折れたグラディウス
折れたグラディウス
マモルとカオルは見事な連携攻撃で敵を次々と倒していった。マモルが敵を引き付け、カオルがその間に魔法を詠唱して攻撃を繰り出す。息の合ったその攻撃はかつて彼らが『ポルソアメオ』にいた時の姿も同じだったのではないかと思えた。しかしその時にはシンジやハルカもいた筈で、彼らがどんな戦い方を展開していたのかはファルしか知らない。だが彼らがどんな戦い方をしていたにせよ、二人だけでこんな攻撃ができるのだからそれは恐ろしい強さだったことは想像できた。
そしてソール隊のメンバーも、彼らの後に敵に取り付き彼らの援護をしていた。マモルやカオルには及ばなくても、人族の中でトップクラスの兵士たちだけあってその攻撃力や連携は人族の他の兵士たちとは格が違っていた。
遂にマモルは妖獣王ハイロウの姿を視界に捉え、そこを目指して進撃していた。
「マモル、ハイロウはバンロウの兄よ! そしてバンロウより小さいけど、ずっと強いから気を付けてね!」
ファルが忠告した。
「あんなに小さいのにか?」
マモルは彼の炎者鎧から顔を覗かせているファルに訊ねた。
「ええ、だってバンロウは妖獣王の中で一番弱い王だから」
「ホントか!? だったら俺はこいつを簡単に倒すくらいじゃないと駄目だってことだな?」
「今のあなたならできるわ! 最初とは比べ物にならないくらい力を取り戻してるから」
「分かった! やってみる!」
マモルはハイロウのいる方にグラディウスの剣先を向け炎の柱を放った。二人の間にいた敵は消滅したがハイロウの手前で炎は弾かれた。障壁を使ったらしかった。
「なるほど、あれを弾くとは確かにバンロウよりはやるようだな! だったらこれならどうだ! マモルは空中に飛び上がるとグラディウスを上段に構えハイロウの身体に振り下ろした。ハイロウは驚いたことにその剣を左腕で受け止めた。
「なっ! なにぃっ!!」
マモルは驚いた。
「フフフフ! 馬鹿めが! ワシの身体は剣など受け付けんのだ。お前は一体何者だ!?」
ハイロウはほくそ笑みを浮かべた。
「ルーベラ・マモル・エクリクスだ! 妖獣王ハイロウ、これでも喰らえ!! ウオォオオオオ!!!!」
マモルはグラディウスをそのまま押し切ろうとした。剣身の炎が激しく燃え上がり、ハイロウは左腕に力を送り腕が黒く光り始めた。次の瞬間グラディウスの剣身が真っ二つに折れてしまった。
「グラディウスが……折れた……」
マモルは地面に着地して折れた剣身を呆然として見つめていた。




