プエルのこと
プエルのこと
カオルはプエルを連れて仙獣族の孤児院に向かった。
「なあ、カオル、ワシも一緒にお主たちと一緒に人族の地に行っては駄目かのう?」
プエルはカオルの左隣りをトボトボと歩いていた。
「だって同じ種族の仲間がいる方がいいでしょ? それにあなた人族のこと嫌いだったんじゃないの?」
カオルはそう言って彼を諭した。
「う、うん……」
プエルは寂しそうに頷いた。
「どうして人族のこと嫌いなの?」
「人族は自然を壊して自分たちの居場所を造るからじゃ! そうじゃ、そんなことする奴らは嫌いじゃ!」
こうしてプエルは仙獣族の元で暮らすことになった。
しかしその次の日マモルとカオルが二人で町を歩いているとプエルが彼らの前を走り抜けた。すると彼の少し後から狼、豹、そして獅子の子供たちが彼を追い駆けて来た。
「待てぇ!」
狼の子供が怒った様子で叫んだ。
「こいつぅ、逃げ足の速い奴だ!」
豹の子供が言った。
「どうしたんだ、君たち?」
マモルは彼らが通り過ぎようとした時に声を掛けた。
「あいつが僕たちの遊び場に落とし穴をしかけたんだ」
獅子の子供が怒った調子で言った。
「でも、そんなに大勢で追い掛けるなんて卑怯じゃないのか?」
マモルは彼らを見回して諭した。
「あいつは気に入らない。新入りの癖に生意気な口を利くし皆も頭にきてるんだ」
狼の子供が言った。
そう言い残すと仙獣族の子供たちはプエルを追い掛けて行った。
「うーむ……困ったもんだ。まあ、あいつは協調性ということを少し学ばなくちゃいけないからな。色々経験して角が取れていくもんだから仕方ないことだが、あまり行き過ぎると変な方向に性格が曲がるからな。あいつがそんなことにならなければいいけどな…」
マモルは自分の子供の頃を振り返って思った。
「そうねぇ……ねえ、マモル、あの子を人族の所に連れて行ってあげたらどうかな?」
カオルは彼を見つめた。
「だって、あいつ、人族のこと嫌いなんだろ?」
マモルは彼女を見つめた。
「そう言ってるけど、本当はその逆なんじゃないかな? だってあの子、あなたに一番突っ掛かるけど、夜寝る時はいつもあなたの傍で寝てるじゃない。きっと、あなたのことが好きなんじゃないかな。ただ素直になれないだけで」
カオルは笑顔で言った。
「うーむ……まあ、俺はあんまり人に強制するの好きじゃないからな。あいつの意志に任せたらどうだ? 自分でそうしたいって思ったら、自分から何か行動を起こすんじゃないか?」
マモルは思案顔で言った。
「そうかしら…意地が邪魔して本心が言えないってこともあるんじゃない?」
カオルは心配そうに言った。
「まあな……難しいところだな……」
その時、後ろから声を掛けられた。
「マモル様、バンライ王がお呼びになっておられます。王宮までお越し願います」
伝令鳥の男が伝えに来た。




