表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アルビトリウム  作者: 新条満留
第二章 アルビトリウムへ
32/492

疑問

疑問


 護の頭は混乱していた。今聞いた話をどう捉えていいか分からなかった。そんな事が現実にあるとはとても思えなかった。悪い夢なら早く覚めて欲しかった。何もかもが分からなくなった。しかし香も遙も現に不可思議な死を遂げている。それでも今の話を信じろというのは無理な話だった。

 「少しだけ確認しておきたいことがあるんですが、その『アルビトリウム』という世界に帰るのに『クラヴィス』があればいいとしたら、どうして今まで連れ帰ろうしなかったんですか? もっと子供の内に連れ帰っても良かったんじゃないですか?」

 護は怪訝けげんな顔をして訊ねた。

 「それはあなたが敵から狙われているからよ。もし子供の内に連れ帰れば、今あなたがこの『マテリア』で過ごしている姿で帰ることになるの。そして本来ならここで一生を過ごさなければ帰れない者を強制的にアルビトリウムに帰す場合は、『クラヴィス』を十年間この世界に置いておかなければならない。この世界の持つ波長に『クラヴィス』を同調させるためにこの世界で十年の年月が必要なの。あまり早く渡してしまったら、『アルビトリウム』に帰った時に身体的に劣っているあなたは妖獣たちの格好の餌食になってしまうわ」

 ファルは答えた。

 「もう一つ訊かせて下さい。香たちはどうして俺を追って来たんですか? 『アルビトリウム』で俺を待っていても良かったんじゃないんですか?」

 ファルは彼の顔をじっと見つめた。

 「それは二人ともあなたを愛していたからよ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ