ロマン
2045年地球は災厄に見舞われる、だが……それと同時に救いも訪れた。
人々の回りに武器が所狭しに置かれ、厄災に各々で対処をする事が出来るようになった。
学校でも武器の扱いの授業が増え、試験を受けると剣用の免許等を貰えるようになった。
ロマン……世間は今の状況にロマンだった、夢が叶ったと、喜ぶ人が大勢だった……僕はそれほど嬉しくはない。
今俺は島にいる、何故いるのかは簡単だ、僕だけのロマンを探すためだ。
町は迷路のように入り組んでいて、迷いそうななか雨が振り始めるより前に山に入る。
土と雨のじっとりとした香りと、歩きづらい泥道を進む、目的はないけれど今は高い所に行きたかった。
山小屋が見えてきた所で、ポツリポツリと雨が降ってきた、急いで山小屋に入る。
先客が居たようだ、会釈をして席に座ろうとしたら
先客……女の子が足の怪我を気にしているようだった。
「すみません、ちょっと失礼します」
武器……俺の武器である凧を振り癒しの力を出す。
「どう?もう痛くない?」
「あっ……だっ……だいじょ……ぶです」
大丈夫らしいので少し離れた席に座る、武器持ちが近くに居るのは怖いだろう。
「あの……貴方は何故武器……よりによって凧を使うんですか?」
武器を扱うには対称の免許取得が必須だ、わざわざあまり強くない凧の免許を取る奴は俺しか居なかった。
「他の武器は僕じゃ使えなかったんだ、でも……それでも武器は持ちたかったんだ」
「なんでそこまでして……戦うのですか?」
「皆の笑顔と幸せを奪われたくないだけだ」
話している間に雨が上がったらしい。
「それじゃ……バイバーイ」
女の子と別れる、今日は大切な何かを再確認出来た、ロマン溢れる一日になった。




