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異世界探索していたらエルフさんと日本に来てしまった件  作者: 尾崎芙美


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23/25

週末金曜日

ピピピピピッ、いつものアラームで起きる。『おはようアリエル』『おはよう芙美』いつものルーティンとなってるお茶漬けの用意をする。今日はふぐ茶漬けだよ。一袋1000円もする様な高級品だ。確か誰かに貰ったは良いが、仲々食べる機会を見つけられずにいたものだ。さてアリエルの反応やいかに!食べる前の反応は毒と聞いてパニックに!『ふ、フグ……!? 猛毒の魔獣を食べるのですか!?』フグが命に関わる猛毒を持っていると知り、エルフの本能で大慌てします。芙美から『国家資格を持ったプロが完璧に毒を取り除いているから安全だよ』と説明されても、最初は箸を持つ手がガタガタと震えてしまっています。 調理・仕上げ時の反応は日本の魔法(出汁)にワクワク『お湯をかけるだけで、こんなに良い香りが……!』目の前で熱々のお湯が注がれ、乾燥具材がふっくらと戻る様子を日本の便利な魔法のようにキラキラした目で見つめます。浮き出るあられや海苔の香ばしい匂いに、恐怖心が食欲へと変わっていきます。実食時の反応は至福の食レポと満面の笑み『んん〜〜っ! なんて優しくて、深みのある味わいなのでしょう……!』恐る恐る一口食べた瞬間、フグの身の引き締まった弾力と、上品で濃厚な旨味(出汁)が口いっぱいに広がり、一瞬で至福の表情になります。『毒の恐怖なんて完全に吹き飛んでしまいました! ご飯と出汁の組み合わせは悪魔的です!』と、エルフの気品を忘れてバクバクと完食してしまいました。『ごちそうさまでした』2人して言う。さて時刻は0710時。本日の天候は生憎の雨模様。傘を差さない自衛隊幹部の俺の雨模様の日は雨衣を来て出勤する。玄関でガサガサと雨衣を着て時刻は0730時。『行って来まーす』『行ってらっしゃーい』玄関を出て、よしよし今日も官舎の奥様はいないな。一気に階段を駆け降りて地上へ。正門を潜っていくのだが、いつもは階級章が見えているから歩哨が幹部の通過に際しては『気をつけ』をかけてくれるのだが、今日は雨衣を着て階級章が見えないため、『気をつけ』は掛けてもらえなかった。ちと寂しい気分になったが仕方無い。中隊幹部室に入る。『おはようございまーす』いつもの小隊長達が朝の挨拶をしてくれる。言い難いことだが言わねばならぬ。今日も石原3尉が休むって事を。『今日も石原3尉は体調不良でお休みだから』素っ気なく言う。『またすかぁ?』『大丈夫かな?』それぞれが口にする。疑われるよな。『まぁ、今日まで休めば後は大丈夫そうだから』フォローになっているんだかないんだか。疑う小隊長を後に事務室へ向かう。『おはようさーん。今日も石原3尉は体調不良でお休みだから。3小隊にも連絡してくれる?』『は~い。ってかまたすがぁ?大丈夫がぁ』敦賀1曹が言う。『うん、今日まで休めば後は大丈夫そうだから』火消しになっているんだかなっていないんだか。『ちょっと俺、朝礼後に石原3尉の官舎に行ってくるから』そう言うと敦賀1曹が『は~い』と返してくれた。さて、中隊長に言いに行くか。石原3尉が手なづけたので、大丈夫だと思うんだけど。コンコン『尾崎1尉入ります』『おーぅ、なんだぁ』良かった機嫌は悪く無さそうだ。『石原3尉なんですが、今日までお休みさせて下さいと連絡ありまして…』『んっ?そうか。まぁ良いよ。アイツは良い奴だからな。』『はぁ、一応、朝礼後に私の方で様子見に行って来ます』『まぁ任すわ。アイツは大丈夫だと思うけどよぅ』『尾崎1尉は要件終わり、帰ります』そう言って中隊長室を後にする。さて朝礼だ。雨はもう止んでいる。本日の1日の流れを説明した後、石原3尉の官舎へ向かう。ピンポーン、ガチャリ。空いている。『尾崎1尉が入りますよ〜』リビングを通り和室へ布団の中に石原3尉がいた。『お〜い!石原3尉、起きろ。見舞いに来たぞ』『んぁ!?運幹じゃあないっすか?あれ今何時だ?』『もう課業開始したよ。0900だ』『あ〜っ、しまった。つい寝過ぎてしまった。すんません。起きます』『あぁ〜っ、良いよ。無理しなくても。こっちが勝手に押し掛けてるだけだから。それより体調の方は大丈夫か?週明け、月曜日には出勤出来そうかい?』『はい!もう大丈夫です!ありがとうございました』『いやいや、良かった。休んだ甲斐があったってもんだ』それだけ確認すると、そそくさと官舎を出て行った。とりあえず中隊長に報告しとくか。中隊長室へ向かう。コンコン『尾崎1尉入ります』『おーぅ、どうした?』『石原3尉の官舎に行って来ました。もう大丈夫そうですね。月曜日には出勤出来そうでした。』『そうか。まぁちと長い休暇と思って、帰ってきたら頑張ってもらわんとな』『そ、そうですね!?尾崎1尉は要件終わり帰ります』そそくさと出て来てしまった。それから午前中は事務作業をして、昼休み。幹部食堂へ向かう。今日の献立は金曜日と言う事でカレーライスだ。皆大好きカレーライス。もとは海軍の艦艇乗組員が曜日感覚を忘れ無いようにするため、毎週金曜日の昼飯にカレーライスを出した事が始まりで、今や陸上自衛隊にも広まりつつある定番食である。『いっただきま~す』カレーのとろみと甘み(野菜や果物の旨味)にやられる。ハヤシライスやビーフシチューのような親しみやすさを感じる人も少なくないんだろうな。『ごちそうさまでした』はぁ~、美味かった。さて、今日の岡本珈琲はなんだろうなぁ。朝はなんやかんやで忙しくって岡本珈琲を逃してしまったからな。昼休みは飲みたいもんだな。そう思いながら事務室へ。席に着くと岡本士長が珈琲を入れてくれたから、『今日は何処の豆?』と聞くと『はい、今日の豆は、スタバのカフェベロナです。しっかりとした苦味とコクが特徴のオススメ豆です』『へぇ~、確かに美味い。苦味とコクがあって飲み応えアリ!だなこりゃ』『お気に召して頂き光栄です』そうこうしてるうちに昼休みも終わり、午後の課業開始ラッパがなる。午後も過ぎて1500時いよいよ待った体育訓練の時間だ。体育服装に着替えて集合場所へ集まる。体育係陸曹が『今日は終末って事でビルドアップ走をしま~す。1本目の入りが一昨日と同じ5分2本目の入りが4分30秒、ラスト3本目が4分で行くからね〜!じゃあ準備運動してアップしたら始めま〜す』準備運動が終わりアップに入る。『あ〜ぁ、LSDかと思ってきたらビルドアップ走かよ〜!失敗しだなぁ』そう言う敦賀1曹に『まぁまぁ、今日は週末だし、ちょっくら汗を掻いて美味いビールでも飲みましょうや!』『そうっすね!いやぁ~、良い事言うなぁ、運幹!』『でしょう俺だって良い事言うんすよ!』そうこうしてるうちに1本目の入り5分ペースが始まった。始まってみれば早いもので、あっと言う間に4分ペースで走ってる。ついて行くのがやっとだ。キツイ。体育訓練が終わり終礼に。『中隊長に敬礼!』『ご苦労さん!』『お疲れ様でした〜!』ルーティンとなってる挨拶がおわり、皆週末とあってサッサといなくなってしまった。さて俺も帰りますかね。事務室を後にする俺。時刻は1710であった。

 一方アリエルの方はと言うと、朝からエキドナちゃんのお世話をしつつ、日本語の勉強。エキドナちゃんが2時間おきに授乳のために泣き叫ぶ。これが結構辛い。夜中も授乳のために2時間おきに泣き叫ぶもんだから、睡眠不足に陥っている。それでもいつの間にか日本へ来ているのだから不思議なもんである。それはさておき、2時間おきに泣き叫ぶから、日本語の勉強も遅々として進まない。外出なんてもっての他である。そうこうしてるうちに昼飯時、何にしようかしら?なんて思いながら冷蔵庫を漁ってるが特に目新しいものは無い。仕方無い。チキンラーメンにしましょうか。二袋目のチキンラーメン。前回同様卵ポケットに卵を落として食べる。『生卵を食べる文化がない国出身のアタシとしては、最初はお腹を壊さないか!?と驚きと警戒を示したものよ。しかし、スープの熱で少しとろけた白身と、麺に絡む濃厚な黄身の組み合わせを一口食べると、麺とスープの旨味が最高!毎日食べたい!とすっかりその美味しさに魅了されてしまったのよね〜!』とすっかりチキンラーメンのファンになった御様子。さて、お昼御飯も終わり、泣き叫ぶエキドナちゃんにお乳を与えてるとなんだか眠たくなってきました。お乳を飲んでお腹いっぱいのエキドナちゃんと一緒に寝落ちしてしまったアリエル、気がつくと1730間も無く芙美が帰って来る時間である。

 一方、その頃、芙美はと言うと、帰り道のスーパーに寄って明日の朝昼晩御飯と今日の夕御飯を思案中。まずは今日の夕御飯だけどアリエルは昼御飯はチキンラーメンだろうから夕御飯はしっかりしたものを食べさせたいな。そうこうしてるうちに焼き鳥が目に入る。焼き鳥かぁ。ビールでも飲みながら焼き鳥はたまらんなぁ。よしっ決まり。ビールも買っていこう。次、明日の朝御飯。ランチパックシリーズのコーナーへ。カレーとキーマカレーってのが美味しそうだな。よしっこれに決まり。後は昼御飯と夕御飯か。麻婆豆腐に回鍋肉が目に入る。これでいっか!案外素直に決まったな。久しぶりの週末だし、今日は呑むか!そそくさと出て家路を急ぐ!『ただいま〜!アリエル、大丈夫だった?』『おかえりなさい芙美。大丈夫だったわ。特に問題ないわ』『そりゃ良かった。今日は週末だし、明日はアリエルのスマホを買いに行く用事もあるけど、ちょっと飲もうかと思ってビールとチューハイ買って来たよ』『おっ!いいわね〜!でっ?おつまみは?』『焼き鳥を買ってきたらそれを夕御飯代わりに食べよう』『焼き鳥?美味しそうじゃない!?』『あぁ!でっ!明日の朝御飯はカレーとキーマカレーのパンに昼は麻婆豆腐、夕御飯は回鍋肉を買ってきたから。楽しみにしててね!』『ありがとう芙美!』『ではひとっ風呂浴びてから乾杯しましょうかね!』風呂を沸かす。ピロリンピロリンピロリンリンピロリンリリリンリンリンお風呂が沸きました。『エキドナちゃんは俺が入れるよ。先に入るね』そう言ってエキドナちゃんを風呂に入れる。エキドナちゃんと一緒に出て来るとアリエルが交代で入る。俺はエキドナちゃんをベッドに寝かせてビールを出して早くも飲みたい気分でいっぱいになる。いやいや、アリエルが出て来るまでは我慢だ。アリエルが出て来る。髪を拭きながらアリエルがリビングへ来た。『アリエル、ビールとチューハイならどっちが良い?』『ビールとチューハイはどう違うのかしら?』『まぁ女性はチューハイの方が飲み易いって言うかな?』『じゃあチューハイって奴を貰うわ』『はい』と渡す。もう待てんビールをカシュッと空けて『乾杯!』ゴキュッゴキュップハー。『美味い!』焼き鳥を頬張る。『これまた美味い』はぁ~、幸せ。週末の楽しみって感じだね。『芙美はお酒好きなの?』『うん!酒がないと生きて行けない』『そんなに〜』そう!そんなになのである。酒が無いと生きて行けないのも事実である。週末のこの一杯の為に生きてると言っても過言ではない。『アリエルはお酒好き?』『んんー?アタシ?アタシはそんなにかな〜。飲み会とか苦手。気心の知れた少人数で飲むのは好きだけど…』『まぁそうよね。俺も確かに中隊規模での宴会は得意では無いんだよな。上司に注ぎに行ったりとか苦手。確かに少人数で気心の知れた仲間と呑むのは良いよね3〜4人位で呑むのが理想かな?』『まぁ、それ位の規模感が良いわね』『アリエルは焼き鳥はどう?』『ももや胸肉だけでなく、ネギマのネギと鶏肉の組み合わせが最高のペアリングね!せせりの脂の乗りや、砂肝や軟骨のコリコリとした独特の食感は、あっちの世界の鶏肉料理にはないから、クセになりそうだわ!』そうこうしてるうちにエキドナちゃんが泣き叫ぶ『はいはいお乳ね〜!』アリエルがベッドに行く。お乳を与えて20分後、エキドナちゃんが再び寝落ちしてしまったのでアリエルが帰って来た。『なんかゴメンね!俺もお乳を与えられたら良いんだろうけど。こればっかりはアリエルに頼らざるを得ない…』『何言ってんのよ!そんなの当たり前でしょ。芙美はお父さんなんだからもっと、ドカッとしてて良いのよ』『そう言って貰えると助かる』お酒が入ってもう2時間、時刻は2000時。『そろそろ寝ようか?アリエル!』『そうね、そろそろ寝ないと明日が遅くなってしまうわね』明日の昼と夕のお弁当作りをしてから、2人して歯磨きをしてベッドイン。酔った勢いでアリエルとやろうとしたその時、エキドナちゃんが泣き叫ぶ『芙美、残念だけど今日は…』『わっかりました』素直に諦めるしかないのか!?夜は更けていく時刻は2030時あっちの世界で0830時に目覚めるはずである。

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