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アルビトリウム  作者: 新条満留
第三章 アルビトリウムの光
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城塞都市

城塞都市


 「あれが人族の城塞都市『白仙城』よ」

 ケラススが遠くを指差して言った。マモルはその指の先を目で追うと、遠くの山の頂に空に向かってそびえる白い尖塔が建っているのが見えた。

 「随分大きそうですね」

 マモルは目を見張った。

 「あの山頂付近に城壁が張り巡らされていて その中には三万人ほどの人々が住んでるわ。さらに山麓も城壁に囲まれている二重構造になっていてその内側に居住区があるのよ。全部で二十万人ほどの人々が生活している人族の本拠地なの」

 ケラススが説明してくれた。

 「凄いなぁ。山が全部城になってるなんて。あんなに高くて大きな建物見たことない。塔の天辺が雲に隠れて見えない」

 マモルは感嘆していた。

 「着くまでにはまだ時間も掛かるし、夕暮れも近づいてるから今日はもうどこかでキャンプしましょう」

 ケラススは提案した。

 彼女は夜になると鳥に姿を変えて木の枝で夜を明かす。その方が余計な荷物を持たないで済むからだと言っていた。

 「便利だな」

 マモルは少し羨ましく思った。

 夜になるとマモルはいつものようにテントの中でファルと語り合った。

 「いよいよね。あの城に着いたら長老たちに会うことになるけど、皆があなたのことを待ち望んでいる筈よ。でも今のあなたは昔とは違っているから、皆がどんな反応するか分からないわ。それでも、あなたに期待している人々は沢山いるからどんなことがあっても挫けないでね」

 ファルはマットに横になっている彼の胸の上に座っていた。

 「分かった。俺はこの世界が好きだ。今はちゃんとした目標もある。俺は強くならないといけないんだ。お前のお蔭で俺はここまで来れた。ありがとな、ファル!」

 マモルはファルに微笑んだ。

 「うん。頑張ってね、マモル! 私はいつでもあなたの味方よ」

 ファルはそう言うと彼の胸の上でうつ伏せになって目を瞑った。

 「カオルともうすぐ会える。やっと望みが叶うんだ」

 マモルはそんなことを思って眠りに就いた。

 「いよいよあなたはカオルに会うことになるのね。あなたの夢が叶うのね。でも私は……」

 ファルの頬を涙が伝った。

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