エルフ族の覚悟
エルフ族の覚悟
マモルたちが樹海城に入城すると、案内役の侍女に彼らのために用意されていた宿舎に案内された。彼らはその日、そこで旅の疲れを癒やした。翌日、彼らはエルフ族の長エルフィナがいる宮殿の円卓の間に案内された。
樹海城は台地を覆う密林の中にあった。台地の頂に密集する大木を利用して城塞都市の構えにしたのがこの城である。宮殿は大きな鉱石を積んで造られたかと思えるほど彩色が豊かで光り輝いていた。円卓の間の最奥部にはオベリスクのような高い塔があり、その天辺に水の塊のようにも見える球体の玉が置かれていた。それが眩い光を放ち部屋全体を照らしていた。その塔の前にエルフィナが女王然として金色の大きな椅子に腰掛けていた。部屋の中央には大きな円卓が置かれてあった。その周囲に椅子が等間隔で十二脚据えられ、どちらもガラスのように透明だった。
長エルフィナは腰まである長い金髪に透き通るような白い肌を持ち、張りのある艶やかな顔は整然とした美の象徴という印象だった。
「ようこそ樹海城へ! あなた方が我々の要請に応え、この樹海城にいらして下さったことに感謝します」
エルフィナは透明感のある声で言った。
「エルフ族と人族は同盟関係にありその要請に応えるのは当然のことです。また前の戦争では思わぬ大軍を寄越して下さり、また長期に渡ってその軍隊を駐留させて保護して頂くという恩義を頂きました。人族はそのご恩にもお報いしなければなりません。我々は微力ではありますが、エルフ族の平和を維持するためにご協力させて頂きたいと思います」
マモルは畏まって答えた。
「我々仙獣族はこの度の妖獣族との戦争で、派遣して頂いた貴国の派遣軍に多大な損害を齎してしまったことに対し深くお詫びを申し上げます。そしてこの度、貴国の援軍要請を受けましが、我軍の損害甚だしくそのご要望に十分にお応えすることができない情勢です。我々二人だけではありますが、大軍に等しい働きをしてくるようにとバンライ王からもきつくお言葉を賜っております。どうぞ我々に何なりとお申し付け下さい」
ティグリスが毅然とした声音で言った。
「今回の人族と仙獣族の厄災は我々にとっても悲嘆に耐えない事態でした。妖獣族の欲望に任せた大東原への侵略は許し難きこと。今こそ奴らに目に物を見せてやらねばならぬ時です。もう二度と妖獣族が暴挙に出られないように奴らのアジトを粉砕し、諸族の力を思い知らせてやるのです!」
エルフィナは立ち上がって威厳に満ちた声で言った。




