別れと希望
春休み
7:00
愛美「おはよー。お母さん。」
母親「おはよー!目玉焼き焼いてるから少ししたら朝ごはんにしましょう。」
愛美「ありがとう。今日はよろしくね!私、可愛いラッピング用の袋と便箋買って来たんだ!」
母親「そうなの!きっとマミちゃん喜ぶわね。」
愛美は春休みの朝、母親が居る。それだけでなんだか嬉しかった。
目玉焼きの焼ける音と味噌汁の香りがする。
母親は、ご飯とサラダと目玉焼き、味噌汁をサッと用意してくれた。
母親「食べよう!」
愛美「うん。いただきます!」
愛美「紅茶のクッキー何時頃から作る?」
母親「少しゆっくりテレビでも観て、10:00頃から始めようか?愛美ちゃんとゆっくり過ごすの久しぶりだし。」
愛美「そうだね。」
一時の間、愛美は母親との時間を心から楽しんだ。
10:00
母親「始めようか。」
愛美「うん。よろしく!」
母親「まずは計量ね。お菓子作りはここを正確にするの。愛美ちゃん計ってみる?」
愛美「やってみるよ。」
薄力粉、砂糖、バター、紅茶を計量し、卵を解く。
母親「じゃあお母さんがバターを練るから、愛美ちゃん、少しづつお砂糖入れてね。」
愛美「はーい!」
母親「それから玉子も少しづつ入れて。」
愛美「うん。」
母親「よし!薄力粉を振るいにかけたら、これに入れてヘラで切る様に混ぜるの。愛美ちゃんやりたいでしょ。」
愛美「うん!」
母親は薄力粉を振るい差し出す。
愛美「切るように纏めてと。」
母親「最後に紅茶の葉を練り込むわ。」
愛美「はーい!」
母親「生地が出来たわね!ラップして冷蔵庫で30分寝かせるわ。」
二人は手を洗い、エプロンをひとまず外す。
母親「待ってる間、残りの茶葉で紅茶入れて飲まない?アールグレイだからいい香りよ!」
愛美「賛成!」
母親は紅茶を淹れてくれた。
アールグレイの上品な香りが漂う。
愛美「いい香り。」
紅茶を飲み終え、ひと息つくと30分が経過した。
母親「これから楽しい型抜きだよ!」
二人は再びエプロンをして、手を洗う。
母親が生地を丁度いい厚みに伸ばしてくれた。
愛美「型、見せて!」
母親が色々な形の型抜きを取り出して愛美に見せる。
愛美「うわー!このアヒルの型、可愛い。うさぎやお花の形もある!」
母親「さぁ、出来るだけ沢山型抜きしよう!」
型抜きが終わると予熱したオーブンに並べていく。
焼き上がってくると、家中に甘い香りが立ち込み、愛美は幸せな気分になった。
クッキーが焼き上がり、母親が耐熱マットを敷いた所に、ミトンを両手にしてオーブンから鉄板を取り出す。
母親「いい焼き加減ね。一つ食べてみようか!」
愛美「うん!私、お花の形がいいな!」
母親「いいわよ。」
愛美「美味しい!やっぱりお母さんのクッキー美味しいよ!」
母親「今日は二人で作ったの。合作よ!美味しく出来て良かったわね!」
愛美「うん!」
母親「冷めて来たわよ!マミちゃんに上げる分ラッピングしなさい!」
愛美「はーい!」
愛美は買って来たいちご柄の袋に、崩れない様丁寧にクッキーを入れて行く。
愛美『アヒルにうさぎ、お花を二つづつ…後一つ、おまけしちゃお。』
それから、便箋を取り出し、メッセージを書く。
Dearマミ
『今まで仲良くしてくれて、本当にありがとう!
マミと過ごした毎日は私にとって宝物です。
辛い時も、楽しい時も、傍に居てくれてありがとう。
マミも新しい学校、不安だと思うけれど、マミならきっと大丈夫!
応援してるよ。
ずっと親友だと思ってるから、LINEとか、またしようね!私も寂しいけど、前を向いて頑張るよ!また、絶対会おうね!』
fromイツミ
愛美「よし!」
クッキーとメッセージカードを紙袋に入れて、明日の準備をした。
明日はマミの引越しの日。
愛美は寂しい気持ちもあるが、不思議とあの孤独感は消えていた。




