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VTuberをやっている妹のパソコンを勝手に使ったら、配信モードになっていて、視聴者からオルタ化と言われ、私もVTuberデビュー!?  作者: 赤城ハル
第5章

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第39話 クリパ①

 12月24日。クリスマス・イヴ。それはイエス・キリスト生誕を祝う日であるが、ここ日本ではパーティやはしゃいだりする一大イベントの日。


 若者はクリスマス前に告白して恋人を作り、クリスマス当日にデート。逆に約束を取り付けてこの日に告白したりと特別な日。

 子供にとってはケーキを食べ、寝る前に靴下を置いて、サンタからのプレゼントを心待ちにする日。


 海外のような家族や親戚で祈りを捧げたり、ご馳走を食べて過ごしたりするのようなことはない。


 食べ物もターキーではなく、フライドチキン。


 そもそも日本人の多くはクリスマス・イヴのイヴがどういう意味なのかも知らない。


 ただ、私のような陰キャは恋人もなく、デートに誘われることもなく、友達と過ごすのが当たり前となっている。サンタの正体も親だと知っているのでプレゼントは貰えない。そのため友達同士でプレゼント交換をする。


「帰りは遅くなる」


 昼の13時、外行きの服に着替えた私はリビングで母に告げる。


「終電前には帰ってきなさい」

「分かってる」

「クリスマスケーキは残しといてね」


 親が予約して購入していたクリスマスケーキ。帰ってきてから食べる予定である。


「私も帰ってから食べる」


 まだ部屋着姿の佳奈が言う。

 佳奈は5期生全員集まってのオフコラボ配信。


「あんたは高校生なんだから早く帰ってくるようにね」


 母が佳奈に注意する。


「分かってるよ。配信終わったらすぐ帰るよ」

「ご飯は? 皆で食べに行かないの?」

「配信中に皆で食べるんだよ」

「あらそうなの。何か持って行かなくていいの?」

「すでに買ってるから」

「千鶴はご飯はいらないのよね?」

「うん。皆で食べてくるから」


  ◯


 駅前に近づくと人混みは多くなり、お店や通りはクリスマスの色が濃くなる。


 私は電車に乗り、待ち合わせの駅に向かう。

 電車内にも子供連れの大人、若者達が大勢いて皆、クリスマスに心が躍っているようだ。

 電車は駅に着き、私は降りる。


 人波に攫わられるように改札口を出て、駅前の広場に足を進める。

 途中、声をかけられて振り向くと駅内にある本屋に石見さんがいた。


 先日、駅前ショッピングモールでプレゼント交換用のプレゼントを購入した時と同じ髪型でメガネをかけた姿だった。


「あれ? どうしてここに?」


 待ち合わせ場所はここではない。時間があるから立ち寄ったのかな?


「いやあ、私の顔を知ってるの宮下先輩と松任谷先輩くらいなものですので」

「ああ! そっか!」


 豆田達は石見さんの顔を知らないのだ。

 お互いに先に着いていて、私か美菜が着いた後で合流すると少し気まずい。


 ──あっ! この人が!


 みたいなことが発生すると後々気まずい。


「それで本屋で待っていたんです」


 私は石見さんと共に駅前広場に向かう。

 駅前広場には桜庭と豆田が先に着いていた。


「おはよう」

「もう昼よ」


 桜庭が肩を竦めて言う。


「あ、そっか」

「業界人みたいな挨拶ね」


 でも、VTuber風な挨拶をしなくて助かったかも。


「それで、そっちの方が美菜が言っていた後輩」

「どうも石見由香里と言います。よろしくお願いします」


 石見さんは丁重に頭を下げて挨拶する。


「よろしく。私は桜庭。こっちは豆田ね」

「よろしくね」


 そしてその後で瀬戸さんと美菜が順に来て、約束時間ギリギリに種咲が来た。


「ごめん。私が最後?」

「最後だよ」

「でも、時間セーフでしょ?」

「ギリギリだけどね」

「もしかしてその子が美菜の後輩?」

「そうだよ」

「石見由香里です」

「私、種咲。よろー。てか、メガネに黒髪おさげ、プリントTシャツじゃないぞー。地味変するんじゃないの?」

「なによ地味変って。ジミヘンみたいな言い方して。これくらいで良いでしょ?」


 桜庭が種咲にツッコミを入れる。


「ま、及第点としましょう」

「何様よ」


 桜庭が溜息をつく。


  ◯


 まず向かったのは大型アミューズメント施設のボウリング場だった。


 私達は左右合わせて2レーンを使ってボウリングをすることにした。

 左は桜庭、種咲、豆田、美菜。

 右は私と瀬戸さん、石見さん。


「ボウリングなんて家族以来」


 そう言ったのは美菜だった。


「どれくらい前? 高校生?」


 豆田が聞いた。


「小学生だよ!」


 美菜が強く否定する。

 さすがに高校生で親とボウリングはないよね。


「何年振り?」

「ええと……最後が10歳だったから……10年か」


 その時の歳の分、ブランクがあるのか。


「もしかしてボウリング嫌いだった?」


 ボウリングを提案した種咲が美菜に聞く。


「違う。好きだよ。リアルボウリングは久々という話だよ」

「リアル以外でボウリングなんてあるか?」

「ゲームの。Wee sports!」

「ああ、あれね。それなら私もやってたよ」


 テレビゲームのWee sports。私もやったことがある。リモコン型コントローラーを振って遊ぶゲームで豆田ともよく遊んだ。


「でも、リアルはボウリングの玉が重いから気をつけてね」

「大丈夫」


 私達はコートを脱いで、ボウリングの玉を取りに向かうのだが、コートを脱いだ時、種咲が石見さんの胸を見て、「デケェ」と呟いた。


 石見さんが脱いだコートの下は赤のセーターで、石見さんは大きな山を作っていた。


「ほんとだ」と桜庭。

「まるでマイボウリングだね」と美菜。


「あの、みなさん、そんなに見ないでください」


 石見さんが恥ずかしげに言う。


「あと、瀬戸先輩も大きいですから」


 確かに瀬戸さんも確かに大きい。


「いや、でも、私より二回りは大きいんじゃない?」


 そう。瀬戸さんより大きいのだ。すごいな。


「……そ、そんなことないですよ」

「美人で巨乳とかアニメかよ」


 種咲が悔しがり、自身の薄い胸を撫でる。

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