2ウホ目:ゴリラが書くおはなし
さて、ゴリラだゴリラだと言われているが。
書いている物語は案外、ゴリラでなかったりするのである。
いや、骨太というか、読むのにカロリーの必要なお話なのは間違いない。
読むときにはドラミングばかりしているゴリラなのに、書く側に回ると花が咲き、香りが漂い、愛を語ったりなんかもする。
そもそもゴリラが物語を書いている時点で、あまりゴリラらしくない。
森で木の実でも食べていればいいものを、パソコンに向かってうんうん唸っている。
どうしてこうなったか、ゴリラにもわからない。
それでも、ゴリラは物語を書き始めてからゴリラと呼ばれるようになったので、そもそも順序が逆である。
ゴリラの文章は、ある人からは、
「氷の下からマグマが吹きあがる」と言われ。
またある人たちからは、
「色鮮やかで香り高い情熱ゴリラ」
「とてもゴリラによって書かれたとは思えん」
「色と香りに満ちた文章を書くゴリラ」などと呼ばれたりもする。
いやそっちは結局ゴリラやないかい。
と思いつつ、大変嬉しくなる言葉である。
ゴリラは綺麗なものに憧れている。
森の奥にはない色彩や、匂い。
美しいものだけで人生……、ゴリ生を満たして生きていければいいのになぁ。あんまりうまくはいかないけど。
そう考えたりもする。
それゆえ、自分の頭の中にあるものをなんとか出力して作り出しているお話は、たっぷりと綺麗なもので満たしておきたいのかもしれない。
読んでくださる方の頭の中に景色が浮かべばいいな、と思いながら。
ゴリラは今日も、書いている。
ゴリラだが、キーボードを叩き壊したりはしない。
ちゃんと優しく押している。
ゴリラにも文明社会への適応力はある。
登場人物の姿は好きなだけ想像してほしい。
その世界の景色も、匂いも、音も、たくさん想像してほしい。
ただし、このエッセイを読みながら、ゴリラの姿を思い描いては駄目である。
恥ずかしいから。
もう想像しちゃったって?
仕方ないウホね、ちょっとだけウホよ。




