エンシャソード
エンシャソード
バンライ王は満面の笑顔を讃えてマモルたちを見回した。
「いやいや、見事と言うしかない。まさか援軍が到着してたった一日で決着が着くとは思いもしなかった。いや、当に評判通り、いやそれ以上の実力じゃった! どんな感謝の言葉でも物足りぬ。とにかくステラ殿…いや、マモル殿じゃったな、そなたの活躍は未来永劫、仙獣族の間で語り継がれるであろう」
王は興奮のあまり声が上ずっていた。
「お褒めに預かり、身に余る光栄でございます。私の働きなど命を懸けて戦った仙獣族の兵士の方々や他の兵士たちに比べれば、毛筋ほどのものではありません。どうかこの戦いで犠牲になった者たちを手厚く葬ってあげて下さい」
マモルは跪いて返礼の言葉を申し述べた。
「いやいや謙遜には及ばん。貴君がいなければ下手をすれば、この城も危うかったであろう。こうして皆無事でいられるのも一重に貴君のお蔭だ。だが貴君の言に従って戦死した者たちは、その亡骸を集めそれぞれ手厚く葬ることにしよう。それぞれ国のために戦った勇敢な兵士たちだからのう。
ところで今夜は戦勝を祝って細やかながら祝賀会を設けるつもりだ。どうか貴君たちも出席して楽しんでいって貰いたい。貴君への褒美も用意してある。皆の前で私からお渡ししたい」
バンライ王はそう言ってマモルたちの労をねぎらった。
マモルは祝賀会で戦争の英雄として誰からも賞賛を受けた。そしてバンライ王から仙獣族に代々伝わってきた『パージレット』という金の腕輪を貰った。その腕輪については様々な伝説があるが誰も使い方や効果を知らなかった。だがそれ自体が高価な金でできているため宝物としての価値もあるということで彼に贈られた。
そしてグラディウスを失ったマモルに、王は仙獣族に伝わってきた宝剣『エンシャソード』を授けた。この剣は真の主を得た時に、剣に秘められた本当の力を顕現するという言い伝えのある剣だった。元々は双剣だったと言われているが様々な人々の手を経由している内に片方の行方が分からなくなり、仙獣族の手に渡った時には既に単剣だったという。
マモルはこの仙獣族の二つの宝物を戴き、安獣城に自由に入城していていいという永久通行権を授けられた。
人族の派遣軍は城内に宿泊所を貰い受け、行軍の疲れが癒えるまで安獣城で自由に過ごすことを許された。




