悪夢
悪夢
「……モル……マモル!」
誰かが呼ぶ声がした。
「…う…誰だ? …」
マモルは目を覚ました。
「私はお前だ」
その声が答えた。
「えっ!? 『お前だ』って…どういう……」
マモルは起きようとしたが、身体が動かなかった。
「私はステラ。お前を生み出した者だ」
ステラと名乗った声が言った。
「ステラって……一体……?」
「お前は私の影、本当の私ではない」
「一体、何を言っているんだ!? 俺がステラだ!」
マモルは怒気を含んだ声で言った。
「お前はステラと思わされた生きた人形なんだ。この私が本当のお前だ」
「どういう事だ!? 俺は操り人形だというのか?」
「いや、そうではない。お前は自分の意志を持った私の人形だ。お前はお前だ。だがお前は私から分岐した存在。いや正確に言えば、分岐させた存在だ」
「…そんな……そんな馬鹿な! 嘘だぁあああ!!!」
マモルは涙を浮かべて叫んだ。
「本当だ。私が生き続けるためにはお前が必要だった」
「ど、どうして……どうして……?」
マモルは涙を流して呻くように言った。
「いいか、よく聞くんだ。これには世界の命運が懸かっている。これからアルビトリウムに恐ろしいことが起きようとしている。全て失くなるかどうかの瀬戸際にいる。世界を救うために、私にはお前が必要なんだ。私の元に戻ってこい」
「戻ってこい…一体、どうやって?」
「『カリバーン』が鍵だ!」
「『カリバーン』? 一体、何だそれは?」
「『封印の剣エンシャソード』が二つ揃った時、『カリバーン』が復活する」
「意味が分からない。どうすればいいんだ?」
「二つの剣を合わせろ。その時、『カリバーン』が復活する」
「合わせる…復活するとどうなるんだ?」
「後は『カリバーン』が教えてくれるだろう」
「……分からない…どうなってるんだ…俺があなたの影だって…今まで俺が生きてきたことは全て嘘だというのか!? ……うっ……そんなの酷すぎる……」
「『時空の扉』を探せ! 私はそこにいる。その時に全てを教えよう」
「どこにあるんだ?」
「『諸族の城』の西にある『呪詛の沼』。そこでお前はお前と出会うだろう。私はお前を待っている……」
声はそれで途絶えた……




