寿命
寿命
隊員たちの構成は戦士は三人とも男で四人の魔道士は男女が半々だった。
アルビトリウムはマテリアと表裏一体の世界のため違和感を感じることはあまりなかった。自然、風景、一日の長さ、時間感覚、人の五感などは殆どがマテリアと差がないとマモルは感じた。
著しく違うのは身体能力だけだった。その中でもマモルが最も違和感を感じたのは年齢差と外見だった。アルビトリウムの殆どの種族は全般的に寿命が長い。
人族の場合はおよそ五百年生きる。隊員たちの中には百歳を越える者もいるが、外見の年齢はどう見ても二十代の青年のようにも見えるし、同い年の女性なのに歳上の女性に見える。
その原因は人族の場合は成長が早くて幼年期が非常に短い。そして青年期が著しく長いかららしい。その代わり寿命が近づくと急速に衰えるということだった。
人族の長老はもう老年期に入っていて間もなく寿命を迎えるという。間もなくと言っても後三十年ほど生きるだろうと言う。
そのためにマモルは年齢という感覚が分からなくなってしまっていた。だから彼はあまり年齢を気にしない方がいいと考えた。アルビトリムの人々も年齢差というものをあまり気にしないということだった。百歳差の夫婦も当たり前にいるらしい。
ステラが何歳だったのかはファルも知らなかったらしい。いや正しく言えば、問題にしなかったということだった。何故なら『幻霊族』はもっと長く生きられるからだ。
そしてマモル小隊は思慕川という川沿いを東へ向かって進んだ。河岸には一本の細い道がありどこまでも川に沿って築かれていた。川と道の間には草が茂り、道を挟んだ川の反対側には森が広がっていた。
そして出陣して一日目の夜が訪れようとしていた。




