第30話 アイドルカラーズ③
「…………」
『どうしたんですか? 便秘で悩む女子みたいな顔をして』
「どんな表情よ」
『実際どうしたんですか?』
「いや、さっきからクリアミスばかりでさ。チュートリアルの時は普通にクリアできたのに……どうしてかなと。難しい楽曲を選んでるわけでもないのよ」
楽曲にはイージー、ノーマル、ハード、エキスパートの4つのモードがあり、楽曲難易度として数値化もされている。
チュートリアルで使用した楽曲はノーマルモードで楽曲難易度は20。
それなのに20前後の楽曲に挑戦しても失敗ばかり。
コメント欄を見ると『回復役がいない』、『みはりのスキルが』、『これで成功するほうが奇跡だ』、『フジをリーダーにしてHPを上げろ』とある。
「みはりのスキル?」
私は編成画面に戻り、みはり先輩のスキルを見るとリーダースキルの他に固有スキルがあり、みはり先輩のスキル名が【空を越えて星を掴め!】で、内容はHPを消費してスコアアップだった。
「これってどんなに成功してもHPが減っていくやつじゃねえかよ!」
『無理ゲーですね』
「てめぇ、知ってたな!」
『こわーい』
「ぶりっ子、やめろ!」
コメント欄にフジをリーダーにとあったのでフジのリーダースキルを確認した。リーダースキルは全属性HP100%アップだった。
ちなみ固有スキル名は【ヒステリックモード】で対戦相手のスコアを減らすだった。
「対戦ライブじゃないから意味ない!」
『ガチャ回します?』
「回さないから」
『リセマラします?』
「何? リセマラって?」
『ほら、このゲームって初回は30連と選択SSRチケットがあるので、一度データを消して、またダウンロードしてチュートリアルから始めるんです。それで目当てのキャラが出るまで同じことを繰り返すんです。これをリセマラと言います』
目当てのキャラが出るまでチュートリアルを繰り返すのか。
「それは苦行だね」
『無課金厨はやってますよー』
「無課金厨?」
また知らない単語だ。
『課金しない人です』
「それだともうガチャは出来ないんでしょ?」
『しかし、プレイし続けると色んな条件をクリアしてコインが手に入りますよ』
「へえ」
『どうします? リセマラします?』
「いや、しない。秋葉ミレイも手に入れたからこれでいいよ。フジをセンターにして、回復役がいないから、みはり先輩を外す」
編成でセンターをフジ、そしてSSRの秋葉ミレイと君島サチ、そしてSRキャラ2体をメンバーに入れた。
「そういえば君島サチは初心者向けと言ってたけど、それって固有スキルがいいの?」
『はい。固有スキルは一定期間無敵化です』
「無敵化。それってつまりミスしてもHPは減らないとか?」
『そうです。あと対戦で相手からスキル攻撃も無効化してくれるんですよ』
私は編成したメンバーで楽曲に挑戦してみた。
楽曲は昔、子供の頃に見てたアニメの主題歌。ノーマルモードで挑戦。
「よし! 次こそは!」
◯
結果は見事クリア。
チュートリアルの時と同じく、ほんの少しのミスでクリア。
その後も私はノーマルモードで色んな楽曲をクリアしていった。
『次はハードモードに行きますか?』
「そうだね。挑戦してみようか」
だが、ハードモードはハードという名がつくくらいに難しく、クリアは出来なかった。
「ハードは難しいね」
『そうですね。急に難易度が上がった感じですね』
バーの数も多く、さらには長押しプラス左右に高速連続スライドというものもあり、失敗が続いた。
「右はジグザグスライドで左は連続タップと所が難しい。あそこをどうにかしないとね。それに親指が痛い」
たくさんのバーが現れるから親指を動かし続けて痛い。
所詮はタイミングよくタップするだけだと思ってたけど、約2分間ずっとタップし続けるのだがらしんどい。
『おや? 親指派なんですね』
「親指派?」
『親指だけでゲームをする人のことです』
「だって親指以外どう使うの?」
スマホを横に持つと使える指は親指だけだ。
『スマホをテーブルに置いて、両手の人差し指と中指を使うんです』
私はスマホをテーブルに置いてみた。そして両手の人差し指と中指でプレイするように画面につかないよう指を動かしてみる。
「こんな感じか」
『一度それでプレイしてみては?』
「ん〜。なら、やってみるか」
私はスマホをテーブルに置いて、ゲームをプレイする。
◯
「いや、これは無理だわ。ガタガタするし、逆に指が邪魔」
『けど両手の親指2本だけでは負担が多いですよ』
「それでも4本は無理。タブレットだったら分かるけどさ。スマホでは無理だね」
スマホ画面に指4つは狭い。
「リズムゲームって難しいね」
『……音ゲーなんですけどね』
「だって知らない曲ばかりだし」
『リズムに合わせてタップですよ』




