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アルビトリウム  作者: 新条満留
第八章 冥塔の三王
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制圧

制圧


 二千体余りいた小魔人と鳥獣は残り三百体ほどまでに減っていた。だがアイルの火鳥は姿が薄くなり消え掛かっていた。ハルカのクシアも既に効果が消え掛かり、身体を覆う光が消えようとしていた。

 突然、小魔人たちは洞窟の更に奥へ向かって逃げ始めた。もうかなわないと思ったのだろう。マモルたちは彼らを追い駆けた。

 「逃がすな、追うぞ!」

 マモルは皆に号令した。

 戦いはマモルたちの追撃戦へと移行した。マモルは物凄い速度で敵の背後に迫り次々と敵を消滅していった。アイルの火鳥も彼らと一緒に敵を追撃していたが、洞窟の途中で消滅してしまった。でもマモル、シンジ、そしてハルカは空を飛ぶことができる。マモルが地上の敵を攻撃しているので、シンジとハルカは空の魔鳥を攻撃した。ティグリスもマモルに負けていなかった。彼から少し離れた右側に並んで進み、それぞれ敵を倒していった。アイルは白豹に変身して背中にカオルと気絶しているプエルを乗せて、マモルたちより少し後ろを走っていた。

 洞窟は真っ直ぐに奥へと続いていた。追撃戦に移ってからマモルたちは僅かの間に二百体余りの敵を倒していた。洞窟は途中から上り階段に変わった。そして階段の先には大きな扉がありそこで行き止まりになっていた。小魔人たちはその扉を開けようとしていた。しかし扉が大き過ぎて、魔人たちは開けるのに苦労しているようだった。魔鳥たちは逃げ場を失いシンジとハルカの方に立ち向かってきたが、シンジの素早い矢の連射攻撃とハルカの風系魔法の餌食となった。マモルとティグリスは小魔人たちを攻撃範囲に捉えると僅かな時間で全員を倒した。

 マモルたちは遂に小魔人たちを全滅することに成功した。

 内開きの扉は少しだけ開いていてその先の様子が分かった。扉の先は長い上り階段になっていた。恐らくその先が『瘴地の冥塔』へと続いている筈であった。

 しかし、洞窟に入ってから既にかなりの時間が経っていた。

 アルビトリウムの者たちは時計という物を必要としない。時刻を感知できる能力ちからを持っているからだ。だから今、外が夜だということを誰もが知っていた。

 彼らは相談して城への潜入は明日にすることにした。彼らは携帯食のポコの実と干し肉を食し、ファルに身体や服の汚れを浄化して貰った。そしてファルの羽根で作ったテントとベッドで全員眠りに就いた。

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