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アルビトリウム  作者: 新条満留
第四章 愛戦士
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マモルの涙

マモルの涙


 マモルたち『ソール』隊はカオルたちのキャンプ地を調査した。そこは放置されて大分時間が経っているように思えた。食事の用意をしていたらしく、食器が並べられ鍋には食材が入ったままで放置されていた。既にテントは砂埃すなぼこりを被り、食器の中にも砂が入っていて鍋の中の食材は腐蝕していた。

 マモルは捜索に出発する前に、カオルたちとの連絡が途絶える前の状況を長老から聞かされていた。それとこのキャンプの状態は合致していた。テントは六つ張られていた。メンバーが四人減って六人になっていたということだったから、この時にはまだ六人は生きていたことになる。

 マモルはここにカオルがいたと考えるだけで胸が張り裂けそうだった。そしてテントの中を調べていると、カオルの物と思われる遺品が見つかった。背嚢はいのうの中を探していたら、カオルが好きそうな装飾品が見つかった。そして彼女の身に付けていたと思われる服や備品があった。

 そして彼女の法具がテントの中に置かれていた。それは『麗波れいはの法器』という円形法具だった。マモルがこの法具の外観と名前を知っている理由は、彼が初めて白仙城に着いた時から折に触れてカオルのことを聞いたりしていたからである。この法具は特定の者にしか扱えないと聞いていた。その言葉の意味するものを彼は知らなかったが、これは間違いなく彼女の物だと確信した。

 「これを持ってカオルは戦っていたんだ…」

 マモルはそう思った。そしてそれを持っているだけで彼は彼女が傍にいるような気持ちになり涙が頬を伝った。そしてそれをよく調べてみて彼は思わず小さな叫び声を上げて滝のような涙を流した。

 『麗波の法器』の裏側に文字が書かれてあった。それは彼女が『マテリア』で残して行った手紙に書かれていたものと同じだった。


 『君に逢ふ もとより知らむ 永遠とわの意を 近しく覚ゆ 今日けふの我かな』

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