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アルビトリウム  作者: 新条満留
第八章 冥塔の三王
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悪夢

悪夢


 「……モル……マモル!」

 誰かが呼ぶ声がした。

 「…う…誰だ? …」

 マモルは目を覚ました。

 「私はお前だ」

 その声が答えた。

 「えっ!? 『お前だ』って…どういう……」

 マモルは起きようとしたが、身体が動かなかった。

 「私はステラ。お前を生み出した者だ」

 ステラと名乗った声が言った。

 「ステラって……一体……?」

 「お前は私の影、本当の私ではない」

 「一体、何を言っているんだ!? 俺がステラだ!」

 マモルは怒気を含んだ声で言った。

 「お前はステラと思わされた生きた人形なんだ。この私が本当のお前だ」

 「どういう事だ!? 俺は操り人形だというのか?」

 「いや、そうではない。お前は自分の意志を持った私の人形だ。お前はお前だ。だがお前は私から分岐した存在。いや正確に言えば、分岐させた存在だ」

 「…そんな……そんな馬鹿な! 嘘だぁあああ!!!」

 マモルは涙を浮かべて叫んだ。

 「本当だ。私が生き続けるためにはお前が必要だった」

 「ど、どうして……どうして……?」

 マモルは涙を流して呻くように言った。

 「いいか、よく聞くんだ。これには世界の命運が懸かっている。これからアルビトリウムに恐ろしいことが起きようとしている。全て失くなるかどうかの瀬戸際にいる。世界を救うために、私にはお前が必要なんだ。私の元に戻ってこい」

 「戻ってこい…一体、どうやって?」

 「『カリバーン』が鍵だ!」

 「『カリバーン』? 一体、何だそれは?」

 「『封印の剣エンシャソード』が二つ揃った時、『カリバーン』が復活する」

 「意味が分からない。どうすればいいんだ?」

 「二つの剣を合わせろ。その時、『カリバーン』が復活する」

 「合わせる…復活するとどうなるんだ?」

 「後は『カリバーン』が教えてくれるだろう」

 「……分からない…どうなってるんだ…俺があなたの影だって…今まで俺が生きてきたことは全て嘘だというのか!? ……うっ……そんなの酷すぎる……」

 「『時空の扉』を探せ! 私はそこにいる。その時に全てを教えよう」

 「どこにあるんだ?」

 「『諸族の城』の西にある『呪詛の沼』。そこでお前はお前と出会うだろう。私はお前を待っている……」

 声はそれで途絶えた……

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