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アルビトリウム  作者: 新条満留
第四章 愛戦士
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援軍

援軍


 『仙獣族』の中には他の種族の中で暮らしている者たちがいる。彼らは他の種族の中で働いて生計を立てている。例えばケラススもそうだった。彼女は桜花村に長年住んでいて人族のために働いている。そしてそうした仙獣族の者たちの中にはその身体能力を活かして役立っている者もいる。それが『伝令鳥でんれいちょう』である。彼ら鳥族は遠く離れた場所に飛んで行き、依頼主からの伝達事項をその相手に伝える仕事をしている。

 人族の長老はその『伝令鳥』を使い、カオルがエルフ族と仙獣族との同盟締結に成功したとの報告を既に受け取っていた。

 そして彼はエルフ族の援軍一個大隊七千人が白仙城のすぐ近くまで来ているとの報告も受け取っていた。エルフ族がこれほど大規模な援軍を送ってくれるとは長老も予想していなかった。

 そしてカオルが仙獣族との同盟締結に成功したことを聞いた時は、長老は諸手を挙げて喜んだ。彼はカオルの外交使節としての力量に感嘆した。仙獣族の一個中隊七百人は既に安獣城を出発して白仙城に向かって来ていた。

 長老は長老修道会を召集し、援軍に対する支援物資の運搬指示や行路の案内人の人選、人族の軍編成、作戦方針などを議決した。

 敵の動向の確認に斥候が放たれ、進軍する行路の確認、会戦地点の予測など目まぐるしいほどの指示がなされた。白仙城の人の出入りが激しくなり、開戦が近づいていることを物語っていた。

 しかしカオルたちは帰城する予定日を過ぎても一向に帰って来なかった。

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