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VTuberをやっている妹のパソコンを勝手に使ったら、配信モードになっていて、視聴者からオルタ化と言われ、私もVTuberデビュー!?  作者: 赤城ハル
第5章

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第32話 きっかけ【石見由香里】

 以前まで私、石見由香里は配信者というものに悪いイメージしか持っていなかった。


 ニュースでよく迷惑配信による問題行為が取り上げられていたし、配信者のほとんどが芸人崩れの素人と考えていた。だから不思議だった。素人が作った配信のどこが面白いのか。馬鹿なことをしてPV稼いでどうする。


 それで警察に捕まってどうする。

 モラルや常識はないのか。


 そしてVTuberに対しても悪い偏見しかなかった。ゲームプレイを流して何が面白いのかと。プロならまだしも素人だ。中には呆れるくらいへたくそまでいる。よくもまあ、それで配信なんて堂々と出来たものだ。


 ているほうもそうだ。他人のゲームプレイを観て何が面白いのか。自分でゲームをしないか。それともお金がないから他人のゲームプレイを観て楽しむしか出来ないのか。


 だから私はVTuberに転向する話が来た時は渋った。モデルからVTuber。なんの繋がりがあるのか。見た目で売っているモデルがアニメキャラのガワを被って配信。意味不明。勧めるペイベックス社員も馬鹿としか言いようがない。


 百歩譲ってインフルエンサーだろう。美容やエステ、コスメ、ヨガ、ダイエットなどを取り扱うべきだ。


 それなのに。ゲーム実況。


 ゲームなんて子供の頃にやったり、スマホで時間潰しにパズルゲームをする程度。


 一度は普通に断った。


 だけど向こうが「すぐに結論を出さずに、じっくりと考えて」と返答を先伸ばしにされた。


 ……本人がきちんも断っているのに。

 そもそも、なぜ私なのか。

 理由は「流行り」という言葉で流された。


 一応、私はペイベックスが抱えるVTuberの配信をることにした。


 その初めてのゲーム実況がオルタ誕生だった。


 姉が妹のパソコンを勝手に使用したら配信モードになっていて、代わりにゲーム実況。


 鼻で笑った。

 そういうていかと。


 コメント欄は馬鹿みたいに信じているらしい。


 常識的に考えれば分かることだ。

 たまたま姉が妹のパソコンを使ってゲーム実況?

 ありえない。


 妹はどうした?

 配信モードにして外出?

 配信を無視して?

 ありえない。


 絶対にやらせだ。

 馬鹿馬鹿しい。


 ゲームプレイは初心者ムーブ。

 下手だった。


 初見殺しのトラップには必ず引っかかるし、操作も悪い。ついつい私は口で「そこは止まらないと」、「行き過ぎ」、「また!?」と突っ込んでいた。


 可愛らしいアニメキャラだから許されるのだろうけど、生身を出してプレイしていたらヘイトしかなかっただろう。


  ◯


 夕方、仕事でペイベックス本社ビルに訪れていたら、社員達が右へ左へと大騒ぎ。

 マネージャー曰く、赤羽メメと事故配信が原因だとか。


 緊急で役員達も集めた会議があるとか。


 びっくりした。

 あれは本当に事故配信だったらしい。

 つまりあの人は本当に赤羽メメの姉だったのだ。


「そんなに大きな問題なんですか?」

「まず契約違反ですね」


 マネージャーはそう答えた。

 確かにそうだろう。

 無断でガワを誰かに貸し出したということになるのだから契約違反だろう。


「罰せられるのですか?」

「まだ不明です」

「契約違反なんでしょ?」

「ええ。ですが、反響がすごくて……大変なんです」

「どれくらいの反響ですか?」

「SNSのトレンドにはいり、現在もランキングに上がってきています」


 トレンドり。それはすごいことだ。


「しかもあのジャスティス・ビーバーより上ですからね」


 ジャスティス・ビーバー。世界的に有名なアーティストであり、全世界フォロワー数No. 1。


「トレンドでジャスティスより上とは、すごいですね」

「とはいえ、向こうはちょっとしたことをSNSで投稿しただけだからね」


 それでも人気の高くないVTuberがトレンドに入るのは珍しいこと。


  ◯


 それから赤羽メメの姉は赤羽メメ・オルタとしてデビューした。


 初配信は『魔法少年マナカ・マグラ』の同時視聴。一緒にアニメを観るという配信だ。


 このアニメは10年以上も昔の作品で、社会現象を巻き起こした。名前くらいはパンピーの私でも聞いたことがある。


 オルタも私と同じパンピーらしくて『魔法少年マナカ・マグラ』を観たことがないらしい。


 内容はキッズアニメ風なのにダークファンタジーでサウンドが重々しい。

 エンディング曲もどこか宗教的。

 不穏な空気で終わったため驚いた。


 翌日、サブスクでのランキングに『魔法少年マナカ・マグラ』第2話から第13話までが独占した。


「いやあ! すごいですね。第1話同時視聴後に第2話から最終話がランクイン」


 マネージャーは感嘆の声を出した。


「あの、通常の同時視聴ではアニメ映像は流れてませんが」


 通常の同時視聴では画面はVTuberとタイムカウンターなどを除いて真っ暗。

 けれどオルタの配信では映像も流れていた。


「向こうからの要請らしいですよ」


  ◯


 そして星空みはりとのコラボ。

 星空みはりはペイベックス初のVTuberで他のペーメンからすると大先輩にあたる。

 そのVTuberとコラボ。

 赤羽メメですらまだコラボしていないのに。これには大勢の人が注目した。


  ◯


 コラボ配信は成功。

 かなり面白かった。


 これで本当にオルタが素人なのだからびっくりだ。

 ネットでは星空みはりがオルタを上手く引き出したというのもあるが、オルタもまた星空みはりを面白くさせたという感じがある。


 それから私はいつの間にかオルタという存在に夢中で追いかけていた。


 ペイベックス上半期イベントのハリカー大会。神技のイニシャルカーブは白熱もので勝利時はすごく、手に汗握るもの。


 夏のペイベックスVTuberライブでの歌も最高。正直プロだ。アーティストだ。曲を出すべきだと感じた。


「VTuberに転身しますか?」

「はい」


 この頃には私もVTuberになりたいと考えていた。

 その後の私はオルタを追いかけた。猫泉ヤクモとのホラー月間も面白かった。WGEのハリカー・エキシビション大会、そしてグラフリ、共にオルタは活躍して大躍進。

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