44.渋谷ハロウィン
お盆に『ひとりブックフェア』をやり、9月はなろう発のライトノベルを集めた『ファンタジー特集』をやり……さて10月は何をやろう。
ここまで店番を続けてわかったこと。
『本は無理に売らなくてもいい』
買う人はお店に入った瞬間に、または本に目を留めた瞬間に釘づけになる。探す人は本棚の奥にあるものまで物色して買っていかれる。
興味がない人にアピールしてもムダなのだ。目の輝きが違う。その輝きは老若男女問わず変わらない。
ありがたいことに『魔術師の杖』は、売るのにそう苦労したことがない。
『七日目の希望』というZINEを作ったばかりで、それも並べたいけれど、この空間で何ができるかを試してみたくなった。
テーマを決めて、それに沿った本を並べてみよう。ちょうどハロウィンなら……『毒と錬金術』『Magic&Ghost』とか。
本を売るよりも、「面白い場所がある」とお客さんに印象づけることを目的にした。
テーマに合わせた自分の蔵書も家から持ってきた。申し訳ないことに、家にあるのはどれも大切な本ばかりで、売れる本がほとんどない。
もう読んでなくとも、手放すことを考えたら寂しくなってしまう。お店にくるお客さんたちは、そんな本との出会いを求めて、この書店にやってこられるのだけれど。
その準備をしていたら、漫画の連載が11月1日から始まると連絡が入る。
年明けからの予定と聞かされていたのが、スケジュールが前倒しになるらしい。あと2週間ぐらいしかなかった。
急遽、テーマに『MAGKAN』を追加し、連載作品や新刊のでる作品を紹介することにした。
「販促用にポストカードに印刷して配るので、漫画家さんのサインとサイトのQRコードも入れて宣伝用画像を下さい。掲示にも使います」
担当様にもお願いして、ヒロインの錬金術師ネリアのイラストに、ひつじロボ先生のサインを入れたものを用意して頂く。
用意するのも手間だったろうに、渡された画像は見やすくて、視認性がとてもよい。プロの仕事ってこうなのかと感心した。
ひつじロボ先生を紹介するために、お忙しい制作の合間を縫って5つの質問にも答えて頂いた。
このとき作ったものは今も店頭で掲示したり、なろうで紹介するのに使ったりと大活躍している。
混雑緩和のため自粛要請などもあって、実際にハロウィンの渋谷にくる人は少なくて、雨も降ったため店は閑散としていた。
写真撮影用に『タラ・ダンカン』や『ゴーストハント』などを並べた。あとは『毒』展のパンフレット。
駅直結で便利な場所だけれど文庫本などが好まれ、荷物になるような全集は売れない。
今では稀少本となった『タラ・ダンカン』にもメリカリを参考に値段をつけたけれど、やっぱり売れなかった。もちろん「買って帰りたい!」と悩むお客さんはいらした。
私としては表紙を並べてみたかっただけなので、それはそれでホッとする。
そして11月1日にコミカライズ第1話が公開された。










