能力の高さは群を抜いていた。
カイザードは一瞬で魔王に敗れたという。
スキルで動きを封じられたか、強力な範囲魔法に巻き込まれた可能性がある。
そこで第2次勇者隊では中長期戦を重視して耐久性の高い前衛とそれを支えるヒーラー・バッファー、後衛の弓・魔法を中心とした遠距離アタッカーが編成された。
「カイザード様を倒した相手との決戦になる。勝算は未知数だが我々は世界を守って見せる」
アーサーは強い正義感の持ち主であり、その決意表明は勇者隊メンバーだけでなく多くの一般人にも勇気を与えた。
第2次勇者隊出発から1週間後、帰還した勇者隊の生存者から報告があった。
「アーサー様一団が魔王に投降し魔族配下となる意思表明をされました」




