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アルビトリウム  作者: 新条満留
第四章 愛戦士
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ソルジャー

ソルジャー

 

 ウヌスたちの戦いも決着が着いていた。彼らは全員マモルの方を向いて呆然として立ち尽くしていた。

 「何だったんだ、今の……一体、何が起こったんだ……」

 カトルが呆気に取られた表情で呟いた。

 「……分からん…だが、あれは隊長だろ? …何で赤く光ってるんだ? ……」

 ウヌスは目を丸くしていた。

 「あれは…『ソルジャー』……じゃないの?」

 クインクが言った。

 「『ソルジャー』…ってそんな筈は…彼は『マテリア』に落ち込んだって…」

 トレスが言った。

 「でも、確かにあんな戦い方ができるのは彼しか……」

 ドゥオは槍を地面に突き立てて言った。

 「白仙城に伝わってる話では――


 『赤い目と髪を持ち全身が燃えるように光を放つ戦士。一振りの『エクリクス』という剣を持ち、剣を天にかざせば光の剣の雨を降らせ、剣を振るえば火炎の渦で敵を焼き尽くす。妖獣族の王たちを何体も倒し封印した者。

 『諸族の城』で特殊部隊『ポルソアメオ』に属し、幾つもの戦功を立て続けた無敗の戦士。そして栄光の最強敬称『ソルジャー』と最高称号『テネレ』を戴いた。

 その力を恐れた妖獣族の皇帝『サムン・マールム』が妖獣族を結集させて『諸族の城』を襲撃した。そして彼の善戦も虚しく『月の扉』に落ち込み姿を消した』


 確かそんな話だった」

 セクトが説明した。

 ウヌスたち六人は赤い光に包まれたマモルの所に歩いて行った。

 「あ、あの、あなたは『ソルジャー』だったんですか? 『ルーベラ・ステラ・テネリクス』…そうですよね?」

 ウヌスは背中を向けているマモルに訊ねた。

 マモルは彼らの方にゆっくりと身体を振り向けると静かに頷いた。

 「おめでとうございます、『ソルジャー』!」

 『ソール』のメンバーは全員ひざまずき頭を下げた。

 『猛禽の草原』にはマモルたち七人だけが立っていた。一陣の風が音を立てながら草原を吹き抜けて行った。空はオレンジ色に染まり、草原は夕暮れの冷たい空気に包まれ始めていた。

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