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ゴリラの皮を被って  作者: 彩羽やよい


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4/20

4ウホ目:ゴリラと広い肩幅

 「ゴリラ」と並び、私を表す言葉がある。

 「肩幅が広い人が好きな人」である。

 「肩幅さん」とか呼ばれたこともある。なんだそれは。


 事実ではある。ゴリラは肩幅の広い人が好きだ。

 なぜかって?

 頼もしくて、一緒にいると安心するから。


 あと単純にビジュアルが好きだ。かっこいい。

 でも筋肉でぱんっぱんで結果として広い、みたいな肩はちょっと違う。

 ゴリラなのに。


 ゴリラは、肩幅の何がそんなに好きなのか。

 広ければいい、というわけではない。

 筋肉で盛られていればいい、というわけでもない。


 肩の骨格そのものがしっかりしていて、骨から骨までの長さを測ったときに、広い肩。

 それが、ゴリラの理想の肩幅である。


 肩幅が広い人を見ると、ゴリラはちょっと嬉しくなる。

 肩幅の広い人がシャツを着ると、肩のところがこう、ぴんと張る。

 ゆるりとした服を着たとき、肩から腕へ落ちていく線もいい。

 正面から見たときに「横に広いな」と思うのもいいし、後ろ姿を見たときに「やっぱり広いな、背中まで広いな」と思うのもいい。


 肩幅が広いことに悩んでいたりすると、なおよい。

 肩幅のせいで、服のサイズがいまいち合わなかったりするのである。

 他はぴったりなのに、肩だけのことを考えたらひとつ上のサイズじゃないときつかったりする。


 そして大きめのを着ると、今度は胴回りが余ったりするのだ。

 袖もちょっと長かったりする。

 でも肩はちょうどいい。


 狭い通路が通れなかったりもする。

 少し体を傾けたり、横を向いたりして、窮屈そうに通る。

 

 かわいいではないか。

 ちょっとしたコンプレックスを抱えているところまで含めて、ゴリラには愛おしい。


 ゴリラは、そういう「本人はちょっと気にしているけれど、ゴリラから見るとむしろ素敵」というものに弱い。

 ちょっと不器用だったり、本人だけが気にしていたり、うまく隠そうとしていたり。

 そういうところを見ると、ゴリラは「かわいいな」と思う。

 だからたぶん、ゴリラが好きなのは肩幅だけではないのかも。


 どうだい?

 ゴリラの言ってること、わかる?

 わかんないか。だよねー。


「じゃあ肩幅が広けりゃ好きなのか?」

 という質問に対しては、

「んなわけないウホ。肩幅だけで人間のすべては決まんないウホ」

 と、全力で答えさせていただく。

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