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アルビトリウム  作者: 新条満留
第七章 封印
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目覚め

目覚め


 マモルがゆっくりと目を開けると、目の前に人型になったファルが心配そうな顔で彼の顔を覗いていた。

 「ファル……会いたかった…」

 マモルは涙を浮かべて力なく呟いた。

 「マモル……良かった…」

 ファルも涙を流して彼の胸に顔を埋めた。

 マモルは意識が朦朧もうろうとしていた。そして意識が徐々にはっきりしてくると、彼はベッドに寝ていることに気づいた。それは彼が宿屋で眠りに就いた時と同じベッドだった。しかし彼はファルの様子がおかしいと感じた。彼女が何故こんなに泣いているのかが分からなかった。

 そしてカオルが部屋に入って来た。彼女は彼の所に駆け寄り、ファルと同じように涙を流して言った。

 「気が付いたのね! もう心配したんだから!」

 「一体、何が……」

 マモルは事態が飲み込めなかった。

 「分かってないのね。あなた三日も眠ったままだったのよ!」

 カオルが教えた。

 「三日…冗談だろ?」

 「ホントよ、あなたが目を覚まさない理由が分からなくて、皆心配したんだから!」

 カオルは涙を拭きながら言った。

 それからが大変な騒ぎになった。次に部屋に入って来たのがハルカだった。ハルカはマモルの足に抱き付いて大声で泣き始めた。次にシンジが部屋に入って来ると、彼が腕に抱いていたプエルが床に飛び降りて、泣き叫びながらマモルのベッドに駆け寄り、途中で高くジャンプしてマモルのお腹に急降下した。マモルはうめき声を上げて苦しがった。シンジはその様子を見て大笑いした。

 皆が落ち着いてからマモルは事情をいた。その話によると、彼は優心村に入った初日に眠りに就いてから三日間も目を覚まさず、ファルやハルカがあらゆる回復魔法を送っても目覚めなかったらしい。医者に見せても目覚めない原因が分からず途方に暮れていたということだった。

 マモルは眠っている間に見た夢のことをい摘んで皆に話した。皆は彼の話を深刻な表情で聞いていた。そしてカオルとハルカも村の公園にあった石像のこと、そこで出会った老人から聞いた村に伝わるその石像にまつわる言い伝えのことを皆に話した。マモルは彼女らの話で夢に出てきたモトの過去を知ることができた。

 そしてマモルの見た夢は決して夢ではなかったと誰もが確信した。眠っていた彼の右手には二振り目のエンシャソードが握られていたからである。

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