カオルの想い
カオルの想い
カオルはバンライ王から同盟締結の書簡を受け取ると、安獣城を後にして道を急いだ。使者の役目を無事終えると、もうマモルに会うことしか頭になかった。既に彼がアルビトリウムに帰っていてもおかしくない頃だった。
しかし彼女はこの旅で四人の従者を失っていた。途中で何度か妖獣族の一団と出会して遭遇戦になってしまったからだった。今は自分の他に従者五人で旅を続けていた。
「予定よりも時間が掛かってしまった。このまま戦いもなく無事に進めればいいんだけど……白仙城に後何日で帰れるだろう?
マモルは私を待ってくれてる筈だ。彼に早く会いたい! もう二年以上会ってないんだもの。彼はどんな様子だろう? アルビトリウムではどんな顔をしてたんだろう? でも大人になって戻って来るとそれ程大きく変化しないと聞いてるから、きっと驚くほど変わってないわね。きっと大人っぽくなってるだろうな。そしてカッコよくなってるに違いない。彼は『ソルジャー』なんだもの。ああ、楽しみだわ!
でも逆も心配よね。彼は私を変わったと思うかしら? 私は太ってないかしら? ここには体重計もないから分からないわ。でも大丈夫! ちゃんと訓練をして身体を絞ってるから。それにこの長旅で痩せたと思うわ。ただ筋肉質になってるかも。ずっと歩き放しだし。日焼けもしてるかもね。でも人族の肌は強いから、きっと問題になるほどじゃないわ。問題は戦う時に髪と目が赤く変わることね。彼はどう思うかしら?
ああ、彼と会ったら彼を抱き締めよう! そしてあの日のように口づけを交わしたい。どうして私は飛べないのかしら! 速く走れないのかしら! ハルカのように飛べれば、今すぐ彼に会いに行くのに!」




