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異世界探索していたらエルフさんと日本に来てしまった件  作者: 尾崎芙美


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泣き崩れるティタちゃん

  チュン、チュン、チチチ。朝の小鳥の囀りで目が覚める。『おはようアリエル』『おはよう芙美』すると次の瞬間『おぎゃあああ』エキドナちゃんの泣き叫ぶ声が響き渡る。『おぉ、よしよし。おっぱいが欲しいのね〜』寝ぼけ眼でアリエルがお乳を与える。するとバタバタバタっと誰かが走ってくる音がする。ティタちゃんである。『せっ先輩、何なんすか?その赤ん坊は?』『この娘?ドラゴンよ。信じられないかもだけど』『えぇ~、アタシも産まれる瞬間見たかったのに〜!ってかいつの間に産まれたんすか?昨夜は静かなもんだったっすよね?』マズイ。現代日本に行ってたなんて知られたら、ティタちゃんなら広めかねん。『いや、実はコッソリ家に帰ってたんだ。やっぱり、いつものベッドじゃないと眠れないって事でさ。そしたら夜中に卵が孵って最初はドラゴンが産まれたんだけど、いきなり光ったかとおもったらこんなエルフ族の可愛い赤ん坊に変身しちゃって…。オマケにアリエルがお乳が出る様になっちゃってさ…』ティタちゃんは???である。それもそうであろう。いきなり赤ん坊を連れて来たかと思ったら、ドラゴンだと?そんな訳わかんない事があって良いのか?いや、良くない!良くはないよ!!ティタちゃん的には到底受け入れる事が出来ない。なんせ産まれる瞬間に立ち会え無かった上に、赤ん坊をドラゴンと言われても、何を何処まで信じれば良いのか?しかも研究室で寝てる筈がいつの間にか、家に帰っていたなんて!裏切りだ!このー、先輩の裏切り者〜!ポカポカポカとアリエルを叩き始めた。『ちょっ、やめてよティタ何するのよ!』『そうだよ。ティタちゃん。何がそんなに引っ掛かってるのか知らないけど暴力は良くないよ』『うぅ〜、先輩のバカバカバカ!アタシも産まれる瞬間見たかった〜!』何だそんな事か。ふぅ~っと一息つく。『ティタちゃん。残念だけど、仕方無いよ。産まれた瞬間の話ならしてあげられるからさ、落ち着こう』『え〜ん、アタシも見たかった!』泣いたって仕方無いのだが、ティタちゃん的には虫の居所が悪い様子。よしよしとしてあげるのだが、一向に機嫌は直らない。そうこうしてるうちにお乳を飲んだエキドナちゃんは落ち着いていて、すやすやと寝始めた。可愛いもんである。『可愛いね〜!お手々なんかこんなに小さいんだよ』ティタちゃんに言う。するとティタちゃんも恐る恐るエキドナちゃんに近づく。『かっ可愛い…』ティタちゃんが言う。するとカッとエキドナちゃんが光ったと思ったらティタちゃんが苦しみ始めた。『どっ、どうしたの?ティタちゃん。大丈夫?』『む、胸が張って痛い』『まっ、まさか。ティタちゃんもお乳が出たのでは?』そう言うとティタちゃんが『先輩、アタシもお乳が出たみたいです…。どうしよう…』アリエルが言う『どうしようもこうしようもないわ。あなたもエキドナちゃんにお乳を与えてあげて。私一人じゃ大変だったの。丁度良かったわ』オイオイ、ティタちゃんには授乳させないんじゃ無かったのか?アタシの赤ちゃんっておっしゃってましたよね?やっぱり大変なんだな授乳って。早速、エキドナちゃんにお乳を与えようとするティタちゃん。『待って。今寝てるトコだから無理に起こしたりしない方が良いのでは?』それもそうねと引っ込むティタちゃん。胸が張って痛そうだ。そうこうしてるうちにエキドナちゃんが起きた。おぎゃああああああああと盛大に泣き始めた。『おぉ~、よしよし。おっばいが欲しいのね。アタシがあげる』ティタちゃんが言う。んぐんぐと勢い良く飲んでいるエキドナちゃん。どうやらドラゴンの赤ん坊は周囲の環境にすぐ慣れる様だ。しかもお乳を出させるなんてドラゴンってやっぱ凄いんだな~って思っていた時アリエルが『一度、ドラゴンに戻るにはどうしたら良いかしら?』と言い出した。このままエルフ族に化けてても、ドラゴンに戻る条件が分からないと、いつが不意にドラゴンに戻っても困る。ましてや赤ん坊ならまだしもこれから成長して不意にドラゴンに戻ったらと考えると、空恐ろしい。赤ん坊の今のうちにドラゴンに戻る条件を確認したいというのがアリエルの意見だった。激しく同意する。アリエルが年頃の女性だったからドラゴンが光ってお乳が出る様になったなら、アリエルとティタちゃんがドラゴンから物理的な距離を置いたらドラゴンに戻るのではなかろうか?『と言う事でふみ、あなたに一晩預けるわ。アタシとティタのおっぱいは哺乳瓶に入れておくから、それを与えてくれる?で、アタシとティタはそれぞれ家に一晩帰って寝る良いわね?』『は~い。わっかりました!』『え〜っ!明日は金曜日、仕事が…』『1日位、休めないかしら?』『まぁ次の日が土曜日でお休みだから、次の日にしてくれるとありがたい』『わかったわ。じゃあその実験は明日ね!今日はとりあえず、半日離れてみましょう』と言って今からアリエルとティタちゃんが家に帰って物理的な距離を置いてみる作戦に出る事にした。現在時刻は0930お昼御飯の稲荷寿司を渡してアリエルとティタちゃんはそれぞれの家へ帰って行く。ポツンと一人きりになったなら、多少の不安が出て来た。哺乳瓶にありったけのおっぱいを入れてくれたから、授乳は問題ないんだけど、泣き止まなかったらどうしよう。そんな不安がある。そんなこんなで昼メシ時となった。稲荷寿司を美味しく頂いているとエキドナちゃんも腹減ったのかグズり始めたので、哺乳瓶でお乳を与える。よく飲むなぁ。ひと通り飲み終えたら、また眠り始めた。俺も稲荷寿司を食べ終わった。さて午後も良い感じに過ぎて行き、1530時。突然ピカっと光ったかと思ったらエキドナちゃんが人間族の赤ん坊になってしまったでは無いですか?あれ?耳が?人間になってるぅ~!半日たったら、と言うか半日世話した種族に代わる特性があるんだね。エキドナちゃん人間に代わるなんて、お前はとんでもない奴だな。そうこうしてるうちにアリエルとティタちゃんが研究室に帰って来た。『まぁ、人間族になったのね』アリエルが言うと『ホント可愛いのにコイツは〜』とティタちゃんが言う。もう夕御飯の時間だ。夕御飯はペペロンチーノだ。もちろんティタちゃんの分はない。『あっアタシは良いっスよ。干し草があれば生きていけるんで』相変わらず何を言ってるんだろう?干し草だよ?そんなんで良く腹がもつよなぁ?まっ良いんだけどさ。それよりアリエルの反応が気になる。ペペロンチーノを食べた感想は?

圧倒的な「旨味うまみ」に耳がピコピコ動く!

異世界の料理は基本的に塩やハーブ、素材そのものの味が中心です。

日本のペペロンチーノは、コンソメやベーコンの脂、時には隠し味の醤油などで「旨味の相乗効果」が計算し尽くされています。

一口食べた瞬間、未知の奥深い旨味に「んんん~~~っ!」と目を輝かせます。

美味しすぎる衝撃で、感情と連動しているエルフの長い耳がピコピコと激しく動き出すのは仕方ありません。みじん切りにされたニンニクと、オイルが完璧に乳化したトロッとしたソースを見て『ただの油とお野菜(ニンニク・唐辛子)なのに、どうしてこんなに麺と絡んで美味しいの…!? 芙美、これは何の魔法スキルを使ったの!?』と大興奮。

異世界にはない乳化の技術を、日本の高度な料理魔術として解釈しそうです。『おベーコンの塩気と、お野菜の甘みがパスタに染みていて…手が止まらないわ!』と、フォークを回す手が止まらなくなります。

異世界のエルフは基本的に菜食寄りが多いですが、アリエルは日本のジャンクで美味しいものも大好き。山盛りのペペロンチーノをペロリと平らげてしまいます。ペペロンチーノの最大の罠は、食後の強烈なニンニク臭です。大満足でお腹をポンポン叩いたあと、芙美に『アリエル、口の匂いすごいよ(笑)』と言われ、自分の息の匂いに気づきます。『ひゃぅっ!? い、今私、エルフとしてすっごくはしたない匂いを発しているんじゃ…!!』と、顔を真っ赤にして両手で口を覆い、ふみから後ずさりする可愛い姿が見れます。その後、芙美に日本の消臭タブレットやブレスケアを貰って、その効果にまた驚くまでがセットです。さて、夕御飯も食べ終わった所でエキドナちゃんが

またグズり始めた。アリエルがお乳を与えて、泣き止む。さて時刻は1830時。良い感じの時間である。

『アリエル、そろそろ寝ようか。明日も仕事だし』『そうね家に帰りましょうか』アリエルの家に帰って来た。時刻は1845時。現代社会の0645時に目が覚めるはずである。

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