想いと胃の重さ、等価交換
その日の結衣の暴走はこれだけではなかった。
放課後。僕が幼馴染のクラスメイトの橘 琴音と来月に控えた学園祭の役割分担について笑いながら話していると、どこからともなく結衣が現れ、僕と幼馴染の間にスッと割って入った。
「お兄ちゃん、一緒に帰ろ?」
「え、結衣? ああ、わかったけど……」
琴音が「ごめんね、ちょっと打ち合わせしてて」と笑いかけると、結衣は僕の腕にギュッと抱きつきながら、琴音の方を振り返った。
「打ち合わせ?そんなことより、近所に住んでるってだけであまり私のお兄ちゃんに馴れ馴れしくしないでくれます?」
その美しい瞳には一切の光がなく、絶対零度の冷たさが宿っていた。クラスメイトが怯えて引きつった笑いを浮かべたのを見て、僕は慌てて琴音に謝った「ごめん、続きは明日でいいかな?今日はごめんね」なおも琴音に何かを言おうとした結衣を目で制して、「結衣! 帰ろう!な!」とその場を立ち去った。
嬉しそうに腕を絡めてくる結衣。それを呆然と見送る琴音。
これからも毎日こんな感じになるのだろうか?考えるだけで胃が重くて死にそうだ。
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