奇襲
奇襲
マモルたちは敵の本隊の側面にある森の中からその様子を窺っていた。
「テオ様も人が悪い。俺はカオルを探さなくちゃならないのに戦争に駆り出すなんて…」
マモルは不服そうに言った。
「でも彼も言ってたじゃない。彼女が捕まってたらここにいるかもしれないって」
ファルは彼の肩の上に座っていた。
「それはそうかもしれないけどさ、もし違う所にいたら無駄骨になるんだぜ」
「いえ、この戦争に参加することは無駄骨にはなりませんよ、隊長」
副最長のウヌスは彼の右隣りの木に隠れて彼と同じように敵の様子を見つめていた。
「そうだよ、隊長。これは人族の命運を懸けた戦いなんだ。この戦争に負けたら次は城が襲われるんだよ。そうなってもいいっての?」
カトルはマモルの左隣りの木にいた。
「良くはないけど…今の俺は……とにかく複雑な気持ちだ……」
マモルは俯き加減になって言った。
「でもこの作戦はきっと成功しますよ。敵は俺たちに気づいてないようですし、不意打ちできそうです」
トレスはマモルの後ろの木に隠れていた。
「騎乗隊が苦戦していますが、きっとこの側面攻撃で敵は総崩れになるに違いありません」
トレスの隣りにいるドゥオが言った。
「ええ、ドゥオの言う通りですよ。きっと上手くいきます」
地面にうつ伏せているセクスが言った。
「隊長、合図をして下さい。そうしたら全員で一斉に突撃です」
いつの間にかマモルの後ろに隠れていたクインクが言った。
「お前、いつの間に俺の後ろに……」
マモルは後ろを振り向いて言った。
「だって、ここが一番安全なんだもん。エヘッ!」
クインクは舌を出して笑った。
「エヘッってなぁ……分かったよ。これを終わらせないとカオルを探しにも行けないってことだな。じゃあ、さっさと終わらせよう! 行くぞっ!!」
マモルが号令すると彼に従ってソールの隊員と彼に預けられた七百人の魔道士とエルフ族の部隊が突撃を開始した。




