表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アルビトリウム  作者: 新条満留
第四章 愛戦士
PR
67/492

反撃

反撃


 マモルは走りながらグラディウスを抜き放ち剣と心を繋いだ。剣が炎に包まれ始めた。彼の瞳が赤い光を放ち始め、髪が赤く変色して炎のように逆立った。そして全身が赤い光りに包まれていった。彼は全力で走り始めた。彼に付いてきたソールや中隊をどんどん突き放して進んで行った。

 「また一人で突撃を!」

 ウヌスは悔しがった。

 「いくら何でも無茶過ぎる! 敵は二万もいるんだぜ。隊長を守らなくちゃ!」

 ドゥオが大声で言った。

 「ああ、私たちの大事な隊長をやらせるかっての!」

 カトルが鋭い目つきで叫んだ。

 「でも、無理みたいです。もう隊長は敵の中に斬り込んでますよ」

 クインクが困惑した顔で言った。

 「まだ俺たち半分も走ってないのにもう敵に取り付くなんて…」

 セクスは必死に走ったが魔道士は戦士より足が遅いのでウヌスとドゥオにも追い付けなかった。

 「エルフ族が頭上を通り過ぎて行くぞ! 隊長は一先ひとまず彼らに任せよう」

 トレスが空を見上げながら言った。


 マモルが敵の右翼に辿り着いた時、敵は彼の存在に初めて気づいた。彼は地面を一蹴りするだけで普通なら何十歩も掛かる距離を進むことができるため、敵に足音を感づかれずに近づくことができた。彼はグラディウスを薙ぎ払い、最右翼の数十体の敵を炎で消し去った。敵はそこでようやく連合軍の奇襲だと気づき彼の後ろから何百人もの人族の軍勢が接近しつつあるのを知った。ブルキング族の右翼が側面攻撃に対応しようと慌てて動き始めた時にはマモルはもう敵陣深く入り込み、敵を薙ぎ払いながら更に奥へと進んで行った。

 彼の後ろから付き従っていたエルフ族が、空から風の矢と雷撃で彼を支援し始めた。ブルキングたちはその時になってやっとエルフ族の存在を知った。だが、その時にはもう手遅れだった。今度は最右翼にやっと辿り着いたウヌスとドゥオが混乱している彼らに襲い掛かり三百人以上もいる魔道士たちが魔法攻撃で彼らを支援し始めた。マモルがいるためその力を発揮する機会を失いつつあったが、ウヌスとドゥオは特選部隊ソールの隊員だけあって普通の戦士とは格が違っていた。彼らはマモルによって混乱に陥っていた敵の右翼に追い討ちを掛けるように、敵が態勢を立て直す前にブルキングたちを次々と倒していった。

 不意打ちの側面攻撃と空からの攻撃によりブルキングの右翼が大混乱に陥っていた時、彼らの正面から攻撃して苦戦を強いられていた騎乗隊が徐々に敵を押し返し始めた。

 マモルは既に敵陣深く入り込み妖獣王バンロウのいる本陣に迫っていた。彼はバンロウを視界に捉えていた。そしてその巨体を見てファルに向かってこう呟いた。

 「嘘だろ……あんなに大きいのか妖獣王って……」

 マモルの前に現れたのは彼の身長の軽く五、六倍はあると思われる四足の巨大な黒い狼だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ