表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕の妹がこんなにヤンデレデレになるなんて〜狂い始める日常〜  作者: 虹の箸


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

26/36

事案2:血の繋がらない妹の寝顔

その日の夜。

綾人が自室でテスト勉強をしていると、結衣が「数学教えてー」とノートを持ってやってきた。

いつもなら露出度の高い服でベッドに潜り込んでくる結衣だが、今日はダボダボのスウェットの上下という、色気もへったくれもない完全な部屋着姿だった。

「ここの因数分解が、どうしても合わなくて……」

「ああ、ここは公式を先に当てはめるんじゃなくて、一度展開してからまとめるんだよ」

机に並んで座り、シャーペンを動かす二人。

真剣にノートに向かう結衣の横顔は、学園一の美少女と謳われるだけあって、息を呑むほど整っている。長いまつ毛が瞬きするたびに揺れ、白く透き通るような頬が手の届く距離にある。

「あ、そっか! わかった! お兄ちゃん、天才!」

結衣は嬉しそうにパチパチと手を叩くと、「ありがとっ」と綾人の肩にコツンと頭を預け……そのまま、フカァ……と寝息を立て始めたのだ。

「えっ、結衣? 寝たのか?」

返事はない。

テスト勉強の疲労が溜まっていたのだろう。結衣は綾人の肩を枕にして、本当に無防備な深い眠りに落ちてしまったのだ。

「……たく、世話が焼けるな」

綾人は苦笑いしながら、結衣の頭をそっと撫でた。

その瞬間。

結衣のスウェットの襟元から、ほんのりと甘いシャンプーの香りが漂ってきた。

(——っ!!)

綾人の手が、ビクッと止まる。

スーッ、スーッという規則正しい寝息。少しだけ開いた桜色の唇。そして、自分の肩に預けられた、小柄ながらも確かに『女の子』としての柔らかさを持つ体の重み。

(嘘だろ……結衣って、こんなに……女の子っぽかったか……?)

いつもは『襲ってくる変態妹』として警戒の対象でしかなかった結衣。

しかし今、何の防備も打算もなく、ただ安心しきって自分に寄りかかっているこの少女は、どうしようもなく庇護欲をそそる、たまらなく魅力的な異性だった。

(ダメだ、俺は何を考えてるんだ! 相手は結衣だぞ! 妹だぞ!!)

理性が全力でブレーキをかけるが、健全な男子高校生の本能がアクセルをベタ踏みしてくる。

綾人の視線は、無意識のうちに結衣の無防備な唇へと吸い寄せられていく。

(……少しだけなら。……ちょっと、触れるくらいなら……)

綾人がゴクリと喉を鳴らし、結衣の顔にそっと自分の顔を近づけようとした、その時。

「んぅ……お兄、ちゃん……」

「——ッ!!?」

結衣が肩に顔をスリスリと擦り付けてきた。

「ふばぁっ!?」

綾人はバネ仕掛けのおもちゃのように飛び退き、椅子から派手に転げ落ちた。

「い、痛ってぇ……っ! はぁ、はぁ、はぁ……」

床に這いつくばりながら、綾人は荒い息を吐き、自分の頬を両手でバシンッ!と叩いた。

(危なかった……! あと少しで、俺の方から一線を越えてしまうところだった……!)

ヤンデレモードの時は、「殺される(修羅場になる)」という生存本能が働いて理性を保つことができる。

しかし、彼女たちが『ただの可愛い女の子』に戻った瞬間、綾人の防御力はゼロになり、むしろ彼自身の内側から湧き上がる衝動に殺されそうになるのだ。


琴音と結衣の「普通の女の子」としての破壊力に打ちのめされた綾人だったが、その驚威は幼馴染と妹だけにとどまらなかった 

お読みいただきありがとうございました。

もし「面白かった!」「続きが読みたい!」と思っていただけましたら、ページ下部にある【ブックマークに追加】や、【☆☆☆☆☆】の評価を押して応援していただけると、今後の執筆の何よりの励みになります!

次回もどうぞよろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ